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KLab、IP/エンターテインメント・AI・ブロックチェーンの多角化経営を推進 AI自動取引システムは実運用間近

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2026年6月6日にログミーFinance主催で行われた、第136回 個人投資家向けIRセミナーの第2部・KLab株式会社の講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー紹介

真田哲弥氏(以下、真田):KLab株式会社代表取締役社長の真田です。まず簡単に自己紹介をします。現在のKLab株式会社はゲーム会社と呼ばれていますが、私自身は学生時代からさまざまな業種にわたり数々の起業をしてきました。

特に有名なのは株式会社ACCESSという会社で、世界初のモバイルインターネットである「iモード」というサービス、その裏側の開発を担当していました。現在もAppleやGoogleが使用しているモバイルインターネット規約は、私のチームが提出したものであり、これが全世界で今も使い続けられています。

その後、株式会社サイバードの共同創業者として、当時史上最短となる創業から18ヶ月でJASDAQ上場を果たしました。

その次に設立したのが現在のKLab株式会社(当時:株式会社ケイ・ラボラトリー)です。2000年に、「世界のコンピューティングの大半は携帯電話に替わる。その時のためにソフトウェア会社を作ろう」と志しましたが、当時は非常に先進的であるがゆえに理解されませんでした。

「PCよりも携帯電話の数が増えて、それが世界最大のコンピューターになる」という新たなコンセプトでケイ・ラボラトリーを設立しましたが、続く「iモード」や「iPhone」の登場が7年後の2007年であり、少々タイミングが早すぎたために誤解や批判の対象になることもありました。

しかし、その後のゲーム事業が大ヒットしたことを受け、「ゲームに集中しよう」ということで、現在KLab株式会社はゲーム会社としての地位を確立しています。それ以前に手掛けていたセキュリティ事業やクラウドサーバ事業については分離・売却し、それら売却された事業も新たに上場を果たしています。

そして、2018年に一度は社長を退いて会長に就任しましたが、昨年より社長に復帰しました。

2026年度第1四半期 連結業績(5/14 公表)

真田:業績についてご説明します。1月から3月までの第1四半期連結業績を5月14日に発表しました。これは『ドラゴンクエストスマッシュグロウ(DQスマグロ)』をリリースする前の業績であり、2025年は新作を1本もリリースできていませんでした。

したがって、経年的な影響で売上が減少し、5年連続の赤字となりました。昨期(第4四半期)は5億円の営業赤字で、前期からさらに多少の減少が見られる結果となっています。大変申し訳ありません。

『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』サービス開始

真田:4月21日に待望の『DQスマグロ』をリリースしました。おかげさまで早期に1,000万ダウンロードを突破し、当社としても記録的な数字となっています。

これが反映されるのは進行中の第2四半期の業績ですが、足元のKPIを見ると非常によい数字が出ています。今期の業績回復に大きく寄与する見通しです。

2026年度 通期連結業績予想

真田:業績予想についてご説明します。先日、通期業績予想を発表しました。ここ数年は通期業績予想を発表していませんでした。ゲームの場合は予測が非常に困難であるためです。しかし、今期は足元の数字が明確に見えてきたことを踏まえ、それを基に業績予想を発表しました。

売上高は前期から100億円増加の170億円を見込んでいます。また、営業利益が前期は13億円の赤字でしたが、今期は23億円の改善を経て10億円の黒字転換を見込んでいます。これは、足元のセールスランキングの好調さだけではなく、アプリ外課金の伸びが寄与しています。

アプリ外課金の利益率は25パーセントと高いため、こちらが伸びると収益率の向上につながります。足元では、アプリ外課金の数字も好調に推移しています。このような要因を考慮して、今回の業績予想を立てました。

なお、よく質問をいただきますが、予想は強気でもなく、また絶対に達成可能という弱気なものでもなく、その中間的なものです。我々としては、無理なく達成できると考えています。

現在のパイプライン

真田:現在のパイプラインとして、今期中にリリース予定のゲームが2つあります。

『JoJo’s Bizarre Adventure: Golden Spirit』については、すでに事前登録が開始されています。ユーザーのみなさまはある程度予想されているかと思いますが、それほど遠くないうちにリリースされる予定です。

