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ダイト、27年5月期は長期収載品関連資産や新規上市品の売上拡大、中国での集中購買参画で増収増益計画 配当は5円増配へ

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2026年7月16日に発表された、ダイト株式会社2026年5月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

松森浩士氏(以下、松森):みなさま、本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。ダイト株式会社代表取締役社長兼CEOの松森です。

本日は、2026年5月期の決算概要および詳細、2027年5月期の通期業績予想について、執行役員CFOの大津賀よりご説明します。その後、現在進行中の中期経営計画「DTP2027」の進捗状況について、私よりご説明します。

エグゼクティブサマリー

大津賀健史氏(以下、大津賀):執行役員CFOの大津賀です。私から2026年5月期の決算概要についてご説明します。まずは、エグゼクティブサマリーです。

2026年5月期の連結売上高は506億5,000万円、前年同期比で微増しました。また、EBITDAは80億2,000万円、前期比10億7,000万円の増益となり、4期ぶりの増益着地となりました。

その主な要因として、3月に公表した小野薬品工業からの資産承継による「オパルモン錠」の販売寄与が挙げられます。加えて、在庫適正化の推進により長期滞留在庫が減少したことが奏功し、本年4月に公表した上方修正後の業績予想をさらに上回る結果となりました。

現行中期経営計画「DTP2027」で取り組んできたキャッシュ・コンバージョン・サイクル適正化の効果が徐々に表れており、営業キャッシュフローは93億7,000万円と過去最高を更新しています。

また、設備投資はピークアウトしているため、フリーキャッシュフローは49億8,000万円と大幅に増加しました。このフリーキャッシュフローは、株主還元や有利子負債の返済に充てています。

次に、「DTP2027」の主な進捗についてです。こちらは4月24日にプレスリリースしたとおり、後発医薬品の安定供給体制の強化および当社が掲げる「研究開発型のCMO」の実現を目指し、持続可能性を高めることを目的としています。

この一環として、新会社(仮称:株式会社医薬品共創機構)を他の2社と共同で設立し、杏林製薬の後発医薬品事業を承継することに基本合意しました。

さらに、「既存ビジネスの効率化」「新規ビジネスへの参入」を加速させるために事業開発本部を新設しました。また、5つの柱の5つ目である「人的資本への投資」のさらなる高度化を推進する観点から、人事関連部署を本部に格上げしています。

最後に、中東情勢による原料調達の困難や物価高騰により、事業環境や業界環境は非常に厳しい状況にありますが、社員全員で力を合わせて乗り切るべく、2年連続で思い切った賃上げを実施しています。

決算ハイライト

決算ハイライトです。営業利益以下についてご説明します。

利益面では、先ほどご説明した要因に加え、販管費がデータ分析の高度化やコスト構造改革を進めるためのワンタイム費用の発生により増加しています。しかし、低効率な商流からの脱却や長期滞留在庫の削減による在庫評価減の改善により、売上原価が減少しました。

その結果、営業利益は前年同期比プラス10億1,000万円、経常利益は前年同期比プラス40.9パーセントと、大幅な増益となっています。

EPSは、増益に加えて昨年も実施した自己株式の取得や消却の結果、前年同期比71.3パーセント増の107.49円となりました。配当金は昨年の方針どおり、40円の配当を実施しています。

研究開発費は、当初の予想を若干下回る結果となりました。この要因として、ステージゲート制を設けて選択と集中を徹底したことや、研究開発活動の一部に期ずれが生じたことが挙げられます。結果として、前年同期比11.8パーセント減の22億2,300万円となっています。

減価償却費は前年同期比で若干増加していますが、設備投資のピークアウトによりほぼ横ばいとなっています。

要約損益計算書

決算の詳細をご説明します。すでにご説明した点は割愛しますが、売上原価についてお伝えします。

中東情勢の緊迫化によって、特に原油に関連するナフサが原薬の製造に使用されるため、値上げや溶媒の値上げなどの影響がありました。しかし、スマートスペンディングの徹底や、先ほどお話しした在庫管理の高度化などにより、原価率は前年同期比2.4ポイント改善しています。

販管費については、先ほどご説明したとおりです。研究開発費は前年同期比で減少していますが、「ポートフォリオ会議」の創設に伴うデータ分析の高度化やコスト構造改革費の増加により、全体としては2億4,000万円増加しました。

営業外損益については、中国の子会社向け円建て親子ローンにおける円安に伴う為替差益や、持分法適用会社3社の堅調な業績による持分法投資益の増加があり、全体として8,000万円増加しました。

特別利益および特別損失については、政策投資株式の売却を順次進めており、その売却益や固定資産除却損が反映され、前年同期比で横ばいの結果となっています。

カテゴリー別売上高

カテゴリ別の売上高についてです。原薬に関して、今期は主力製品である止血剤用原薬が大幅に減少しました。物性に関するトラブルが一部生じた影響で主力製品が落ち込みましたが、現在は解決しています。

また、当社が納めていた製剤メーカーの製剤が原薬を供給していない別の製剤メーカーへ品目統合されたことにより、品目統合が当社にとって若干不利に働き、前年同期比3億8,000万円の減収となっています。

自社品のジェネリックや受託製造が堅調に推移した一方で、商品は先ほどご説明した商流の見直しの影響を受け前年同期比で減少しました。しかし、全体では3億9,000万円の増収という結果になっています。

