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平和RE Research Memo(3):EPU・DPUの成長を支える賃料収入の年成長率目標を上方修正(1)

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■平和不動産リート投資法人<8966>の中長期の成長戦略

1. 中期目標「NEXT VISION II+」
同REITでは、投資口価格の低迷や、株式市場における資本コストや株価を重視した経営を意識して、2025年5月期より前中期目標「NEXT VISION II」の一部を改訂し「NEXT VISION II+」を始動させた。「内部成長の強化」「資産回転型戦略の強化」「投資主還元の強化」の3つの強化を通じて資本効率を高め、投資主価値の最大化を図ることで、投資口価格を引き上げる狙いがある。「内部成長の強化」では、バリューアップ投資を着実に推進し、賃料収入の成長を加速する。「資産回転型戦略の強化」では、将来の内部成長の基礎となる資産の取得、バリューアッド運用による含み益を上回る実現益の創出を図る。そして、「投資主還元の強化」では、資産回転型戦略によって創出した譲渡益と内部留保を原資とした投資主還元を実現する。

中期的な数値目標は、(1) 分配金4,200円、(2) 資産規模3,000億円、(3) 内部成長として賃料収入年成長率6%とROI10%、(4) 格付AA、(5) 2030年までにGHG90%削減と再生可能エネルギー電力100%、を掲げている。目標達成に向け、外部成長・内部成長・財務の各フェーズにおいて、潤沢な内部留保や含み益を原資とした「攻め」の資金活用を推進する。

数値目標達成に向けてはおおむね順調に進捗している。賃料収入年成長率については、内部成長の強化と足元の増額改定の進捗を受け、2026年5月期に従来目標の年率5%を同6%に上方修正した。賃料成長によってEPUの年率3%成長以上を目指し、2028年11月期までにDPU4,200円達成を目標とする。同REITは、いよいよ「Growth」の時代に入ったと言える。

2. 外部成長戦略
外部成長戦略では、「着実かつ健全な外部成長」「継続的な入替戦略の実施」「投資機会の拡大・中長期で競争力を有するポートフォリオの構築」「資産回転型戦略の強化とバリューアッド戦略を通じた含み益の創出と顕在化」を運用方針としている。「着実かつ健全な外部成長」は、ポートフォリオの質と収益性の向上に資する物件へ投資し、スポンサーとの協働により開発など取得手法を多様化するとともに、フリーキャッシュ及び借入余力を活用した機動的な物件取得を進める。「継続的な入替戦略の実施」では、低収益物件や小規模レジデンスを優良なオフィスやレジデンスに入れ替えるなど、収益力の改善を継続する。「投資機会の拡大・中長期で競争力を有するポートフォリオの構築」については、基本的にはオフィスとレジデンスを基軸としつつ、マーケット需要の変化に対応し、都市型商業施設、ヘルスケア施設やホテルなどへの投資機会の拡大を図る。2026年5月期は、借入余力の活用による物件取得や「資産回転型戦略」を着実に実行した。具体的には、5物件を鑑定評価額を下回る価格で取得し、多額の含み益を確保する一方、2物件の譲渡により譲渡益を計上した。2026年11月期に入ってからも、期初の公募増資を原資にオフィス3物件を取得している。譲渡益は投資主還元としての分配金、内部成長を生むバリューアップ投資、内部留保に配分されている。

同REITのスポンサーである平和不動産は、オフィス及びレジデンス開発を積極的に展開しており、同REITはその中から物件を取得している。2026年11月期の期初にも6年連続となる公募増資を実施し、オフィス3物件を取得した。このうち1物件は平和不動産のパイプラインからの取得である。加えて、同REITでは、普通借地権を活用したパイプラインの構築に取り組んでいる。平和不動産との協業により、借地権のデメリットを克服し、メリットを最大限に享受できるスキームを構築できるのが強みである。今後も公募増資による資産規模の拡大、DPUやNAV(純資産価値)の成長、LTVの引き下げを推進し、レバレッジを活用した成長余力の確保を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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