また、『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL』はgumi社と共同で開発しています。具体的な日程についてはお伝えできませんが、こちらも今期中にリリース予定です。

この2タイトルはいずれも今期中の売上・利益に寄与する予定です。なお、先ほどの業績予想には、『DQスマグロ』は数字が見えているため、確度の高い予想を織り込んでいますが、他のタイトルは現時点で不確定な要素が多いため、あくまでも計画上の数値を織り込んでいます。

中期経営計画 VISION2028

真田:3年間の中期経営計画においては、売上高350億円、営業利益50億円を目指しています。

2026年の営業利益は10億円、売上高は170億円を予定していますが、今期の中盤以降に新作が相次いでリリースされる見込みです。そのため、今期における新作の売上貢献は、大まかに見て半分程度です。

2027年以降には、新作の売上が通期でフル寄与します。つまり、2026年よりも来年、来年よりも再来年のほうがゲームの売上は増加すると考えられます。

加えて、当社はさまざまな新規事業も開始しています。AIやエンターテインメント系の事業は先行投資が続く傾向があります。いわゆるJカーブのように、リリース直後は先行投資や広告費が重なり、その後浮上して黒字化へと転じますが、その過程には通常2年から3年を要します。

そのため、今期は利益ベースではマイナスになる見通しですが、当社は比較的早い回収計画を立てており、2027年からは今年リリースしたサービスのいくつかが黒字化し、収益フェーズに移行する見込みです。2028年には新規事業が大きく売上に寄与することを想定しています。ゲーム事業と新規事業を合計すると、2028年には相当な利益を出す状況になると想定しています。

2028年、2029年以降においても、新規事業による売上を通じて、大きな収益を生み出す企業へと成長を遂げることを目指しています。

振り返ると、7年前、私が社長を退いた前年の業績は、売上高320億円、営業利益は約50億円、株価は2,000円を超えていました。今から3年後には当時の水準に到達し、4年後以降には超えることを計画しています。業績としては最盛期の水準を3年で取り戻すことを想定しており、株価もその業績に追随してほしいと考えています。

ゲーム事業の方針

真田:ゲーム事業の経営方針についてお話しします。現在、国内のスマートフォンゲーム業界は非常に厳しい状況にあります。これは当社だけではなく、業界全体の構造として厳しさが増しています。当社の業績が振るわない理由を市場環境のせいにするつもりはありませんが、市場環境が一因であることも事実だと思います。

例えば電車の中でスマートフォンを操作している人は、10年前ならほとんどの人がゲームをしていました。しかし現在では、多くの場合はSNSを利用しているか、「TikTok」や「YouTube」等の動画を見ており、ゲームをしている人はあまり見かけません。

私自身も職業柄、電車に乗ると周囲の人がスマートフォンで何をしているのか気になります。どの世代がどのような使い方をしているのか、勉強を兼ねて人間観察をすることも多いです。

ゲームユーザーは動画やSNSに流れてしまい、ヘビーなゲームユーザーはPCゲームへとシフトし、ゲーム業界全体の市場規模が頭打ちとなっている一方で、開発費は非常に高騰しています。これは、スマートフォンの性能が向上したことが背景にあります。

一昔前のゲーム機よりも現在のスマートフォンは性能が優れています。フルに開発しようとすると、大変なコストがかかります。すばらしい3Dグラフィックでスムーズに動くゲームが登場する中で、「2Dを出しても相手にされない」「開発費が安いものを作っても売れない」とばかりに、業界内で開発費をますます増やしています。

もう1つは、中国や韓国で制作されたゲームをプレイする方はご存知かと思いますが、海外のゲームがランキング上位に入ってきています。

このような状況で、日本のスマホゲーム会社は、苦しい立場に追い込まれています。しかし、その一方で、世界では劇場映画の売上では日本のアニメが上位に入るなど、日本のIPが大人気です。

ご存知ない方もおられると思いますが、当社は日本のスマホゲーム会社の中で、おそらく唯一の、日本の売上よりも海外の売上のほうが多い会社です。これは、今年3月末までの統計に基づいています。

