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翻訳センター、米国通商政策の影響等を受け減収減益も増配へ 今期見通しを踏まえ、中計最終年度の業績目標を修正

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2026年5月25日に発表された、株式会社翻訳センター2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

2026年3月期 業績ハイライト

二宮俊一郎氏(以下、二宮):株式会社翻訳センター 代表取締役社長の二宮です。本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。当社の決算についてご説明します。

まず、今期の業績です。売上高は108億7,100万円でした。営業利益は7億500万円で、前期比20.7パーセントの減少となりました。経常利益は7億4,800万円で、前期比17.3パーセントの減少です。

この大きな要因の1つは、米国通商政策の影響です。我々の業界としては避けられない影響を受けています。

当期純利益は4億6,200万円となり、前期比36.1パーセントと大幅に落ち込みました。これは業績低迷に加え、前期の子会社株式売却益および移転補償金の反動減が要因です。

2026年3月期 業績サマリー

業績サマリーです。通期目標に対して売上は95.4パーセント、営業利益は78.4パーセントと、非常に厳しい結果に終わりました。

2026年3月期 業績

各事業の業績についてご説明します。翻訳事業全体では約5パーセントの減少となりましたが、その中で唯一、特許分野だけは増加を維持しました。ただし、増加率は約1パーセントと非常に小幅なものでした。本来はもう少し大きな増収を見込んでいました。

見込みどおりにいかなかった主な理由として、大手企業と年間契約いただいた部分で、予定されていたご依頼件数が予想外に減少したことが挙げられます。特に大手企業2社が揃って減少したことが影響しました。

2026年3月期は、別の大手企業との間で新たに非常に大きな取引が始まる年度として、それなりの増収を見込んでいました。しかし、新規のお客さまの取引が増えたものの、既存の2社の取引が減少してしまい、結果として微増にとどまり、予想外に厳しい結果となりました。

また、医薬分野は、期中は好調に増収を続けていましたが、期末は微減という結果に終わりました。

医薬分野は再三申し上げてきたとおり、ここ数年は非常に不調な状況が続いていました。不調の原因として、業界の動向というよりも当社の営業体制に問題があると考え、ここ数年は営業体制の改革に取り組んできました。

2026年3月期は、その改革の成果が現れている年度であり、結果としては微減となりましたが、当社のメインクライアントである大手製薬会社からの受注が伸びてきています。この受注増加の要因は、データの活用と営業活動の改善によるものです。お客さまの情報を的確に捉え、それに基づき適切な提案を行うことで成果が上がっています。

一方で、減少の要因となったのは製薬会社ではなく、CRO(開発業務受託機関)からの受注減です。CRO企業からは多くの案件をいただいているものの、どうしてもCRO側の都合により発生する影響を避けることは難しく、また治験の進捗状況によるニーズの変動も避けられませんでした。これにより、CRO企業からの受注の減少が全体の業績にも響き、結果的に微減というかたちでの着地となっています。

工業・ローカライゼーション分野と金融・法務分野は、いずれも大きく下がっています。工業・ローカライゼーション分野は15.3パーセント減、金融・法務分野は12.2パーセント減となりました。

これら2分野は、マクロ環境の影響を受けやすく、翻訳ニーズの増減に左右されやすい特性があります。そのため、外部環境要因を避けられず、両分野に影響が出ていると考えています。

具体的には、特に自動車関連の比率が高い工業・ローカライゼーション分野で、自動車関連の減少が顕著だったことも影響しています。

金融・法務分野は一般ビジネス分野を多く取り扱っており、その中にはIR分野も含まれます。IRの増加は期初から見込んでいたため、金融・法務分野の成長を期待していましたが、結果的には大きな減収となりました。

実際にIRは増加しています。一方で、法務系では契約書などが大きく減少していること、さらに官庁系の減少などが要因として挙げられます。

業界全体が厳しくなると、もともと厳しかった官庁系の入札価格もさらに苛烈になる傾向があります。その結果、官庁系が減少したことが大きな要因です。

一方、派遣事業は売上高が4.4パーセントの減収となりましたが、セグメント利益では増益を維持しています。この詳細は後ほどご覧いただきますが、なんとか横ばいで維持できていると評価しています。

派遣事業では、案件自体は比較的好調ですが、通訳案件が増加していることにより、対応可能な人材が不足しがちです。そのため、お仕事の依頼はいただいているものの、マッチングが成立せず、売上が増加に転じない状況です。

