2026年6月22日に発表された、OCHIホールディングス株式会社2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
目 次
越智通広氏:代表取締役社長執行役員の越智です。これより、OCHIホールディングス株式会社の2026年3月期の決算についてご説明します。
本日の目次はこのようになっています。決算概況、業績予想、会社概要、各種取り組み、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について順にご説明します。
2026年3月期 実績

それでは、2026年3月期の決算概況についてご説明します。
当期は、当社グループの主なターゲットである持家・分譲戸建住宅市場において、住宅着工戸数の減少が継続する厳しい事業環境となりました。
そのような中でも、前期に実施したM&Aの効果に加え、エンジニアリング事業が大きく伸長したことにより、売上高は1,204億3,200万円と前期比2.9パーセント増、営業利益は16億6,900万円と前期比13.5パーセント増となり、増収増益を達成することができました。
一方で、M&Aによる寄与を除いた既存事業ベースでは、住宅市場低迷や物流費高騰などの影響を受け、利益面では厳しい状況が続いています。
営業利益増減要因 前期比

続いて、営業利益の増減要因についてご説明します。
営業利益は前期の14億7,100万円から16億6,900万円へと増加し、1億9,800万円の増益となりました。
増益の主な要因は、前期実施したM&Aによる寄与であり、特にエンジニアリング事業における弓田建設の業績取り込み効果が大きく貢献しています。
一方で、人件費の増加や物流費の高騰、貸倒引当金繰入額の増加、株主優待関連費用の増加、さらに熊本センター新設に伴う取得費用の発生などが利益を押し下げる要因となりました。
セグメント別 売上高

次に、セグメント別の売上高についてご説明します。
建材事業は、持家・分譲戸建住宅の着工戸数減少の影響を受け、708億600万円となり前期比2.9パーセントの減収となりました。
加工事業は、介護施設や保育所など非住宅物件への営業強化が奏功し、150億4,600万円と前期比6.3パーセントの増収となりました。
環境アメニティ事業は、北東北地区の売上減少により172億3,700万円と前期比1.8パーセントの減収となりました。
エンジニアリング事業は、大型案件の完工に加え、2024年10月に子会社化した弓田建設の業績が寄与し、141億9,000万円と前期比48.7パーセントの大幅な増収となりました。
その他では、自動車関連部材の販売が好調に推移したことに加え、2024年5月に子会社化した建設業界に特化した人材派遣事業を展開するヒット・イールの業績の寄与により、42億6,500万円と前期比18.3パーセントの増収となりました。
セグメント別 営業利益

続いて、セグメント別の営業利益についてご説明します。
建材事業は、売上高の減少に加え、熊本センター新設に伴う取得費用などの発生により、5億4,600万円と前期比34.5パーセントの減益となりました。
加工事業は、競争激化による利益率低下や物流費増加の影響により、5億2,800万円と前期比17.0パーセントの減益となりました。
環境アメニティ事業は、売上高減少の影響により、3億300万円と前期比1.9パーセントの減益となりました。
一方、エンジニアリング事業は既存会社の売上高の増加とM&A効果により11億5,200万円と前期比159.4パーセントの大幅増益となりました。
その他も売上高の増加とM&A効果により1億8,800万円と前期比53.7パーセントの増益となっています。
2027年3月期 業績予想

続いて、2027年3月期の業績予想についてご説明します。
当社グループを取り巻く環境については、住宅市場の回復が期待される一方で、中東情勢の混乱長期化や物流費の高騰など、依然として先行き不透明な情勢が続くものと想定しています。
こうした環境の中、売上高は1,250億円、営業利益は18億5,000万円、経常利益は23億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は13億1,000万円を見込んでいます。
セグメント別 通期計画

セグメント別では、住宅市場の回復を前提として建材事業、加工事業、環境アメニティ事業の収益改善を見込む一方、前期に大きく伸長したエンジニアリング事業は反動を織り込みながらも高い収益水準を維持する計画です。
今後も、既存事業の収益力向上に加え、グループ各社の連携強化や事業領域の拡大を進めることで、持続的な企業価値向上に取り組んでいきます。
会社概要