当社の強みは、実は海外におけるマーケティングにあります。国内にある同業他社も、海外でさまざまなマーケティングをされていますが、結局のところ、多くは日本マーケットに依存しています。

当社は海外でマーケティングをして、海外でヒットさせることができ、それが当社の独自ノウハウ・強みになっています。世界に通用するS級(スペシャル級)の日本IPを獲得し、世界へ配信することが当社のゲーム拡大戦略の核心部です。

「日本の良いIPを世界に配信していく」、これを実現することで、マーケットはまだ拡大の余地があります。日本国内では人口が減少していますが、世界には若者の人口が増えている国が多く存在し、日本のIPやゲームに対する市場も拡大し続けています。我々はここを確実に取りにいきます。

また、協業・共同開発については、例えば『DQスマグロ』の場合、スクウェア・エニックス社がパブリッシャーで、当社がデベロッパーを務めています。また、『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL』はgumi社との共同開発です。

このように、複数の会社と協力して座組し、リスク分散を図っています。この取り組みは、リスク分散だけでなく、各企業の得意分野を活かしたプロジェクト推進となっています。

当社の得意分野を最大限に活かしながら、苦手な分野を得意とする企業と連携することで、相互に補完し合い、より確実にヒットを狙う戦略を考えています。

経営の多角化

真田:ゲーム以外の経営の多角化についてお話しします。ゲーム業界が非常に厳しい状況の中で、ゲーム事業の拡大を目指しながら、一方で、他の事業も拡大し、ゲームに依存しない経営体制を構築したいと考えています。

経営の多角化は3つのテーマに集中します。IP/エンターテインメント、AI、ブロックチェーンです。なお、ゲームはIP/エンターテインメントに含まれます。我々は、これらの分野が今後さらに成長する領域と捉えています。

日本のスマホゲーム市場は成熟し、縮小モードに入っていますが、日本のIPという視点で捉えると着実に成長を続けています。

AIについては言うまでもなく、成長を続けています。

ブロックチェーンは、好悪の意見が分かれる技術ですが、当社としては今後も成長する技術と捉えています。

当社はこの3つの領域にリソースを集中し、投資を行っています。

KLab AIエンタメ事業構想

真田:IP/エンタメ領域とAI領域を掛け合わせて進めているのが「KLab AIエンタメ事業構想」です。具体的には、VTuberのAIバージョンとなるAI VTuber、AIを活用した音楽事業、AIを使ったアニメ・映画事業などに取り組んでいます。

これらはBtoC事業のため、先行投資が発生します。しかし、これらの取り組みにより、現在不足しているAIクリエイターという人材についても、優秀な方々が次々と弊社に集まってきています。

エンターテインメントの作り方が大きく変わっていく中で、日本のトップAIクリエイターがKLabに集まってきているのは、非常にすばらしいことです。当社はこれらの人材を活用し、受託制作事業や人材事業など、早期の収益化が可能な分野に力を入れています。

BtoC事業における先行投資を通じてブランディングを行い、それを活かしてBtoB事業で足元からマネタイズ・黒字化を早期に図るという2方面戦略を進めています。

Dual Gold TreasuryのアップデートとAIトレードの開始

真田:ここからは金融についてです。お問い合わせやクレームなど、さまざまなご意見をいただいていますので、今日はしっかりとご説明します。

昨年、「Dual Gold Treasury戦略」を発表しました。しかし、まだ十分に理解されていない部分があると感じています。

アメリカではストラテジー社、日本ではメタプラネット社などが、DAT(デジタル・アセット・トレジャリー)と呼ばれる戦略企業が挙げられます。

ビットコインの成長速度は、S&P500の成長速度を大きく上回っています。そのため、ビットコインを保有していれば、他になにもしなくても、S&P500企業群よりも速い速度で成長できるというロジックに基づいています。

このロジック自体は統計学的に正確であると言えます。ただし、ビットコインはボラティリティが非常に激しく、良い時は非常に良い成績を収めるものの、悪い時には急激に下落する特性があり、厳しい状況に直面することもあります。これがビットコイン・トレジャリーの特徴です。

