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平和RE Research Memo(2):2026年5月期決算では、21期連続となる分配金の増配を実現

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■平和不動産リート投資法人<8966>の業績動向

1. 2026年5月期の業績概要
2026年5月期(第49期)は、営業収益11,525百万円(前期比7.7%増)、営業利益6,627百万円(同10.7%増)、経常利益5,678百万円(同9.0%増)、当期純利益5,677百万円(同9.0%増)となった。営業収益・各段階利益は、おおむね2026年4月27日公表の修正予想どおりに着地した。なお、REITでは、税引前利益の90%超を分配金として支払う場合には法人税が免除されることから、当期純利益は経常利益とほぼ同水準となっている。

内部成長では、オフィス・レジデンスともに賃料改定額が過去最高を更新し、ポートフォリオ全体の賃料収入成長率は年率4.5%(前期比0.8ポイント増)となった。バリューアップ工事によるダウンタイム(空室期間)がありながらも期中平均稼働率は97.7%(同0.2ポイント増)と高稼働が継続している。外部成長では、借入余力の活用と公募増資による継続的な物件取得に加え、18期連続となる資産入替に伴う含み益顕在化(譲渡益の計上)のサイクルを継続した。財務運営においても、健全な財務基盤を維持し、調達期間と金利固定化比率70%の水準を維持するとともに、公募増資により保守的なLTVコントロールを継続した。

1口当たり当期純利益(EPU)は、4,536円(前期比376円増)となった。金融費用増加の影響があったものの、オフィスとレジデンスの内部成長及び外部成長の寄与が上回ったためである。さらに、投資主還元の強化方針に基づき、資産入替に伴う含み益の顕在化による譲渡益計上に加え、一時差異等調整積立金※の取崩しにより、DPUは3,990円(同40円増)と21期連続で過去最高水準を更新した。こうした分配金の増加は、投資主還元の強化に経営の軸足を移した結果である。潤沢な内部留保と含み益を背景に、継続的な物件取得、財務基盤の安定化、安定的な分配金支払いの好循環が機能している点が評価される。

※ 過年度に計上した負ののれん発生益を積み立て、翌期以降50年以内に毎期均等額以上を取り崩すことが可能な任意積立金。

2. 財政状態
2026年5月期末の財政状態は、資産合計285,667百万円(前期末比12,731百万円増)、純資産134,650百万円(同1,492百万円増)、有利子負債138,680百万円(同10,310百万円増)となった。平均調達金利は1.437%(同0.251ポイント上昇)となったが、当面は、満期を迎える調達コストと新規調達コストが同等か、あるいは新規調達分が高くなる見通しである。今後も主要金融機関との良好な関係を背景に、安定した資金調達が可能と判断される。また、平均調達年数は7.2年、長期有利子負債比率は100.0%、金利固定化比率は70.7%で、将来の金利上昇リスクに備えている。金利上昇に対しては、内部留保や含み益を活用したバリューアップ工事による賃料増額によって吸収する計画である。さらに、大手都市銀行による80億円のコミットメントライン(機動的な資金調達を可能とする融資枠)も確保しており、不測の事態への対応力も高い。

鑑定LTV※は41.9%と、良好な低水準を維持している。同REITでは、同比率40~50%を標準水準として維持し、上限を65%に設定しているが、現在はその範囲内でも低い水準にある。鑑定評価額の増加に伴い同比率は長期的に低水準で安定して推移しており、財務の安全性は極めて高いと評価される。

※ 期末の鑑定評価額(帳簿価額+含み損益)に対する有利子負債の割合。

■今後の見通し

保守的な前提で、2027年5月期までDPUの最高更新を予想

● 2026年11月期及び2027年5月期の業績見通し
2026年11月期(第50期)は、営業収益9,558百万円(前期比17.1%減)、営業利益4,600百万円(同30.6%減)、経常利益3,481百万円(同38.7%減)、当期純利益3,480百万円(同38.7%減)を見込む。2027年5月期(第51期)は、営業収益9,764百万円(同2.2%増)、営業利益4,734百万円(同2.9%増)、経常利益3,497百万円(同0.5%増)、当期純利益3,496百万円(同0.5%増)を予想している。その結果、EPUは2026年11月期2,590円(同1,946円減)、2027年5月期2,602円(同12円増)を予想する。これは、金融費用の増加を賃料上昇で補い、物件譲渡による賃貸利益のはく落を公募増資で取得した成長資産によってカバーする計画によるものだ。こうした収益構造を背景に、「投資主還元の強化」の方針に基づき内部留保取崩しを実施することで、DPUは2026年11月期4,030円(同40円増)、2027年5月期4,040円(同10円増)と、過去最高水準の更新を計画している。

これらの予想は、既に確定している外部成長(物件譲渡や物件取得)や内部成長の実現を織り込む一方、今後の資産入替に伴う物件取得や物件譲渡益を織り込んでいない。同REITでは、今後も物件譲渡益の計上によって内部留保の拡充を図りつつ、分配金の増加を実現する。また、予想については、保守的な稼働率やNOI利回りを前提にしている。今後の金利上昇懸念に対しても、内部留保や含み益を活用したバリューアップ工事による賃料増額を強力に推進するとしており、業績予想は十分に達成可能な水準であると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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