他方、利益が増加しているのは人材紹介の部分です。一度獲得した人材を固定化したいというご要望が各社で増えており、人材紹介が拡大したことで、利益も増えている状況です。

通訳事業は11.4パーセントの増加を記録し、唯一非常に好調を維持しています。前期にも申し上げましたが、コロナ禍の収束以降も右肩上がりの成長を続けてきました。成長率は徐々に減少しているものの、前期も2桁成長を維持しました。

この好調の要因としては、ある大手企業が経営会議や技術会議の案件をすべて当社にシフトしてくださったことが挙げられます。

また、スポット的な大型案件が重なったことも要因です。大手企業が技術交流のためのグローバル会議やマーケティング、経営会議を開催し、それらの人数規模が非常に大きく、期間も長かったことが寄与して好調を維持できています。

一方で、その他の事業は、コンベンション事業から撤退したこともあり、全体では減収となっています。ただし、コンベンション事業はもともと赤字であったため、撤退により逆に利益の増加につながる結果となりました。

粗利率は横ばいで、販管費は若干増加しています。売上の低迷を受け、当然費用のコントロールを図るべく努力してきましたが、人件費が占める比率が大きいため、性急なコントロールは難しく、横ばいを維持するのが精一杯という状況でした。

以上の結果をもちまして、営業利益は先ほどご説明したとおり、減益という結果となっています。

2026年3月期 業績

2026年3月期のセグメント別業績についてご説明します。翻訳事業は非常に厳しい状況で、売上は4.8パーセント減収、セグメント利益も29.7パーセント減益となりました。当社のコア事業であるため、この結果は重大です。一方、他の事業はスライドのとおり、利益面で増益を確保しています。

その他の事業は、約2,000万円の増益という結果を出せています。

翻訳事業の売上拡大、マクロ環境に負けず売上を拡大させるためには、営業を強化するしかありません。そのための取り組みを進めています。

2027年3月期 予想

続きまして、2027年3月期の予想についてです。全体で113億円の売上を目指しています。翻訳事業は、3.5パーセントの増収を目指しています。

全体的には、マクロ環境の厳しさが継続すると考えていますが、営業を強化することで増収を目指していきます。

特許分野では5.9パーセントの増収を計画しており、先ほど触れた大手3社の動向の影響が大きいものの、他のお客さまもいらっしゃるため、積み上げによる顧客層の拡大を狙い、増収を果たしていきたいと考えています。

医薬分野は2.8パーセントの増収です。各製薬会社への取り組みを継続することで拡大を図るとともに、CRO企業との関係強化により減少した分の回復を期待し、増収を予測しています。

工業・ローカライゼーション分野および金融・法務分野は、マクロ環境の影響を大きく受けている状況です。その中でも増収傾向への転換を目指し、わずかではありますが増収を計画しています。

ただし、依然として下げ幅は大きく、まだ回復には至っていませんが、前期比横ばいは維持していけると考えています。

派遣事業は1.2パーセントの増収で、実質的には横ばいを見込んでいます。

通訳事業は成長率が徐々に低下しているため、今期は4パーセントの増収を計画しています。控えめな計画ではありますが、スポット案件が多いために予測が難しい状況です。定常的な案件の流れを基に、このような成長率で計画しています。

売上総利益率は0.3ポイントの向上を見込んでいます。これは主に翻訳事業で収益を上げる必要がありますが、従来どおりAI活用の推進を図り、利益率の向上を目指していきたいと考えています。

販管費は4.5パーセントの増加、営業利益は6.2パーセントの増加、純利益は8.1パーセント増の5億円を見込んでいます。

連結業績目標の修正

続きまして、中期経営計画についてご説明します。まず初年度の実績および今期の見通しを踏まえ、中期経営計画最終年度の業績目標を修正しました。

修正後の目標は、売上高を117億円、営業利益を9億円、当期純利益を6億円に変更しました。また、ROEは8パーセント以上に変更しました。

ROE目標は、短期的な利益率の低下により従来の水準を一時的に下回る見通しとなったため、引き下げました。しかし、中長期的には従来どおり10パーセント以上を目指していきたいと考えています。なお、数値目標を変更しましたが、戦略面では一定の成果が出ていますので、各施策は引き続き維持していきたいと思います。

中期経営計画 重点施策の進捗報告

重点施策の進捗についてご説明します。まず1つ目は、AIやデータの活用による事業競争力の強化です。

こちらは3本柱があり、1つ目は「データによるニーズ捕足」です。具体的には、統計データを活用してお客さまの需要のタイミングや有無を予測し、それに基づいてターゲティングを行いながら営業活動を展開することで、営業活動の効率化を図っていました。