当社はビットコインを6割、金を4割という割合でミックスして保有しています。これを、ビットコイン(デジタルゴールド)と、金(リアルゴールド)の2つのゴールドによる、2つの金という意味で打ち出したのが「Dual Gold Treasury戦略」です。

もともと金とビットコインは、無相関、あるいは逆相関の関係にありました。これは歴史的データを調査すれば確認できる事実ですが、昨年来、金とビットコインの間にかなりの相関関係が認められるようになっています。

相関関係があるということは、「どちらかが上がる時はどちらかが上がり、どちらかが下がる時はどちらかも下がる」、逆相関は「どちらかが上がる時はもう片方が下がる」と数学的に呼ばれます。

もともとは逆相関または無相関に近い関係性でしたが、昨年来、相関関係が現れ、「ビットコインが下がる時に金も下がる」といった現象が起き始めています。これはビットコインと金の関係、あるいは、ビットコインの位置づけが従来と変わってきたということです。

当社の戦略の基となる「金とビットコインが無相関または逆相関」という理論が、若干崩れてきています。当社が採用する「Dual Gold Treasury戦略」、そして同業他社が行っている「デジタル・アセット・トレジャリー」は、基本的に長期保有を前提とし、トレードを行わないのが基本基盤です。

先ほどもお伝えしたように、「ビットコインは歴史的に過去10年成長し続けているため、長期で保持していれば成長する」という理論は誤りではないと考えます。しかし「短期的に今はたまたま下がっているが、長期で見ると再び上がる時期が来る。ここに人間のトレードが介在しないほうがよい」というのが、このトレジャリー理論です。この理論に則った会社は、世界中に多く存在します。

私たちもその考え方、その理論に基づいた戦略をとっており、そこに独自のゴールドを加えました。さらに、ゴールドとビットコインとで、年1回程度のリバランスを行うシャノン・デーモン理論という、逆相関・無相関の2つの資産を一定比率に保つことで、資産総額が順次増加していくという数学理論を採用しています。

そのような戦略を立てていましたが、逆相関関係が崩れつつあるため、新しい戦略への切り替えを進めています。それがAIトレードです。

AIトレードに関しては、昨年以来、約1年間ずっと研究・検討を重ねてきました。足元では非常に良い数字が出ているため、このAIトレードを組み込む予定です。

誤解されがちですが、Dual Gold TreasuryとAIトレードはまったく別の仕組みであり、何のつながりもありません。当社内でも、Dual Gold Treasuryは財務部が担当し、AIトレードは専門の研究チームが担当しています。両者は完全に別の人材と戦略によって運用され、現時点でDual Gold Treasuryは一切トレードしていません。

現時点ではマイナスですが、これは相場全体がマイナスであるためであり、短期的な視点です。今後相場が上がれば黒字に戻ると考えています。

これに対し、AIトレードはトレードを繰り返し、指数を上回る数字を目指しています。株式の場合は株価指数が基準となりますが、ビットコインの場合はビットコイン価格が基準となるため、これを上回る成果を目指しています。

もともとDual Gold Treasuryに割り当てていた資金を、今後はAIトレードに移行させる予定です。

⻑期保有型(Mamba-Longモデル)のバックテスト結果

真田:直近のバックテストの結果をお伝えします。当社は、もともと数十種類のAIモデルを開発しており、その中でテスト結果が良好なものを2つ厳選し、「Mamba-basic」と「Mamba-Long」という2つのAIモデルを稼働させています。

これらモデルは、4年間で857パーセントの回収率を達成しています。言い換えると、4年前に100万円を投入していた場合、957万円に増えている計算です。

バックテストの方法はよく話題になりますが、例えば2022年1月1日に売買する場合には、AIに2022年1月2日以降のデータは一切見せずに取引を実行させます。つまり、2022年1月1日時点での未来が見えない状況でAIに判断を行わせる手法です。

また、単純に回収率が良いだけでなく、ドローダウンも抑えることができています。ビットコインの場合、当社がテストした4年間の間に何度も暴落がありました。例えば、仮想通貨取引所のFTX社に米国の証券取引委員会(SEC)の調査が入り、社長が逮捕されたことで暴落した時もありました。