カテゴリー別新規上市品

直近1年間のカテゴリ別の新規上市品については、すでにホームページ等で開示されているとおりです。

製剤については、スライドに記載の品目を2025年12月および2026年6月に上市しています。特に、2026年6月に上市した「ビラスチンOD錠」については、生産効率の向上を図るため、屋号を「ダイト」に統一しています。

また、「ダイト」の屋号で複数の販売会社に販売を依頼することで、生産側として同じ屋号に統一して各社向けに製造を行うことが可能となり、この取り組みが1つの成果として表れていると考えています。

また、原薬については製剤の上市時期に合わせて記載しています。いわゆる原薬のマスターファイルの登録はすでに完了していますが、2026年6月に上市された製剤に対する原薬として「プラスグレル塩酸塩」「デスロラタジン」を上市し、複数社に採用いただいている状況です。

営業利益の増減分析

営業利益の増減分析です。増減が大きい要因についてのみご説明します。

まず、売上高の変動やプロダクトミックスといった製品構成では、今期は原薬が減少し製剤が増加しました。その結果、相対的に高利益率の製剤が増加し、プラスに寄与しています。

棚卸品評価の影響等については、約4億円弱のプラス要因となっています。研究開発費に関しては、ステージゲート制度による選択と集中の強化や、一部開発投資の期ずれが影響による減少が増益要因となっています。

最後に、その他経費については、一過性のコスト改革費があったものの、スマートスペンディングの徹底により約3億円弱の経費削減が実現しました。その結果、今期の営業利益は36億3,700万円となっています。

要約貸借対照表

バランスシートについてです。安定供給を最優先としながらも在庫の適正化に注力した結果、棚卸資産は前年同期比10.7パーセント減少しました。

また、売掛回収サイトの適正化については「DTP2027」以降に継続されていた過去の商慣習に対し、足元の状況を踏まえてお客さまと真正面から対話を行いました。その効果により、売上債権は12億6,000万円減少しています。

総資産は732億9,100万円と減少しましたが、7期ぶりにバランスシートの圧縮、いわゆるダウンサイジングが進められています。

設備実装や品質管理の強化を目的とした投資や株主還元など、必要な投資を推進しつつ、資金効率や先ほど述べたキャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善により、有利子負債も大幅に減少しました。

要約キャッシュフロー計算書

キャッシュフローについては、先ほどご説明した理由と同様に、営業キャッシュ・フローが34億8,000万円増加し、過去最高を更新しました。

投資キャッシュ・フローは設備投資のピークアウトにより前年度を下回りました。フリーキャッシュフローで創出されたキャッシュは、増配や自己株式の取得といった株主還元、有利子負債の圧縮に充当しています。

研究開発投資と設備投資の直近10年の推移

研究開発投資と設備投資の直近10年の推移です。

こちらは過去より取り上げていますが、今期の設備投資と減価償却費は前期比でほぼ横ばいとなっています。研究開発費は若干減少しています。

第十製剤棟の稼働状況と今後の予定

第十製剤棟の稼働状況についてです。以前から示している計画と大きな変更はありません。2階の包装ラインでは計画より若干稼働率を下げていますが、それ以外は概ね予定どおり進捗しています。

2027年5月期 通期業績予想

2027年5月期の通期業績予想についてご説明します。毎年の薬価改定や中東情勢の緊迫化などに伴う一部原材料価格の高騰もあり、事業環境は引き続き厳しい状況にあると認識しています。

昨年度に取得した「オパルモン錠」などの関連資産や、今期の新規上市品も見込んでいます。12月には原薬から製剤まで一貫して製造する体制のもと、当社の屋号をつけて4社で販売される予定であり、非常に期待を持てる上市品も控えています。

また、今期は現在取り組んでいる製造所の集約や品目統合の成果もさらに顕在化すると考えています。さらに、後ほどご説明しますが、中国では集中購買制度に参加し、一定の数量を獲得していることから、これらの影響を踏まえ、大幅な増収を計画しています。

利益面については、「新・コンソーシアム構想」における内外の品目統合を着実に進め、少量多品種構造から脱却します。

また、第二試験棟の竣工により外注試験の内製化を進め、製造雑費を削減するとともに、スマートスペンディングのさらなる徹底を図り、コスト低減を通じて利益率の向上を目指しており、EBITDA、営業利益、経常利益は今期と比べて増益を計画しています。

一方、研究開発費は今期に比べて大幅に増加する見通しですが、2期前と比べると現実的な水準となっています。今期は特に将来性のあるパイプラインのステージアップを目指し、着実に進めていきたいと考えています。

DTP2027におけるKGI目標との差異

今回の業績予想の発表に伴い、もともと公表していた「DTP2027」におけるKGI指標が一部変更となっています。

スライドの一番右側に記載した、2027年5月期をご覧ください。1年前に公表していたKGI目標から、若干下方修正しています。

下方修正の主な理由は、スライドに記載のとおり、2024年、2025年、2026年の薬価改定で不採算品再算定が採択されることを見込んで策定していたものが非適用となったことが挙げられます。

また、中国市場内で当初の想定が難しい状況にあり、計画比で下振れしていることも理由です。あるいは、高利益率の高薬理製剤の一部受託スケジュールが遅延したこともあり、「DTP2027」で掲げていたKGI目標を下方修正しています。