これにより、特に短納期といった納期に関連するニーズを非常に明確に把握することができました。それに応える取り組みが、スライドに示されている「AIによるQCD最適化」です。

価格戦略は特に特許分野において大きく実施していますが、むしろIRや製薬分野では、価格だけでなく、納期面でのニーズが非常に強いことがわかりました。

これを実現するために、ITやAIの活用に積極的に取り組みました。もちろん納期対応だけでなく、仕入れ原価の低減にも寄与させるべく、引き続き取り組んでいます。

その結果として、「価格競争からの脱却」ができたと考えています。具体例をスライドの下に3つの文書種類として挙げています。

特定の文書に限定されますが、これら3つに関しては売上も増加し、1件当たりの案件単価も上昇しているという非常に良い状況です。

1つ目はIR資料です。数値面はご覧のとおりで、こちらはご存じのとおり日英同時開示が基本的に求められます。

日英同時開示をどのように実現するかは、お客さまとご相談しながらサービスをご提供しています。その結果として、ご覧のとおりの成果を得ることができています。

2つ目の教育研修資料は、主に外国人社員の方を対象とした教育研修を目的としています。教材はテキストベースに留まらず、映像教材の利用も増加しています。

当社では映像翻訳サービスを提供しており、当社のノウハウを的確に提案することで案件単価や売上も増加しています。

最後に治験実施計画書についてです。先ほど説明した医薬分野の業績とも関連しますが、データの活用と営業活動の改善により、製薬会社に対してきめ細やかな営業アプローチが可能となりました。

その結果、大量かつ高品質を求められるにもかかわらず、国際共同試験が加速する環境において納期短縮も求められているという切実なご相談を多くいただけました。

これを受けて、当社側の体制変更やお客さま側のご協力も含め、納期短縮を実現すべく取り組んだ結果、大きな増収を果たすことができました。現在もこの取り組みを継続している状況です。

中期経営計画 重点施策の進捗報告

次のトピックは「業務効率化の推進」です。工程管理プロセスの標準化については、当社では地域や分野によって工程管理手法に違いが残っている状況がありましたので、標準化を行いました。

その結果として、案件進捗の可視化や管理手法の共通化が可能な環境を構築し、標準化の基準を定めることができました。

また同時に見直しを行ったのは、組織設計の再定義です。営業とプロジェクトマネージャの役割を変更しました。

従来は営業が各個別案件の対応に相当な時間を割いていました。これをプロジェクトマネージャに任せることで、営業がよりお客さまとのコンタクトや営業活動に注力できる体制を構築しました。業務範囲と権限の見直しも進めました。

現在は、これらを工程管理システムに内蔵し、構築する段階に移っています。

中期経営計画 重点施策の進捗報告

安定した収益基盤の確立についてです。まず1つ目として、株式会社FIPASという特許の外国出願専門会社を、翻訳センターの特許部門に吸収合併しました。

企業の知財部門を積極的に攻めていく際に、外国出願の機能と翻訳が分かれた状態よりも、一体となっているほうが、よりお客さまに対してサービスの付加価値を高められると考え、合併に至りました。

次に成長投資という面では、シトラスジャパン株式会社というWeb制作会社を買収しました。同社はもともと多言語Web制作に強みを持つ企業です。

当社では、これまでWebサービスやWebの翻訳のご相談をいただいた際、翻訳業務に限定されていましたが、今後はWeb制作や管理も含めた、より付加価値の高い提案が可能な体制が整いました。

ポートフォリオの最適化と資本効率の向上が、それぞれ一歩ずつ前進したと考えています。

株主還元

最後に、株主還元についてご説明します。

利益還元の一層の充実と資本効率向上を目的として、中期経営計画期間を対象に、DOE(株主資本配当率)を6パーセント以上、総還元性向を100パーセント以上とする株主還元方針を適用することとしました。

その結果、2026年3月期の配当は大幅に引き上げ、1株当たり140円としました。また、進行期の配当も、1株当たり140円を維持する見通しです。

成長イメージ

成長イメージですが、従来と変わらず、基本はオーガニック成長を基盤としています。特に翻訳事業の立て直し、売上の増加、増収への転換が目下で達成しなければならない最大の課題です。

また、それを進めるとともに、M&Aも積極的に活用して規模の拡大を図りたいと考えています。私からの説明は以上です。ありがとうございました。

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