■要約
サインポスト<3996>は、金融機関向けITコンサルティングを主力とし、基幹システム構築・更改支援などを手掛けるテクノロジー企業である。事業は、金融機関向けを中心とするコンサルティング事業、リテール向け製品・技術を開発するイノベーション事業、地域金融機関との連携を通じたDX・地方共創事業の3事業を展開している。主力のコンサルティング事業が収益基盤を担う一方、イノベーション事業やDX・地方共創事業は先行投資段階にある。加えて、2026年3月にはAX事業部を新設しており、生成AIを活用した社内生産性向上や新サービス展開を進める方針である。同社の強みは、顧客課題を発掘・解決するコンサルティング力と、新たなサービス・製品を生み出す開発力にある。
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の業績(非連結)は、売上高が前期比3.8%増の3,138百万円、営業利益が同50.8%減の98百万円、経常利益が同53.2%減の92百万円、当期純利益が同70.4%減の76百万円となった。売上面はコンサルティング事業を中心に堅調に推移した一方、コンサルタントの採用、営業体制の強化、新サービスの開発など、先行投資に伴う採用費・人件費・開発費の増加により減益となった。売上総利益はコンサルティング事業の増収によって同7.8%増加し、売上総利益率は同1.2ポイント上昇して32.1%となった。販管費は同23.7%増加し、販管費率は同4.6ポイント上昇して28.9%となった。一方、修正予想に対しては、繰延税金資産の一部取り崩しにより当期純利益は下回ったものの、売上高・営業利益・経常利益はいずれも上回った。第4四半期にコンサルティング事業の受注が想定を上回ったほか、中途採用関連費用が想定を下回ったことが主因である。
2. 2027年2月期の業績予想
2027年2月期の業績(非連結)予想は、売上高が前期比22.7%増の3,850百万円、営業利益が同43.1%減の56百万円、経常利益が同44.9%減の51百万円、当期純利益が同13.4%減の66百万円としている。売上高はコンサルティング事業がけん引し大幅な増収を見込む。一方で、事業基盤の強化に向けた先行投資により、採用費・人件費・開発費などが増加するため、各利益は減益となる見通しである。特に上期に採用コストや新卒採用に伴う人件費の増加に加え、EC事業者向けDXトータルソリューション「Global GO!」の開発投資が集中するため、損益改善は下期から顕在化する計画である。なお、第1四半期には関係会社売却益((株)TOUCH TO GO(以下、TTG)の株式売却益)19百万円を特別利益として計上する予定である。2027年2月期は事業基盤強化の時期と位置付けて減益予想だが、先行投資の成果により、2028年2月期から再成長ステージに移行すると弊社では見ている。
3. 成長戦略
同社は中期成長戦略として、金融・公共機関向けコンサルティング事業で培った課題発掘・解決力と、新サービス・製品を生み出す開発力を強みに、事業領域の拡大と新市場へ挑戦をする方針である。併せて、外部との提携も活用して成長を加速する方針である。2027年2月期~2029年2月期の重点取り組みは、コンサルティング事業では事業領域拡大による成長力の強化、イノベーション事業では「Global GO!」によるストック型ビジネスの確立と成長、DX・地方共創事業では「DX伴走支援サービス」の全国展開、AX事業ではサービス拡充によるSaaS型高成長モデルの実現を目指す。
■Key Points
・社会に新たな価値を創出することを目指すテクノロジーに強みをもつコンサルティング企業
・イノベーション事業、DX・地方共創事業、AX事業は先行投資段階
・2026年2月期は先行投資で減益も修正予想を上回る水準で着地
・2027年2月期は事業基盤強化に向けた先行投資で減益予想
・事業領域の拡大及び隣接領域・新市場に挑戦
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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