そのようなビットコインの度重なる大暴落の中でも、AIモデルは投資回収率857パーセントを達成し、最大下落率も大きく抑止できています。

AI自動取引システムの事業化ロードマップ

真田:現時点で開発フェーズですが、Dual Gold Treasuryに振り分けていた自己資金は、近々AI自動取引システムに移して運用する予定です。そこから少し遅れて、私募ファンドもスタートします。

金融業にはさまざまな免許があり、AIが推奨する売買タイミング等の情報を人に提供する場合は、投資助言業の資格取得が必要です。現状では当社はその資格を保有していませんが、申請の準備を進めています。

この資格を取得するには、一般的に半年程度かかると言われており、それは金融庁の対応次第ですが、具体的な取得時期は不明です。ただし、この資格を保有していない段階でも、適格機関投資家の特例業務への登録を行うことで、私募ファンドの設立は可能です。

これら2つの事業が今期中に始動し、今期の売上や利益に影響を与える見込みです。ただし、業績予想を作成した時点では、明確な売上や利益を算出できる状況ではなかったため、事業計画や業績予想には、一切織り込んでいません。したがって、これらの事業でプラスの成果が出た場合には、業績予想を上方修正することになります。

投資助言業の資格を取得後に、助言ファンドを設立する予定です。一方で、運用業という別の資格もありますが、これは投資信託会社をイメージしていただければわかりやすいと思います。当社はその運用業者に対して情報を提供し、共にファンドを運営していく仕組みを、助言業の資格が取得でき次第開始します。

この計画については、投資助言業は資格取得までに約半年かかるとのことですので、2027年には開始できると想定しています。

その後、現状はビットコインのみですが、今後はドル/円やドル/ユーロといった為替取引も開始したいと考えています。また、個別株の取引は予定していませんが、株式指数へも展開していければと思っています。基本的に、これらは同じ理論を応用して対応可能と考えています。

これらの取り組みによって、AI自動取引システムの事業化は、ゲーム事業に次ぐ収益の柱となり、かなり早いタイミングで成果を上げるのではないかと想定しています。一般の事業よりも収益化が早いため、2026年には収益貢献を始め、2027年には大きく伸びる可能性があると考えています。

質疑応答:インフルエンサーによる、中東事業やナフサ関連事業に関する投稿について

塩谷航平氏(以下、塩谷):事業外の質問となりますが、あるインフルエンサーの方がSNS上で、中東やナフサについて、御社の事業と絡めた投稿をして話題になっています。これはどのような内容なのでしょうか? 

真田:私もさまざまな方から話を聞き、その投稿を拝見しましたが驚いています。当社からなにも発表していないのに、当社がナフサを仕入れて販売するなどとおっしゃる方々がいらっしゃいます。

そのような方々はご存知ないようですが、まず、会社には定款の目的事項があります。先ほどご説明した金融事業については、もともと当社の定款には含まれていませんでしたが、今年の株主総会において、金融事業が可能になるよう定款を変更しました。したがって、金融事業は合法的に行うことができます。しかし、ナフサなどに関しては、当社の定款にはまったく記載されていませんので、行えません。

また、IRの原則を補足すると、何か事実が確定した場合に、可及的速やかに情報を開示する義務を負うものです。事実が確定しているにもかかわらず、それを開示しないことは違反となります。

反対に、確定していない事柄や、まだ可能性の段階にある話について公表することは適切ではありません。例えば、営業活動の中で担当者が好意的な反応を示したとしても、それは受注や契約が成立したわけではありません。

仮に、そのような段階でIRを発表し、それによって株価が大幅に上昇した場合は、株価操作と見なされて私自身が逮捕される可能性があります。つまり、公表していない場合、それは公表すべき事実がないということを意味します。

外部のインフルエンサーが何を言うかは自由です。しかし、会社が発表していることが真実であり事実です。会社が発表していないことは事実ではない、というのが基本です。

そのインフルエンサーの意見が正しいか正しくないかという話ではなく、法律に則って解釈していただくことが重要だと考えています。法律の理解を深めていただけると、非常にありがたいと思っています。

塩谷:再度の確認ですが、中東で大きな事業を行うというのは、あくまでもインフルエンサーの方が勝手に言っていることという認識でよろしいでしょうか?