資本生産性についても若干下方修正しましたが、こちらは分子だけでなく分母にも注意を払い、早期改善に向けて引き続き全力で取り組む姿勢に変わりはありません。

ドパコール配合錠を巡る衆議院予算委員会質問

ドパコール配合錠に関する問題については、掲載するかどうか迷いましたが、現実的な課題であるため掲載しました。

この製品は、年間3億錠ほど製造されている弊社の主力製品であると同時に、パーキンソン病患者さまにとって中核的な治療薬となっており、市場の約7割のシェアを占めています。現在、この製品は3年連続して不採算品再算定の対象外となっており、その理由は主に2つあります。

1つ目は「薬価の乖離率」に関連するもの、2つ目は名称が変更された「供給確保医薬品」のカテゴリABCに含まれていないことです。これらの理由により、過去3年間は対象外とされています。

1つ目の理由について、私どもは単体での活動ではしっかり改定率を守ってきました。しかし、他社が製品を不採算として販売を中止した際、弊社がこの分を引き受けて供給を続けた結果、他社が安売りしていた影響でトータルでの薬価が乖離率を上回ると判断され、不採算品から除外されました。

また、この製品は配合錠であり、成分として「レボドパ」と「カルビドパ」の2つを含んでいます。レボドパ単剤であればカテゴリCに分類されていますが、より多く使用されているドパコール配合錠はカテゴリに含まれていないため、対象外となっています。

このような矛盾について政府に訴え続けた結果、患者団体さまが国民民主党を通じて声を上げてくださいました。そして、3月の衆議院予算委員会において弊社の名前を公表した上で、高市総理および上野厚生労働大臣に直接要望を提起していただきました。

カテゴリー別売上高予想

カテゴリ別売上高の予想です。今期は原薬・製剤ともに増収を予定しており、特に製剤の増収幅が大きくなっています。

3月に発表した「オパルモン錠」の資産承継に加え、今期は製販の承継も予定している影響により受託製造(医療用)の、大幅な増収を見込んでいます。

営業利益の増減分析

営業利益の増減分析です。今期は引き続き製剤の比率が上昇し、相対的に利益率の高い製剤が増加するため、売上高や製品構成などの影響では、8億6,000万円の増益を想定しています。

一方、研究開発費については一部今期への期ずれもありましたが、オーファン新薬を含む原薬・製剤の新規開発に取り組み、事業性を強化しながら推進していく方針です。そのため、研究開発投資額を多く見積もっています。

株主還元政策

株主還元政策についてです。すでに決算短信で発表していますが、配当方針については、今期に比べて1株当たり5円増配の45円を想定しています。

これに伴い、配当性向は40パーセントを超え、DOEはもともと掲げていたKGI目標の2パーセントを大きく上回る2.5パーセントになる見込みです。私からのご説明は以上です。

中期経営計画「DTP2027」の進捗について

松森:引き続き、中期経営計画「DTP2027」の進捗についてご説明します。まずは、毎回ご紹介しているサマリーの5つの柱の進捗状況について、概略をお話ししたいと思います。

柱は5つあります。1番目の柱は、既存ビジネスの効率化です。現在、ダイトを支えている基盤となるビジネスを筋肉質な体質へと改善する取り組みです。ここはまさに一丁目一番地で、多くの課題が山積しているため、相当な力を入れて取り組んでいます。

2番目の柱は、中国ビジネスの強化です。ダイトと同様のビジネスを中国でも展開していますが、15年の投資を経てようやく収穫期に入り、ここでの成長が期待されています。日本におけるベースビジネスの成長鈍化を補う意味で、こちらを2番目の柱と位置付けています。

3番目の柱は、新規ビジネスへの参入です。医薬品の受託製造やCDMOビジネスにおいても、これまでジェネリックを中心に成長してきた当社ですが、今後は製剤・原薬の技術を活用し、オーファン薬や新薬など、ダイトの規模に適した新薬ビジネスに参入していこうと考えています。まったく新しいビジネスモデルを築くことが、3番目の柱です。

4番目の柱は、先ほどCFOから説明があったように、ファイナンス面を中心としたPBR1倍割れ対策や資本配分の高度化です。5番目の柱としては、企業で最も重要な人的資本への投資を挙げています。

1番目の柱については、「〇」と総合的に評価できると考えています。今期、特に注力していたのは、Meiji Seika ファルマ株式会社との「新・コンソーシアム構想」です。日本全体で少量多品目の生産構造からの脱却を進めるため、Meiji Seika ファルマ社と連携し、効率化を図る取り組みに力を注いできました。

昨年12月には「ガイアの夜明け」で薬が不足している問題を特集した番組が放送され、当社の取り組みが評価されました。この番組は非常によく作られており、わかりやすい内容になっています。ANAの機内でも視聴可能とのことですので、ぜひ株主のみなさまにもご覧いただきたいと思います。

さらに、品目統合を進めるとともに、選択と集中をダイトの中で推進しています。また、先ほどCFOからも話があったM&Aに関して、杏林製薬の後発医薬品事業の取得も着実に進行中です。これらの取り組みを踏まえ、総合的には「〇」と評価しています。

中国ビジネスに関しては、後ほどお見せしますが、さまざまな進展が見られています。ただし、中期経営計画「DTP2027」の策定時よりもスケジュールに遅れがあるため、厳しめの評価を行っています。詳しくは後ほどご説明しますが、「△」と評価しています。

また、今後100年企業を目指して中長期的に大きな柱をしっかりと立てていくために、新規ビジネスへの参入を進めています。ノーベルファーマ社との間で進めているオーファン新薬開発は順調に進行中です。こちらについても後ほどご説明します。

