■ROBOT PAYMENT<4374>の今後の見通し
1. AIによってさらに存在価値が高まる決済インフラ
AIの技術進化が急速に進むなかで、SaaSを中心としたソフトウェア企業のビジネスが将来的にAIに代替されるとの懸念が高まり、ITセクターの株価が世界的に軟調に推移している。こうした懸念について同社は、AIの普及によって代替される業務は広がるものの、決済インフラ領域に関してはヒトによる明確な責任と判断を要し、法的・金銭的リスクを伴うこと、金融業界の厳密なルールに適合する必要性があることなどから、AIへの代替は不可能と考えている。一方、自社プロダクトで決済プロセス以外の機能にAIを実装することで高付加価値化を図っており、AI企業が進出してきたとしても同等以上の価値を提供できると考えている。また決済中心にワークフロー全体を一元的に統合・自動化していることや、創業以来蓄積してきた膨大な決済・行動データをAIに学習させることで機能強化も進み、単一のAIツール以上の価値を継続的に提供することが可能となる。以上から、同社プロダクトはAIに代替されない決済インフラサービスとして今後も利用され続けると同社では考えている。
また、AIの普及により特定業務に携わる人員の一部がAIに代替されることで、SaaSを利用している場合には必要ID数が減少すると言われている。しかし、同社サービスの売上構成に占めるID課金の比率はわずか2.5%の水準であり、影響があったとしても極めて軽微にとどまると考えられる。ただし、同社プロダクトは経理部門での利用が中心であり、もともと必要最低人数での運用となっており、かつヒトによる送金可否の承認が必要となるため、実際にID数の削減が起きる可能性は極めて低い。
2026年12月期業績は新規事業を立ち上げつつ連続増収増益を見込む
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の業績は、売上高で前期比13.1%増の3,683百万円、営業利益で同9.9%増の850百万円、経常利益で同7.7%増の850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.3%増の587百万円と増収増益が続く見通し。顧客獲得施策を強化することで「サブスクペイ」「請求管理ロボ」ともに顧客アカウント数で10%程度の増加を前提としている。また、複数の新規サービスのローンチを計画していることもあって広告宣伝費が同17%増、人件費が同25%増、開発費が同10%増とそれぞれ増加する計画となっており、営業利益率は若干低下する見通しだ。同社は2025年10月に発表した長期経営戦略の中で、成長を再加速させるために投資基準を明確に定め、2026年12月期より増収増益を維持しながら成長投資を積極的に実施していく方針を打ち出しており、その方針に沿った計画となっている。なお、人件費の増加率が高くなっているが、2025年の採用が下期偏重だったことに加えて、2026年も積極的な採用を行い前期末比で10%程度の人員増を計画していることが要因だ。ただ、同社は業績計画を保守的に策定する傾向にあるため、2026年12月期業績についても上振れる可能性はあると弊社では見ている。
(1)ペイメント事業
ペイメント事業では顧客アカウント数で前期比10%程度の増加、顧客単価は前期比横ばい水準で推移することを前提に13%程度の増収を見込んでいる。2026年12月期の事業方針として、「サブスクペイ」シリーズの決済機能拡張(QRコード決済対応等)やCRM機能の強化を図っていくほか、営業組織の拡大による顧客獲得に注力していく。
特に、顧客獲得については鈍化していた純増ペースを再加速させるべく、2025年末に認知度調査を実施しており、広告戦略も含めて新たな施策を講じていく。一つ目は、従来あまり注力してこなかったデジタルコンテンツ領域の顧客獲得に向けて、専任の営業担当を1人つけるとともにクレジットカード会社と協業しながら営業強化を図っている。また、従来は顧客獲得の95%を直販で占め、代理店を通じた間接販売に課題があったことから、代理店ネットワークを拡充し間接販売による顧客獲得も進めていく。代理店の開拓に向けては豊富な経験を持つ人材を新たにパートナー統括責任者として採用済みで、「請求管理ロボ」と合わせて代理店販売を強化していく方針だ。
(2)フィナンシャルクラウド事業
2026年12月期の事業方針として、「請求管理ロボ」シリーズでは、ターゲット業種としてパートナーにもなりうる仕業(会計事務所など)での顧客開拓を推進していくほか、間接販売の強化も進めていく。また、2026年3月にローンチした「債権回収ロボ」との連携による提供価値の拡大を図っていく。「請求まるなげロボ」については決済手段の拡大による取扱債権の拡大を図るとともに、与信の自動化によるコスト削減と与信のスピードアップにより競争力を高めていく方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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