真田:中東でさまざまなことを検討しているのは事実です。中東において良好なコネクションができており、しかもそのコネクションはトップ層に直結するものです。さまざまなコミュニケーションや交渉を行っていることも事実ですが、確定した場合にはもちろんお知らせします。

ただし、確定していない段階では、法令に従い、現時点でお知らせすることはできません。

質疑応答:黒字予想後の株主還元施策の検討状況について

塩谷:御社の業務内容や今後の見通しについてうかがいたいと思います。御社は自己資本比率が高い中で、今期から黒字予想をしています。株主還元として配当や自社株買いなどを実施する可能性や検討状況はいかがでしょうか? 

真田:まだ現時点で検討には入っていませんが、適宜、株主還元を実施していきたいと考えています。

以前はキャッシュが不足していたため、研究開発の資金として確保する必要があり、配当を実施できない状況がありました。現状ではキャッシュが十分にあります。

当社はこれまでに自社株買いという手段を採用したことがあります。当社の株の値動きは比較的激しいこともあり、機動的に対応するほうが適切と判断したという経緯があります。これらの点も踏まえ、今後の対応を検討していきたいと考えています。現時点で明確な方針をお伝えすることはできません。

質疑応答:中期経営計画の営業利益50億円目標達成の課題について

塩谷:中期経営計画に掲げる営業利益50億円の目標は、真田社長が一度会長職に就かれる前の数字ですが、この目標をあらためて達成する上で、現在の最大の課題は何だとお考えですか? 

真田:もはやほとんど課題はないと考えています。

塩谷:すばらしいですね。

真田:ゲーム事業が順調に成長すれば、今期の営業利益は10億円を予想し、来期はさらに増加すると見込んでいます。加えて、現在進行している新規事業も順次積み上がってくると思います。そのため、大きなハードルは見当たりません。

質疑応答:営業利益50億円達成時の内訳について

塩谷:営業利益のメインはゲーム事業となりますか? あるいは、AIクリエイターの受託案件など、新規事業の構想もあると思いますが、営業利益50億円を達成する際の内訳のイメージはいかがでしょうか?

真田:まず、AI関連やAIトレードといった新規事業は、当社では非常に多くのプロジェクトを進めています。中には未発表で、研究が進行中のものもたくさんあります。

かつては新規事業を1つ進めるのに10人から20人のチームを必要としていましたが、現在では、新規プロジェクトの研究段階であれば、1人プラス「Claude」で複数人分の作業を進めることが可能になっています。

以前は市場に投入して反応を見るフェーズがありましたが、現在はAI上でシミュレーションを繰り返すことにより、その期間を大幅に短縮し、コスト削減を実現できるようになっています。1人プロジェクトも水面下で多く動いており、発表可能な段階になれば公表します。

ただし、10個のプロジェクトを試みた場合でも、7個が失敗に終わる可能性はあります。しかしコストがかかっていません。以前であれば1つのプロジェクトに10人かかっていたところを、現在では10人で10個のプロジェクトを同時に進められる状況です。

一つひとつは規模の小さいプロジェクトであっても、積み重ねることで一定の金額になります。あるいは、8つ失敗しても1つが大きな成功を収めれば十分な成果が得られると考えています。そのような意味で、多数の新規プロジェクトを進める中で、見込みのあるものが複数存在しており、それにより収益が向上することを期待しています。

さらに、ゲーム事業は今期あと2本リリース予定ですが、仮にこれらがまったく成功しなかったとしても、『DQスマグロ』1作のみで一定の収益は確保できます。とはいえ、リリース予定は『僕のヒーローアカデミア UNITED SURVIVAL』と『JoJo’s Bizarre Adventure: Golden Spirit』と、すでに一定のファン層が存在するIPですので、完全に失敗するということはないという認識です。これこそがIPの持つ力だと思っています。

現時点では、中期経営計画が達成できないという状況を想像することは難しいと感じています。

塩谷:社長の中で、そのようなイメージをお持ちだということですね。

真田:おっしゃるとおりです。

質疑応答:『DQスマグロ』の業績寄与と、課金金額に関する手応えについて

塩谷:『DQスマグロ』は、進行中の四半期から業績にフルで寄与してくるとのことでした。冒頭のご説明でも「かなり手応えのある数字が出ている」とおっしゃっていました。ダウンロード数だけでなく課金金額に手応えを感じているイメージでしょうか?