さらに、同様の取り組みとして、大日本印刷社や旧東洋インキのartienceグループであるトーヨーケム社と業務提携を行っています。

本日は詳細についてお話ししませんが、3つ目のポイントとして「日本版505(b)(2)」(ファイブオーファイブ ビーツー)に言及しています。

これは、欧米では新薬とジェネリックの間に非常に高い付加価値をつけた新しいカテゴリとして位置づけられており、新剤形、新投与経路、新用法・用量、小児用量などのイノベーションを通じて、新薬として承認を受ける枠組みが存在します。

一方、日本にはこれに該当するカテゴリがありません。このようなカテゴリを日本でも作り、産業の育成を図るべきではないかという点を、私が会長を務める「日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会」という勉強会で政策提言しています。

この政策提言を厚生労働省や日本製薬工業協会(製薬協)に対して行っており、着実に検討が進められていると理解しています。そのため、実現する可能性は高まっているのではないかと考えています。

この取り組みはダイトの利益を目的としたものではなく、日本の製薬業界全体の活性化を願ってのものです。それぞれの企業が持つ製剤技術や独自の工夫、サイエンスを活かし、業界全体が元気になることを目指しています。

当然ながらダイトも研究所を有しているため、この新しい制度が実現した際には積極的に活かしていきたいと考えています。

そのようなことから、将来に向けた種まきは私の重要な役割であると考えています。現在のビジネスをしっかりと遂行するとともに、将来に向けて着実に柱を立てるための基盤作りも重要な取り組みと捉えています。この点について「〇」と評価していますが、私個人の見解としては「◎」だと考えています。

PBR1倍割れの対策については、先ほどCFOからの説明があったとおり、さまざまな施策を実施してきました。ただし、現実としてPBR1倍割れが続いている状況を重く受け止めています。これらの活動は一定の成果を挙げているものの、株価についてはまだ不十分であると評価し、「△」としています。

また、人的資本の投入に関しては先ほどの説明に加え、スライドに記載されていない内容も含め、多岐にわたる取り組みを進めており、「〇」と評価しています。お時間の許す限り、詳細もご説明したいと思います。

詳細(1) 新・コンソーシアム構想実現に向けた協議の中間報告

1番目の既存ビジネスの効率化「新・コンソーシアム構想」についてです。

ジェネリックを取り巻く環境では、薬の不足やさまざまな不祥事が発生しています。これらは、同じ工場で少量多品種の製品を切り替えながら製造していることが原因であり、それに伴う人的ミスや品質の低下、効率の悪化といった問題が生じています。

この現状を踏まえ、当局からは「選択と集中」により品目を統合しながら製造効率を向上させるよう指導されています。

その中で、大手2社である沢井製薬と東和薬品を中心に、品目数を多く持つ企業同士が交渉し、品目を統合していくという流れが生まれています。私はこれを「ハブ型」と呼んでいます。

また、M&Aを中心に進められる流れもあります。具体的には、アンドファーマ株式会社が企業統合を通じて3社を統合しています。このようなM&Aによる統合により、一定の強制力を持って品目の統合が進められています。

さらに、もう1つの流れとして、全企業が1品目ずつ協議を進めていくケースがあります。ただ、この3つの流れだけでは進展が遅いため、特に中小企業を中心に相対の交渉を加速させるための取り組みが行われています。

具体的には、ダイトとMeiji Seika ファルマ社がファシリテーターとして調整役を担い、各企業をつなぐマッチング機能を提供しています。この取り組みは自由参加型の複数社企業アライアンスとして実施され、順調に進んでおり、現在は9社が参加しています。

スライド右側の棒グラフに示しているとおり、昨年10月時点では数社しか協議が進んでいませんでしたが、今年3月時点で協議中の品目数は498件に達しています。現在も377品目が協議中であり、中止代替の品目数は57件、一方の製造所に統合された品目数は64件と、着実な成果が出ています。

「世間一般において、製造所を統合することでどれほど効率が上がるのか?」という問いに対して、我々は「新・コンソーシアム構想」と呼ばれる非常にシンプルな方程式を作成し、今回公表しました。この方程式では、工場で1人が1分間に生産できる数量を計算しています。

具体例として、スライドに記載されているA、B、Cの3つの製品を用い、この方程式で生産効率を計算したところ、A製品では1分間あたり1,920錠だったものが2,790錠となり、45パーセントの増加が確認されました。B製品では35パーセント、C製品では24パーセントのアップとなりました。

品目を一方の製造所に統合することによって、生産効率においておおよそ3割の効果があると実感しています。これに加え、品質保証などの直接計算に含まれていない部分についても影響があると考えています。

原薬をまとめて購入するなどの指標は、ここに含まれていません。そのため、これらの効果を加えると、生産性向上率は全国でプラス30パーセント以上を狙えると考えています。

全国規模で大手各社も取り組みを進めていますが、ぜひ同じ方程式を使って算出していただきたいと思っています。すべてを合算することで、現在、全国でどれだけ効率が向上する取り組みを我々が進めているかを国民のみなさまにご理解いただけると考えており、そのためにもこのような指標をお示ししています。

詳細(2) 「少量多品種生産」の脱却に向けた活動の進捗

こちらのスライドでは、このような取り組みによりダイトがどのような影響を受けているか、その進捗状況を示しています。

「新・コンソーシアム構想」以外でも、当社は相対で交渉を進めています。「新・コンソーシアム構想」と相対での交渉の結果、現在、5成分9規格のプロジェクトが進行中です。