会社概要についてご説明します。
当社グループの概要についてご説明します。代表者は越智通広、本社所在地は福岡市中央区那の津三丁目12番20号です。
当社グループは、「安全安心でサステナブルな(持続可能な)社会を創造する」をパーパスに掲げ、建材流通を基盤に、建設・エンジニアリング分野まで事業領域を拡大しています。
創業は1955年、本年で創業71年目を迎えました。現在は東証スタンダード市場および福岡証券取引所に上場しており、2026年3月末時点でグループ会社30社、従業員数1,742名の企業グループとなっています。
事業セグメントとグループ拠点

当社の事業セグメントとグループ拠点の状況についてご説明します。
現在、当社グループは建材事業、加工事業、環境アメニティ事業、エンジニアリング事業、その他の5つのセグメントで事業を展開しています。
建材事業では、建材・住宅設備機器の販売を中心に全国で事業を展開しています。
加工事業では、住宅用木材の加工・販売やプレカット工場の運営を行っています。
環境アメニティ事業では、冷凍冷蔵設備や空調機器、厨房機器、家庭用品などの販売および設置工事を手掛けています。
エンジニアリング事業では、非住宅施設を中心とした建築・土木工事の請負や構造物の調査・診断を行っています。
また、その他では、産業資材の販売、人材派遣、システム開発などを展開しています。
2026年3月末時点で全国115拠点のネットワークを有する企業グループへと成長しています。
事業構成

スライドは、当社グループの売上高における事業構成です。
2026年3月期の連結売上高1,204億円のうち、建材事業が58パーセントを占めており、当社グループの中核事業となっています。
そのほか、環境アメニティ事業が14パーセント、加工事業とエンジニアリング事業がそれぞれ12パーセント、その他が4パーセントとなっています。
当社グループは、建材事業を基盤としながらも、冷凍冷蔵設備や空調設備、非住宅建築・土木分野、人材サービスやシステム開発などへ事業領域を拡大し、事業ポートフォリオの多様化を進めています。
また、2025年7月には日本システムソリューションを子会社化し、IT・システム分野における機能強化も図っています。
今後もグループ各社の強みを活かしながら、全国ネットワークを活用した事業展開を進め、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいきます。
サステナビリティへの取り組み

続いて、各種取り組みとして、まずサステナビリティへの取り組みをご紹介します。
当社グループでは、持続可能な社会の実現に向け、環境課題への対応と人的資本への投資を重要な経営課題として位置付けています。
環境面では、2030年度までに温室効果ガス排出量を2020年度比で30パーセント削減する目標を掲げています。
2025年度のCO2排出量は2,609トンCO2換算となり、2020年度比で23.3パーセントの削減を実現しました。
具体的な取り組みとして、ヨドプレのプレカット工場や越智産業熊本センターへの自家消費型太陽光発電設備の導入を進めています。
また、山口県において「OCHIグループの森」を整備し、森林保全活動にも取り組んでいます。森林の持続的な活用を通じて、CO2吸収による環境負荷低減にも貢献しています。
さらに、国際的な環境情報開示の枠組みであるCDPの気候変動質問書への回答を継続して実施し、情報開示の充実にも努めています。
サステナビリティへの取り組み

人的資本への投資については、2023年に「OCHIグループ人権方針」を制定し、エンゲージメント調査の実施など、働きやすい職場環境作りを進めています。
人材育成面では、新入社員研修やフォローアップ研修、次世代リーダー育成研修、eラーニングによるスキル向上支援など、多様な教育機会を提供しています。
また、健康経営の推進にも力を入れており、育児支援制度や資産形成支援制度の充実を図るとともに、グループ5社が健康経営優良法人の認定を受けています。
さらに、将来を担う人材育成への社会貢献活動として、公益財団法人広智奨学会を運営しています。2025年度は70名の奨学生を支援しており、そのうち41名を新たに採用しました。今後も次世代を担う人材育成を通じて、社会への貢献を継続していきます。
コーポレートガバナンスの強化

続いて、コーポレートガバナンスへの取り組みについてご説明します。
当社グループでは、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでいます。
取締役会は10名で構成されており、そのうち6名を独立社外取締役としています。また、女性役員比率は30パーセントとなっており、多様な視点や価値観を経営に取り入れることで、透明性と客観性の高い経営体制の構築を進めています。
さらに、監査等委員会設置会社として監督機能を強化するとともに、指名諮問委員会、報酬諮問委員会、ガバナンス委員会を設置し、経営の公正性と実効性の向上に努めています。
加えて、サステナビリティ委員会およびリスクマネジメント委員会を設置し、環境・社会課題への対応やリスク管理体制の強化にも取り組んでいます。
今後も、企業価値の向上と持続的な成長の実現に向けて、ガバナンス体制のさらなる充実を図っていきます。
株主還元

