国会議員が「自分は偉い」と勘違いする理由
この国に、議員と呼ばれる人の数は、市町村合併などでかなり減少したとはいえ、いまも国会と地方議会合わせて3万3000人をこえている。この数が適正かどうかについては議論があるものの、トリセツが必要なほど他人を疲弊させ、そのわりに実績の上げられない議員に、どれほどの値打ちがあるだろうか。
議員を「先生」と呼ぶ日本的“慣習”にも問題がある。明治時代に議員宅に住み込んでいた書生が「先生」と呼んでいたのが起源という説もあるが、とにかく不思議なこの呼称によって、自分は偉いんだ、特権があって当然だという思い上がりを生みやすい面はあるだろう。
秘書のささいな言葉や態度に激高して「土下座しろ」と怒鳴りつけたり、役人に無理難題を押しつけて、むやみに仕事の時間を奪う議員のいかに多いことか。普段はふんぞり返っている政治家が、いざ選挙となると、頭をこすりつけんばかりに「お願いします」と叫んでまわるのだからバカ丸出しである。
長谷川参院議員は北海道選出で当選3回。選挙区と東京の間を航空機で行き来しているらしく、総務副大臣だった2019年、旭川空港ビルの対応に腹を立て、「与党として支援できない」と電話で激しくまくし立てたのを週刊文春が記事にしたことがある。
強い立場の人に直言できる政治家は本物だが、まず歯向ってはこないとわかっている人を相手に威張り散らすのは勘違い議員の典型といっていい。長谷川議員もこのさい、吉幾三さんの指摘をありがたく受け入れて、「横柄な態度」をあらためてはどうだろうか。
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image by: 長谷川岳.jp