1番目のプロジェクトは、前期にすでに納品を終えています。残り4つは、それぞれスケジュールが記載されていますが、赤印で示した「納品」のタイミングで初めて売上が計上されるかたちとなります。今期には、それぞれの成果が表れる見通しです。

ご承知のとおり、これらの医薬品については現在も話し合いが進行中です。物事が決定され、具体的にどの工場で生産するかが決まる段階で、各社との話し合いや当社設備の準備、場合によっては承認に対する一部変更届の提出といった手続きが必要となる場合があります。

スライドをご覧いただくとおわかりのように、実際に売上が計上されるまでには1年半ほどかかります。今後も6成分14規格で当社への製造所集約についての協議が着実に進められていると同時に、製造中止についても進めています。

詳細(3) 「少量多品種生産」の脱却に向けた活動の進捗

もう1つは、これまでダイトが取り組んでこなかった新たな取り組みについてです。

現在、長期収載品は急速にジェネリック医薬品へ切り替わり、安定した状態になりつつある中、このような長期収載品を買い取るという流れがあります。ただし、単に買い取るのではなく、ダイトと相性の良い製品を選定して買い取ることになります。

例えば「オパルモン錠」は脊柱管狭窄症の適応薬で、小野薬品工業が最盛期には300億円以上を売り上げた実績のある薬です。

現在はほぼジェネリック医薬品に切り替わりましたが、ダイトは以前から小野薬品工業から一部受託製造を請け負ってきました。また、日医工株式会社のオーソライズドジェネリックはダイトが生産を担っていました。

小野薬品工業は、自社の長期収載品(LLP)を製造しながらオリジナルの薬をMeiji Seika ファルマ社にライセンスアウトし、Meiji Seika ファルマ社はタイでタイ・メイジ・ファーマシューティカルを展開してその薬の販売を行っています。

今回の事業承継により、最終的には2028年3月を目処にすべての製造所をダイトに集約する計画です。この取り組みによって製造所における長期収載品とジェネリック製品の製造を集約することで、効率が向上します。

同時に、減少しつつもほぼ安定化した長期収載品を買い取ったため、トップラインやボトムラインにおいてダイトの製品として計上できるというメリットがあります。以上が新しい取り組みです。

詳細(4) 後発医薬品の安定供給体制の強化のためのアライアンス

これまでの話は「自分の工場の所でなんとかしましょう」というものでしたが、「ダイトの製造のキャパシティ自体を上げていこう」という考えも当然ながらあります。

ただ、新しい工場を作るとなると、資金や人材、時間が必要になります。これは現実的ではないとの判断から、約2年前より工場の買収やM&Aの模索を進めてきました。

その結果、非常に相性の良いパートナーと出会い、スライドに記載されているようなかたちで、当社が半数を超えない最大出資の会社として、新たに「株式会社医薬品共創機構(仮称)」を立ち上げ、この機構において、杏林製薬の後発医薬品事業を承継する方向で進めており、現在デューデリジェンスの段階にあります。こちらは本契約締結を9月末に目指して進めています。

次に、地域拠点によるシナジーについてもご説明します。

スライド右側に地図を掲載していますが、キョーリンリメディオ社の本社は石川県にあり、研究所、高岡工場、井波工場は富山県に所在します。これらは我々がすぐにアクセスできる範囲にあり、シナジーを発揮できると感じています。

また、薬や医薬という分野で富山県に貢献することは、地域振興の観点から非常に重要だと考えています。

研究所については、製造面で各社が単独で進めていた場合には難しかった受託案件も、役割分担によって受託のチャンスが増えることが期待されています。特に、新たな高岡工場には大きな期待を寄せています。

また、研究所が2拠点体制となることで、2倍の効果が見込めると考えています。現在はデューデリジェンスの段階にあり、最終合意に向けて残り2ヶ月間、鋭意努力しています。

詳細(5)中国におけるジェネリック製剤の開発と承認取得に関する進捗

中国における事業についてお話しします。先ほどCFOからもいくつか説明がありましたが、スライドの表に表示されている桜の星印がついた製品は、承認および上市が得られています。

2026年通期では、さまざまな成果が出てきています。また、スライド下部に記載した蕾の印の部分については、前期中に申請をかなり進められたことで、承認が着実に進んでいます。

初めに「プレガバリン」と「セレコキシブ」の承認が得られましたが、これをどのように販売するかについては、当社には営業担当者がいないため、販売を委託することになっています。

中国には3つの主要な市場があり、大きな公立病院、民間病院、調剤薬局が含まれています。そのうち、公立病院では入札が必要です。

今回、「集中購買制度」に挑戦し、スライド右下に示されている「プレガバリン」「セレコキシブ」「メトフォルミン/ビルダグリプチン」の3製品の販売権を獲得しました。

もちろん入札形式のため、利益率は低下しますが、中国市場で無名な当社を認知してもらうための大きな一歩であると考えています。

品質の安定供給や原薬のつながり、そして日本の基準が取り入れられていることを中国市場の方々に認知していただくためには、この集中購買が最も効果が高いと考えています。そのため、まずはこの分野をターゲットに初期活動を展開しています。

スライド右下の表に示されている販売予想数量がありますが、この数量を生産していくことになります。その結果、現在稼働中のラインの稼働率も向上する効果を見込んでいます。

また、中国市場においては、現在はまだラーニングカーブの途中にあり、中国市場での進め方を学びながら取り組んでいます。そして、次の展開として控えている製品についても、どのような販売戦略を採用すべきかを検討していく予定です。