真田:非常に細かくいろいろな数字が、毎週の経営会議で報告されています。ダウンロード数はもちろん、課金転換率や解約率、プレイしなくなる比率、さらには課金単価など、いろいろな数字の報告があがります。

当社は過去にさまざまな作品をリリースしていますので、成功した時・成功しなかった時の各数字と比較することができます。過去の数字に基づいて、専門チームが細かく比較・分析しています。ダウンロード数がよいだけでは売上にはつながりませんが、他の状況も決して悪くありません。

質疑応答:過去の大ヒットゲームタイトルと『DQスマグロ』の比較について

塩谷:過去のゲームタイトルと比較可能な内部データをお持ちである点は、御社の強みと感じました。御社が過去にヒットさせた大型タイトル『キャプテン翼』を思い起こしますが、このような過去の大ヒットタイトルと比較しても、今回の『DQスマグロ』はこれと遜色ない手応えを感じていますか? 

真田:遜色ない手応えがあります。内部データは開示できないため公開データだけでお伝えしますが、「1,000万ダウンロードまで何日間で達成したか」という情報は、みなさまもAIに調べさせれば、すぐにグラフを表示できます。

また、当社や他社のタイトルとの比較についても、AIに入力すれば、3分あれば表ができますので、比較していただければと思います。

質疑応答:AI関連事業で想定している収益モデルについて

荒井沙織氏(以下、荒井):「AI関連事業は期待感が先行しやすい領域だと思います。今後どのような収益モデルを想定しているのか、制作受託、IP保有、レベニューシェア、プラットフォーム手数料など、具体的な方向性を教えてください」というご質問です。

真田:今挙げられた項目はすべて検討しています。すべてがうまくいくとは思っていませんが、初期段階では全方位で取り組みながら、成果を出せるところを残していく方針です。

我々は過去にも、BtoCにおける課金モデルや施策を展開すると同時に、それが成功するかどうかにはリスクが伴うという認識で臨んでいました。一方、BtoBは利益率が高くないものの着実性があるため、保険としてBtoBで法人営業を行いながら、継続してBtoCも取り組みました。

BtoCは一度ヒットを生み出せば、利益率の面で大きな成果を期待できます。したがって、両者を組み合わせて取り組むかたちを採用しています。現在も、BtoCに対するリスクヘッジとしてBtoBにも注力しています。

最も利益が上がるのは、人気が出てIPが確立され、収益の多角化が図れる状況です。ただ、それを目指す企業は日本国内、さらには世界中に数多く存在し、狙ってできるものではありません。そのため、目指しつつも依存せず、他の方法でも収益を確保するというハイブリッドな経営スタイルを採っています。

荒井:可能ならIP保有もあると望ましいということでしょうか?

真田:IP保有があれば理想的です。エコシステムの頂点に立つことで得られるメリットが非常に大きいのは間違いありません。そのため、もちろんそれを目標にしています。ただし、できなくても損をしない体制をいかに構築するかが重要だと考えています。

質疑応答:AIエンジニアとAIクリエイターの単価および回収計画について

塩谷:「御社にはAIエンジニア、AIクリエイターといった人材が集まってきているとのことですが、雇用する単価、人件費はかなり高いと思います。どのくらいの期間で投資を回収できる見込みなのでしょうか?」というご質問です。

真田:そんなに単価が高いという認識はありません。AIエンジニアは世界的に単価が高いですが、一方で、AIクリエイターは現状それほど単価が高いわけではありません。ただし、世界的にAI関連の人材が不足しており、単価が高くなっているのは事実です。

当社ではAIエンジニアに関して、日本には優秀な人材があまりいないため、インドの方々と協力する体制を構築しています。

回収期間の見込みですが、人件費の高低にかかわらず、いかに売上を上げるかが重要です。業績についてはお伝えしたとおり、BtoCに関しては、今期は赤字でもよいと考え、投資を行っています。

