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なぜ日経平均・ビットコイン高騰も投資家は冷静?年初来高値銘柄にヒント=高梨彰

日経平均が29年ぶり高値を更新するも、市場では盛り上がりに欠ける印象。裏付けとなるデータとして、東証の年初来高値銘柄数は100に満たずです。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)

※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2020年11月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:高梨彰(たかなし あきら)
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。

日経平均29年ぶり高値更新も、市場は盛り上がりに欠ける?

日経平均株価はバブル崩壊後の高値を更新。でも市場では盛り上がりに欠ける印象です。

裏付けとなるデータを1つだけ挙げるとすれば、年初来高値の数です。日経平均株価が2万6,000円台を付けた段階でも、東証の年初来高値(新高値)銘柄数は100に満たず。盛り上がっている時の新高値銘柄数は200を超えます。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

それ以上に、新興市場マザーズが「14年振りの高値」を付けた後から調整中。押し目を拾う動きはあるのでしょうが、昨日も3%超下げています。

マザーズ指数 日足(SBI証券提供)

マザーズ指数 日足(SBI証券提供)

「あつ森」人気の任天堂も高値から1割ほど下げています。個人に人気の銘柄が軒並みもたついていて、ここでも日経平均株価の上昇とは対照的です。

任天堂<7974> 日足(SBI証券提供)

任天堂<7974> 日足(SBI証券提供)

ビットコイン再高騰も忘れられている

盛り上がりに欠ける値上がりといえば、ビットコインも。2017年末に2万ドル(≒200万円)直前まで上昇したビットコイン、再び騰勢を強めています。直近の値は1万7,711ドル。180万円ちょっとです。

日本ではビットコインの存在すら忘れられつつあります。世界でも市場に興味がない人ならば見向きもしなくなっているはずです。でも、値上がり。熱狂もなく値上がりしている様子は何とも不気味です。

ただ、ビットコインは依然として一般的な普及は進んでいません。怪しいゲームが独立した場所で継続している感じです。

それにしても、こうした「値上がり、だけど盛り上がらず」という表現がしっくり来る事象が多くて困ります。新型コロナウイルス感染と株価の関係も同様です。「感染拡大が続くが、株価は値上がり」でして、困りものです。

Googleコロナ感染予測では年内に感染拡大か

Googleが日本用にプログラムした、ウイルス感染予測も見ました。

今後28日間の推移予測が掲載されていますが、「(日本の)予測される死亡者数543、予想される陽性者数50,367」に多少の驚きを得ます。

都道府県別に見ることも可能でして、例えば北海道の予測は今後2次曲線的な伸びを示しています。東京は同じようなペースで直線的に増える感じでしょうか。

Next: 非常事態宣言の可能性は?株価指数の伸びと世間の盛り上がりに乖離

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