詳細(6) CDMOビジネスの現況

3つ目の柱は将来に向けての取り組みですが、ノーベルファーマとの協業で、多系統萎縮症の薬であるユビキノール製剤について、3月からPhase Ⅲが開始されました。

当社は治験薬を製造しています。これまでに1回目と2回目の治験薬を納品しており、治験は順調に進んでいます。これから3回目、4回目の治験薬をお届けする段階にあり、非常に期待が高まる状況です。

また、同様のコンセプトでトーヨーケムおよび大日本印刷とともに知恵を絞り、新たな「新薬の種」を探している最中です。

詳細(7) PBR1倍割れ対策と資本配分の高度化に関する進捗

PBR1倍割れ対策として、IR面談の数は右肩上がりで増加しており、多くのみなさまからご質問をいただく中で、IR活動も活発化しています。また、株主還元の強化についてはスライドに示したとおりであり、CFOからも説明があったとおりです。今後も引き続き、取り組みを続けていきます。

個人株主については優待制度を導入したこともあり、徐々に増加傾向にあります。これからも、株主さまを増やしていくために努力していきたいと考えています。

詳細(8) 人的資本投資への取り組み

最後のスライドです。人的資本への投入に関しては多くの施策を実施しており、すべてを記載しきれていないのですが、特に富山県の中で当社に就職し、長く勤めていただきたいという思いが強く反映されています。

そのため、昨年は7パーセント、今年は6パーセントというトップクラスの賃上げを実施しました。また、選択型DCの導入や合併を機に福利厚生の充実を図っています。さらに、働き方改革については現在も鋭意進めており、新しく創設する人事本部で検討しています。

以上でご説明を終了します。

質疑応答:今期業績予想の為替前提と情報開示について

質問者:今期業績予想に関して質問です。営業利益が10パーセント増の40億円という増減益分析のチャートがありました。為替の前提が150円となっており、中期経営計画の前提と変わっていないと思いますが、現在162円で推移している状況で、予約でおさえてあるため150円としているのでしょうか?

また、この質問に関連して、これまで決算発表の日には補足資料が提供され、どのような前提で予想が作成されているかという情報が提示されていたと思いますが、今回はそのような資料がありませんでした。投資家としては、このような情報が不足した状態で数日間を過ごすのはいかがなものかと感じます。

研究開発費にもずれ込みがあり、今期は大幅に増加することが昨日初めて明らかになりました。このような情報はもっと早く公開すべきではないかと考えています。この点についても教えてください。

大津賀:まず、今期の業績予想における為替について、足元では162円という水準で推移しています。業績予想を策定する際にはさまざまな議論が行われ、今回の開示にあたっても議論を重ねました。

予算は期が締まる前、だいたい4月から5月にかけて作成されるものです。そのタイミングで3月決算の企業が来期の業績予想と為替前提を発表する流れや、「全国の上場企業が為替を今期いくらで見ているか?」という日銀の情報を参考に議論を進めました。

ご指摘のように、為替前提を円安方向に設定し、利益目標を下げるという選択肢もありました。

しかし、当社としては為替前提を強気に設定しつつ、営業利益という絶対値目標を下げずに達成することを目指す方針を選びました。営業利益には業績連動の賞与も関係しているため、目標を下げずに取り組むという観点で、最終的に現在の予想を発表するという判断に至っています。

次に、為替予約に関して、当社では直接外貨で支払いを行うケースはほとんどありません。多くは商社を通じて取引しており、円建てで購入したものが、商社経由で海外から調達されるかたちになっています。

このような構造の中で、為替リスクをどのように数値化し、為替予約やヘッジ手段を活用するかについては、現在も社内で議論を重ねています。そのため、現時点では為替予約やオプションなどの手段は使用していない状況です。

ご質問について、以前は短信を開示したタイミングで説明資料が公開されていたということでしょうか? 申し訳ありませんが、補足説明資料については過去を振り返り、必要なものは時間を意識しながらタイムリーに開示していくことを確認し、今後の対応に活かしていきます。

質疑応答:第十製剤棟の稼働率の状況と見通しについて

質問者:第十製剤棟の稼働率に関する状況が表で示されています。今期は前期よりも改善する見通しでしょうか? スライドにある表の内容はある程度見えているのでしょうか? これまでに受託製造の遅れがあった点についても教えてください。

石田徹氏(以下、石田):生産本部長兼環境安全室長の石田です。スライド右上のグラフに「2026年5月期」「2027年5月期」「200パーセント」「140パーセント」などの数値があります。これらは、5月時点での稼働率を示しています。

「今期の稼働がどうか?」というご質問については、今期からようやく5階部分が稼働を開始するという状況です。

スライド右側のグラフには、4階と5階が紺色のグラフで示されています。そのうち、4階は今期からほぼ200パーセント稼働、つまり2シフトで稼働していることを意味しています。4階は、ほぼ通年にわたって高い稼働率で運営される見込みです。

一方で5階は、来年5月頃に200パーセントの稼働になる見通しです。実際には来年3月頃から商用生産が開始されるため、年間を通じた貢献には至らない状況です。2028年には稼働率が非常に高くなり、収益に大きく貢献する工場になると考えています。

質疑応答:杏林製薬の後発薬事業承継に関する構想とMeiji Seika ファルマ社の会長の発言について

質問者:杏林製薬からの後発薬事業の承継について質問です。一部の報道によると、Meiji Seika ファルマ社の小林会長が「後発薬9社の製造を集約する拠点にする」という構想を示されたとのことですが、この点についてはいかがでしょうか?