続いて、株主還元についてご説明します。
当社は、株主のみなさまへの安定的かつ継続的な利益還元を重要な経営課題の1つと位置付けています。
配当方針については、株主資本配当率(DOE)2.8パーセント程度、または連結配当性向30パーセント程度のいずれか高いほうを目安としています。
2027年3月期の年間配当金は、前期から1円増配となる1株当たり55円を予定しています。
また、株主優待制度として、100株以上保有の株主さまを対象に2,000円分の「QUOカード」を贈呈しています。
2026年6月12日の終値ベースでは、最低投資金額は13万7,300円、年間配当金5,500円と株主優待2,000円分を合わせた総合利回りは約5.5パーセントとなります。
当社はこれまで継続的な増配を実施しており、2027年3月期も過去最高となる配当水準を予定しています。
今後も財務健全性を維持しながら、安定的かつ継続的な株主還元に努めていきます。
市場からの評価に対する現状認識

先ほどの株主還元を踏まえ、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて市場からの評価の現状認識についてご説明します。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた当社の考え方と取り組みについてお話しします。
まず、市場からの評価に対する現状認識についてです。
当社では、PBRやROEをはじめとする資本効率の改善を重要な経営課題と認識しています。
まずPBRについては、2022年3月期以降、継続して1倍を下回る状況が続いています。2025年3月期末の0.75倍から、2026年3月期末は0.77倍へと若干改善したものの、依然として市場から十分な評価を得られている状況には至っていないと認識しています。
また、ROEについては、2022年3月期の18.7パーセントをピークに低下傾向が続き、2025年3月期には4.4パーセントまで低下しました。2026年3月期は5.4パーセントまで回復していますが、業界平均と比較すると依然として改善の余地があると認識しています。
こうした状況を踏まえ、当社では収益力向上と資本効率改善の両面から企業価値向上に取り組んでいきます。
PBRの改善に向けた取り組み

続いて、PBR改善に向けた取り組みについてご説明します。
当社では、企業価値向上に向けて、収益力の強化、事業ポートフォリオの変革、株主還元の充実などに継続して取り組んでいます。
まず、資本収益性の向上に向けては、成長分野に注力した営業展開を推進するとともに、収益性を重視したM&Aを実施し、グループ全体の収益力強化に努めています。
また、事業ポートフォリオの変革にも取り組んでいます。住宅市場の影響を受けにくい非住建分野の拡大を目的として、2024年5月にヒット・イール、2024年10月に弓田建設、2025年7月には日本システムソリューションを子会社化しました。
その結果、環境アメニティ事業、エンジニアリング事業、その他を合わせた非住建分野の売上高は着実に拡大しており、連結売上高に占める割合も2021年3月期の20.4パーセントから2026年3月期には29.4パーセントまで上昇しています。
今後も住宅関連事業を基盤としながら、非住建分野の拡大を進めることで、収益基盤の強化を図っていきます。
PBRの改善に向けた取り組み

続いて、株主還元やIR活動などの取り組みについてご説明します。
株主還元については、安定的な配当の維持に努めるとともに、連結業績を加味した配当を基本方針としています。
配当については、株主資本配当率(DOE)2.8パーセント程度、または連結配当性向30パーセント程度のいずれか高いほうを目安としています。
また、当社株式の流動性向上にも取り組んでおり、流通株式比率は2022年3月期の25.5パーセントから2026年3月期には34.6パーセントまで向上しています。
IR活動については、個人投資家向け説明会の開催や英文開示の充実など、投資家のみなさまとの対話強化に努めています。
ガバナンス面では、2026年6月の株主総会において取締役10名中3名を女性取締役とする予定であり、多様性の確保と取締役会の実効性向上を進めています。
さらに、サステナビリティ委員会を中心に温室効果ガス排出量削減にも取り組んでおり、2030年度までに2020年度比30パーセント削減を目標としています。2025年度実績では23.3パーセント削減を達成しています。
今後も収益力の向上と資本効率の改善に取り組むとともに、株主・投資家のみなさまとの対話を充実させながら、企業価値向上に努めていきます。