来期からはその一部を回収フェーズに移行し、成果が出ない部分は撤退する計画です。すべてが回収フェーズに移行できなくとも、一部が移行できれば十分と考えています。3割打てれば良く、全打席でヒットを出そうとは思っていません。

真田氏からのご挨拶

真田:ご支援や応援、またご批判もありがとうございます。これまで、ゲーム事業をご支援いただいてきましたが、今後もゲーム事業を継続しつつ、ゲームに依存しない経営環境を構築していきたいと考えています。

ゲームがお好きな方からは、AI事業やビットコイン関連事業について批判をいただくこともありますが、トータル最適化という観点でご考慮いただければ幸いです。そして、引き続き応援していただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日登壇者に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:ここまで株価が落ちた原因はどう整理しているのでしょうか?

回答:まず、長期的な株価下落の最大の原因は、過去数年にわたり新たなヒットタイトルを生み出せず、赤字が継続してしまったことにあると受け止めています。

我々はこの失敗を重く受け止め、これまでに、不採算タイトルの徹底的な整理、S級IPタイトルへの選択と集中、固定費の大幅な削減といった構造改革に取り組んできました。加えて、ゲーム事業への依存脱却のため、IP/エンタメ、AI、ブロックチェーンの領域での新規事業の創出に取り組んでいます。

当社としては、まずは新作タイトルのヒットによって今期の通期黒字化とV字回復を果たし、加えて来期以降も新規事業による収益の積み上げを経て、しっかりと株価をあげていきます。

<質問2>

質問:現在のIR体制はどうなっているのでしょうか?

回答:当社は、PRとIRの2つの部署があります。プレスリリースの発表などはIRではなくPRの部署が行っています。

私が社長に再度就任して以降は、このようなオンラインでの個人投資家向けのIR活動にも積極的に登壇しているほか、YouTubeによるライブ配信も行っています。

個人投資家向けだけではなく 、機関投資家向けのミーティングや中東をはじめとする海外向けのIR活動にも力を入れ、投資家層のさらなる拡大と企業価値の向上に取り組んでいます。

<質問3>

質問:株価501円回復に留まらず、2017年頃の2,000円オーバーに戻ることはできないのでしょうか?

回答:公式ではなく、あくまでも私真田の個人的な意気込みとはなりますが、2,000円を目標にしています。

今後、ゲーム事業の再成長と、新規事業の確立とそれに伴う業績のさらなる積み上げを経て、確固たる売上利益の確保と持続的な企業成長が実現すれば十分に可能だと考えています。

<質問4>

質問:ゴールドとビットコインのトレジャリー戦略、どちらのアセットも価格が下落したら会社にとっては損にしかなりませんが、絶好の策とお思いなのでしょうか?

回答:ゴールドとビットコインは、どちらも発行・埋蔵量の上限があり、「有限資産」「デフレ資産」と呼ばれています。短期的には相場が下がることもありますが、過去の歴史を振り返ると、長期的には値上がりを続けています。

デュアルゴールドトレジャリー戦略は、長期保有を前提とした戦略です。現在、たまたま短期的に相場が下がっていますが、それは単なる一時的な状況であり、売却していないので実損は出ていません。デュアルゴールドは、長期的には会社に利益をもたらすと考えています。

一方で、短期でトレードも行うAIトレードにより、積極的に収益を狙っていくことも導入していきます。

<質問5>

質問:社長としてAI事業に可能性を感じている、力を入れているのはよく分かりますが、現状AI事業よりも他のことが聞きたいという状況になっています。

決算説明での中東での原田取締役の役割、Xでのアブダビの成果、そして社長も懇意にされているインフルエンサーの発信と、中東で何が行われているのか、大きなビジネスの準備が進んでいるのか、というところが投資家の最大の興味になっていると思われます。

まだ言えないこともあるとしても、言える範囲で中東ビジネスについて期待してよいのか、その時間軸など教えていただけますでしょうか?

回答:私が可能性を感じているか、いないかという次元の話ではありません。会社としてAIを次の事業の中心に据えており、その前提であらゆる計画を進めています。

コンプライアンスの観点から、確定している事実を公表し、確定していないことは公表できません。会社から公表していないということは、公表できる段階に至っている事実が存在しないということです。

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