御社としては「新・コンソーシアム構想」がある中で、今回の小林会長のご発言が方向性として一致しているのかどうか、教えていただければと思います。

松森:直接そのご発言を聞いていないため、正確な回答はできません。ただし、基本的に「新・コンソーシアム構想」と今回の杏林リメディオのM&Aは、別物として考えていただきたいと思います。

「新・コンソーシアム構想」については、先ほどもお伝えしましたが、ダイトとMeiji Seika ファルマ社が中心となり、主導しながらマッチングを進めている状況です。

我々もその参加者の一員として、川の流れに船を乗せるように「これは御社でできますか?」「ここはこちらに置けば良いのではないですか?」「では、こちらを受けます」など、共に進めるかたちで取り組んでいます。

そのため「関係があるか?」と問われれば、関係はあります。その流れの中で出てきた良いものがあれば、高岡工場は比較的新しい工場であるため空いている部分に、9社で進めた取組みの中で生まれた製品が適切なかたちで合致すれば、そこに組み込むことが可能です。

理論的にはそのような話になることから、まったく関係がないわけではありません。ただし、基本的にはコンソーシアムの参加企業が話し合って決めたものを必ず導入するという取り決めがあるわけではありません。

あくまで1つのチャンス、または受け皿として、話し合った製品がそこに適合する可能性があるという点をおっしゃったのではないかと想像しています。

今回の株式会社医薬品共創機構を活用したM&Aの流れについては、ダイトを中心とした製造業の統廃合が背景にあります。これは1つの流れとして、製造業の統廃合の中でダイトを中心にキャパシティを増やし、受け皿を拡大していくという方向性です。

そのため、今回の件は別物とお考えいただくほうが適切かと思います。

質疑応答:設備投資の使途と計画について

質問者:御社の設備投資について確認させてください。2026年5月期の45億5,900万円はどのような用途に使われたのでしょうか? また、今期の2027年5月期では38億円をどのような用途に使用する予定なのか教えてください。

石田:2026年5月期の投資は、試験設備への投資が中心です。品目が増加し、従来の試験設備では対応しきれず外注化が進むという事態が発生しました。そのため、試験設備を拡充し、内製化を図る目的も含めて投資を行いました。

また、第十製剤棟の5階においても新規の受託品目を扱うため、最終的に設備を実装するというかたちで設備投資が発生しています。

質問者:今期はどのような分野に投資する予定でしょうか?

大津賀:前期のような大規模な新規投資はほとんどありません。主に更新投資が中心であり、古くなった設備の入れ替えが主な内容です。ただし、中国では一部新規投資を予定しており、それも含めた構成となっています。

質疑応答:新たな役員人事の意図と今後の経営体制について

質問者:人事に関するリリースが出ているかと思いますが、こちらの考えについて教えていただけますか?

具体的には、会長が代表権を返上されるだけでなく取締役も今回退任されること、新たな取締役の就任、執行役員クラスでもいくつかの異動があると思います。全体としてどのようなことを考えられたのか、また、これからの経営陣としてどのようなチームを作っていきたいと考えてこの人事を決定されたのか、お聞かせください。

松森:取締役の人事に関して、会長は50年間ダイト一筋でダイトを大きくしてこられました。その流れの中で私がダイトに加わる際から、すでにサクセッションプランニングが始動していました。

段階的に私がビジネスの中心に立ち、会長は業界活動に主軸を移していくかたちで役割分担を進めてきました。具体的には富山の薬連の会長や商工会議所での重責、さらにはジェネリック医薬品協会での理事などを務められるなど、これらの活動を通じて少しずつトランジションを行っていました。

そして3年を経て、このトランジションがちょうど終了したことから、今回、取締役を退任する運びとなりました。

これは私からのお願いとして、私はまだビジネスに集中したいこともあり、業界活動や地域での活動は引き続き、経験豊富な会長に担っていただくことになりました。そのため、いったん取締役から外れるかたちとなりますが、会長には引き続き重要な役割を担っていただく予定です。

次に、CFOについてです。中期経営計画「DTP2027」を私とともに中心的に作成したほか、現在進行中のM&A案件もあり、会社としてファイナンシャルな視点が非常に重要な局面を迎えています。

これまでは執行役員を務めていましたが、社内で取締役として案件の対応にあたるべく、今回取締役に任命する人事を行いました。

また、内部から桑島氏が取締役に昇格しました。彼はこれまで経営企画や原薬営業、生産計画など多岐にわたる経験を積んでおり、生え抜きとして社内のあらゆることに精通しています。

現在は信頼性保証の分野で改革を進め、リーダーシップを発揮しているところです。特に信頼性保証や品質保証は当社にとって非常に重要であることから、そのファンクションのトップを取締役に据えるという人事としました。

さらに、新任の社外取締役として女性1名、草野弘子氏を株主総会で推薦する予定です。草野氏は製薬業界における豊富な経験を持ち、医薬品卸やオーファンドラッグ企業での社長職を務めた実績があります。直近では、あゆみ製薬においてジェネリック医薬品やカロナールの品薄問題への対応で多くの経験を重ねてきました。

現在、製薬業の戦略は主に私の経験から策定される部分があり、それに対して草野氏には牽制役としての役割も期待しています。草野氏には、取締役として幅広い製薬業界の見識がありその役割を担っていただくこととなります。

