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婚活に敗れた30代女子の「夫の代わりに不動産投資」戦略に勝算はあるか?“成約”までの意外な共通点と必勝法=長谷川高

「婚活してきたが、なかなか上手くいかなかった。それで不動産投資をすることを思い立ちました」という30代女性から、不動産投資の相談を受けました。「自分は結婚には向いていないかもしれないと感じている。そこで、夫を探す代わりに、老後も経済的に困らないように、不動産に投資することにしました」とのこと。初めて聞いた「夫の代わりに不動産」というお考えです。私は「婚活」と「不動産投資」には共通点があると考えます。不動産投資コンサルタントの立場から、成功への近道をお伝えします。

プロフィール:長谷川高(はせがわ たかし)
長谷川不動産経済社代表。不動産・投資・リートが専門。経営者・法人向け顧問業務。不動産市況、アパート・マンション経営、民泊経営等を全国で講演。著書に『家を買いたくなったら 令和版』『厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術』『不動産2.0』ほか多数。Twitter

婚活がうまくいかない…ならば「夫の代わりに不動産」?

私は、必ず不動産投資をしたいという方に会うと、投資をしたいと思った理由を冒頭に聞くようにしています。

これが単純に「FIREしたい」とか「不労所得を得たい」といったものから、最近では「親を老人ホームへ入居させるときの経費を補うために」といったものもありました。

老人ホームへの入居に際してかかる費用は、東京近郊で一時金として500万円から4,000万円、毎月の支払いも16万円程度から40万円程度とさまざまです。とにかく、親本人の年金だけでは毎月かかる費用に対して充分ではなく、そこをどうにかしたいとのことでした。

また若い世代で、「老後を安心して暮らすために不動産投資を始めたい」と言う方も少なくありません。

この「なぜ不動産投資をしたいのか?」という問いに対して、先日お会いした30代女性の答えがいかにも今風で興味深かったので、今回はご紹介いたします。

その方の不動産投資を始めようと思った動機は、「婚活してきたが、なかなか上手くいかなかった。それで不動産投資をすることを思い立ちました」と。

「えっ!?」と私。その後に続いた彼女の話を要約いたしますと、次の通りです。

「職場の仲の良い友人が次々に結婚した。私もそろそろと思い、婚活をしてみた。合コン・お見合い・婚活パーティーと、多いときで週に5回もその類の行事に積極的に参加した。しかし、自分には男性を見る目がなく、良い人に出会うことができなかった。自分は結婚には向いていないかもしれないと感じている。そこで、夫を探す代わりに、老後も経済的に困らないように、不動産に投資することにしました」とのこと。

初めて聞いた「夫の代わりに不動産」というお考えでした。

私は、正直に「まだまだ不動産などにいきなり投資するよりも、もう一度お相手を探した方が良いのではないですか?」とお伝えしました。

ところが、「私にとっては婚活の方が遥かにハードルが高いのです。実は、恋愛経験が少ないので、良い相手かどうかを判断することが非常に難しい」と言うのです。

私は「う〜ん、そうですか」と唸ってしまいました。

「婚活」と「不動産投資」に共通点

婚活と不動産投資のどちらが難しいかは別にして(もちろん、私は婚活の専門家ではありませんが…)、思うにこの2つにはいくつかの共通点があるように思います。

女性が婚活するうえで男性を選ぶ基準はさまざまあるでしょうが、「容姿」や「性格」以外にも、一般的には「学歴」「勤務先」「収入」に関わることが重要になってくるのかと思われます。

男性の勤務先が大企業であれば、おそらく毎月のインカム(給与)は将来にわたって安定していると想定できるのでしょう(この辺の「大企業」の将来性も、実は近年怪しくなってきている現状はありますが)。

不動産投資においては何を重視するかと言えば、先ずは対象の不動産の立地が最初に気になる点です。

例えば、対象の不動産が人気エリアにある場合、将来にわたり確実にインカム(家賃収入)を得られる可能性が高いと想定できるわけです。しかし、その結果、不動産価格も人気ゆえに相当高いのです。

さらには、実際のマーケットでは、ある程度の資金がある方でないと、そういった人気エリアではそもそも投資が難しくなっている現状があります。

「資金力があまりないが、どうしても高いインカムを重視したい」という方は、一般的に有名・人気のエリアは避け、「一般的にはあまり知られていないが将来有望な立地」にある物件を探す方法を取る方も多いのです(これはある意味「逆張り」の発想ですが)。

婚活においても、これは可能でしょうか?いま現在の男性の収入や男性の勤務先が心許ないとしても、「将来の成長」にかけてみるといった発想です。難しいでしょうか。

しかし、これがまさに逆張り的な発想であり、古典的かつ基本的な投資の手法の1つなのです。

その他、共通の「注意点」もあるように思います。

「立地(職業)に比較して、不思議とインカム(年収)が高い物件(人)には注意」です。不動産投資の成否がわかるには、長い時間がかかります(結婚も同じでしょうか…)。つまり、立地や築年数の割には、一見インカムが良い(ように見える)物件には逆に注意が必要です。3年後・5年後には、空室率上昇と賃料低下で家賃収入が50%ダウンということも起こり得ます。

Next: 見かけに惑わされると危険?婚活も不動産投資も前のめりでは失敗する

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