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「影の支配者」D・ロックフェラーの死にほくそ笑むゴールドマンの戦略=斎藤満

ロスチャイルド系企業が優勢に

いずれにせよ、ロックフェラー・グループの体制立て直しが遅れると、産業界でもロスチャイルド系が勢力を強める可能性があります。

石油関連では、ロックフェラーのエクソン・モービルやシェール企業に対して、ロスチャイルドにはロイヤル・ダッチ・シェルブリティッシュ・ペトロリアム(BP)があります。

金融はもともとロスチャイルドの支配産業で、欧州各国の中央銀行から、バークレイズ、香港上海銀行、ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、ハリマン、ヴァンダービルトがロスチャイルド系であり、日本では三井銀行系が入ります。因みに、三菱銀行系はロックフェラー系に入ります。

軍事面では、ロスチャイルド系としては、ビッカース、アームストロング、ロッキード・マーチンが、メディアではロイター通信、ニューヨーク・タイムズ、ABC、CBSなどがあります。

高まるゴールドマン・サックスの存在感

金融市場では一時ロックフェラー系のシティ・グループが市場をリードし、利益を独り占めしていた時期がありますが、トランプ大統領の勝利あたりから、ロスチャイルド系であるゴールドマン・サックスの存在感が高まっています。

一例をあげると、大統領選挙の行なわれた昨年11月7日前後の市場の動きにこれが見られます。開票の途中経過が出始めたのは、すでに8日の東京市場が開いた時間です。当初2人の接戦が伝えられましたが、接戦州でトランプ勝利が伝わるたびに米国株の先物が大きく売られ、これを見て日本株もつれ安となりました。

ここで米株の先物を売っていたのがゴールドマン・サックスと言われます。トランプ氏が優勢と伝えられた時には、米国株の先物は800ドル以上の急落となっていました。日本株もつられ、一時1000円も下げています。

ところが、8日の東京市場が閉まるあたりから、米国株の先物が下げ止まり、今度は急ピッチで買い戻され、ニューヨーク市場が開くころにはむしろプラス圏に戻っていました。ここで先物を買い上げたのもゴールドマンと言われます。

その過程では、「トランプ大統領になれば、大型減税、インフラ投資、金融規制改革が期待できる」との宣伝をして買いを誘いました。

現在のトランプ政権には、財務長官など主要ポストにゴールドマン出身者が加わっていますが、すでに選挙結果が決まろうとするその瞬間にも、ゴールドマンが大きな存在感をもって市場を動かしていたわけです。

この時点で、市場の目はシティ・グループからゴールドマンに移りました。以後、市場をリードするのはゴールドマンと見られるようになりました。

デイヴィッドの生前は、その配下のシティ・グループとジェイが肩入れするロスチャイルド系のゴールドマンが主導権争いをする場面も見られましたが、デイヴィッド亡き後は、金融市場でのロスチャイルド系の影響が強まり、やはりロスチャイルドの影響力が強い各国中央銀行とゴールドマンの連携が予想されます。市場も、彼らから目が離せなくなるでしょう。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年3月30日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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