同時に、女性取締役の比率を30パーセントにするという目標を念頭に置いた登用でもあります。これまでダイトの女性取締役比率は8人中1人の12.5パーセントと、製薬業界内でも低いほうに位置づけられていました。

この度、10人中2人の20パーセントに引き上げることとなりました。まだ30パーセントには到達しませんが、女性取締役の比率向上に力を入れる一環として、草野氏を登用しました。

その他の執行役員についても、今回さらに若手の投入を行っています。これは役員や執行役員の退職年齢との自然な関連もありますが、若手人材の登用に主眼を置いてきた結果です。

そのため私が就任した3年前に比べると、平均年齢が大幅に若返っていると感じています。直近の具体的な平均年齢は記憶していませんが、全体として役員の若返りが進んでいます。

質疑応答:下方修正要因の詳細な掘り下げについて

質問者:スライド17ページ右上に記載されている「下方修正の主な修正要因」のうち、2番、3番、4番について、もう少し掘り下げてお話しいただけますでしょうか?

特に、2番の「中国市場での売上の当初計画比の下振れ」について、先ほどの中国ビジネスの強化のお話では、集中購買にも参加できたことで順調そうに聞こえました。こちらにどのような意味合いがあるのか、ご説明をお願いします。

大津賀:2024年の年初から半年ほどかけて中期経営計画を策定しました。当時は中国市場での売上や上市計画、販売数量計画を描いていましたが、現在、当初の計画と比べて苦戦していることは事実です。

今回、集中購買に参画しましたが、中期経営計画を策定した時点ではこの参画は想定していませんでした。当初はいわゆるパブリックマーケットではなく、プライベートマーケットを通じて、ネットワーク力の高い販社を活用して販売する戦略を考えていました。

しかし、この1年から2年の間にさまざまな紆余曲折があり、初めて取り組んだからこそわかった新たな事実も踏まえつつ、戦略を柔軟に調整しました。

その過程で、第11回集中購買では、第1回から第8回の集中購買の品目を見直す流れがあり、当社が自社で承認を取得した品目が対象になりました。

この状況においては、プライベートマーケットで挑戦を続けるか、あるいは一度パブリックマーケットに参入して知名度を高め、プラットフォームを活用して次の品目の販売戦略を立てるかを検討しました。

集中購買は競争入札のため、価格面で一定の下押し圧力がかかることが一般的ですが、一種の広告宣伝費も含めて数量を確保し、知名度を向上させることを優先する戦略を選択しました。

このように試行錯誤を続けて新しい施策を打っていますが、当初の中期経営計画で織り込んでいた数値と比較すると、現状は下振れしています。

3番目について、ダイトはもともと商社業としての成り立ちがある会社であり、自社で製造して販売するだけではなく、さまざまな原薬や製剤のネットワークを活用し、お客さまをつなぐ役割も果たしています。

その中で商社ビジネスは重要な事業の一環ですが、一部の商流において、売上を無理に作るためにバランスシートに一度計上してから転売を行うという、資金効率の面で若干非合理的な取引が見受けられることがありました。

このため、売上高が減少してもかまわないという判断のもと、バランスシートの強化と利益率の回復を優先することとし、そのような取引をやめる取り組みを進めています。この方針により、トップラインにおいて減収要因となっているのが3番目の理由です。

4番目に関しては、すでに始まっている予定であった付加価値の高い高薬理製剤の受託が、約8ヶ月の先方との協議において、品質対応や承認取得の過程で遅れている状況です。このような理由から、4番目を減収要因として挙げています。

質問者:中国市場に関して、理解が及んでいなければ申し訳ありません。当初計画を立てられた際には、より利益率の高い民間市場での販売が期待されていたものの、知名度が低いため、思ったより伸びませんでした。

そのため、まずは利益率が低いものの知名度向上を図れる公的市場から展開し、戦略をシフトしたということから、それによる下振れという理解でよろしいでしょうか?

松森:補足ですが、「セレコキシブ」と「プレガバリン」、特に「セレコキシブ」は大型製品です。これらは当社としてもまだ販売した経験がなく、販売を予定していた販社も一定の実力があるところでした。

その販社との話し合いの中で「これだけ売れるだろう」と見込んでいたのですが、お取引ができなくなり、急遽別の販社に移したことが、下方修正の原因の1つとなっています。

今だから気づくことができたのですが、「セレコキシブ」や「プレガバリン」は、すでに中国市場では各社がジェネリック品を展開しており、集中購買もすでに終了し、市場がある程度形成されている状況です。

このような市場に後発の新参者として参入する場合、力のある企業でも急激にシェアを取ることは簡単ではないことを学びました。現在も販売いただいてはいるものの、当初の販社が変更になったことが影響しています。

その後、現在の販社を通じてもさまざまな気づきがありました。偶然にも、11回目の集中購買では古い製品も含まれており、集中購買を行うきっかけを得ることができました。これを活用し、再度集中購買に取り組んでいます。

現在は紆余曲折を経ながらも進めており、その経験から多くを学びつつあります。この学びをもとに開発品目を含め、中国市場においてどのような製品を開発し、どのような市場で販売するべきかという戦略を改めて練り直そうと考えています。

なお、中国市場は日本の6倍から7倍の規模を持ち、当社には優位性があると考えています。そのため、必ず勝ち筋は見出せると確信しています。

質問者:最初の販売会社とうまくいかなかった背景として、日中間の政治的な対立が影響し、民間がそれを過剰に汲み取ったといったことは関係していないのでしょうか?

松森:まったくそのような話ではなく、ビジネス上の問題です。

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