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「影の支配者」D・ロックフェラーの死にほくそ笑むゴールドマンの戦略=斎藤満

崩れゆく世界の均衡と秩序

ロックフェラー財閥の事実上のトップが亡くなったことで、財閥内の混乱、後継問題がささやかれていますが、これまでロックフェラーとロスチャイルドのパワーバランスで保たれていた均衡が崩れ、世界の秩序が崩れる懸念があります。

デイヴィッド・ロックフェラーの後継者としては、自身の息子さんのデイヴィッド・ロックフェラー・ジュニアもいますが、彼は音楽の道に興味があると言われ、ロックフェラー財閥のビジネスにはあまり関心がなさそうです。

むしろ、甥のジェイがジョン・ロックフェラー4世としての立場もあり、最も自然だと思いますが、生前、デイヴィッドとジェイは金融市場でしばしばぶつかり、険悪な関係とも指摘されました。一時経営が苦しかったシティ・グループを、甥のジェイ率いるゴールドマンが飲み込もうとしたために、叔父のデイヴィッドが激怒したと言います。

後継問題がすんなりいかないと、ロックフェラー・グループにはしばらく混乱が続き、グループの結束が弱まる懸念がまずあります。

トランプ氏、ロックフェラーのライバル・ロスチャイルドと接触か

同時に、相対的にロックフェラーよりもロスチャイルドの影響力が高まると、さまざまな面で均衡が崩れ、変化が生じる可能性があります。

例えば、トランプ政権の誕生ですが、デイヴィッド・ロックフェラーが健在であればなかったかもしれません。彼の死が3月20日に報じられましたが、実際にはもっと前に亡くなっていた可能性もあります。あるいは選挙に影響力を行使しうる状態ではなかったのかもしれません。

トランプ大統領は、IS(イスラム国)への攻撃を本格化するといい、そのためにロシアと協力すると言っています。

しかし、ISはもともとロックフェラー系のモンサント社の傘下の民間軍事会社によって訓練を受けたと言われ、オバマ政権下では、ISへの攻撃は手抜きとも見られる状況があり、しばしば武器が「誤って」IS側に回っていたことも知られています。ISへの攻撃には、事前に通告がなされたともされます。

そのISをトランプ大統領が攻撃することは、ある意味ではロックフェラー・グループに喧嘩を売るような行為とも見えますが、ロックフェラーがトランプ氏でなく、ヒラリー・クリントン氏を推していたことからすれば、わからなくもありません。

【関連】ロックフェラーに喧嘩を売るトランプ。2017年のパワーバランスはこう変わる=斎藤満

トランプ氏は選挙前に英国を訪れ、ロスチャイルドと接触していたとの情報もあります。トランプ大統領の誕生は、すでにロックフェラーよりもロスチャイルドの影響力が大きくなっていたことの表れととれなくもありません。

もっとも、ロックフェラーは大統領選後に、ロスチャイルドと和解を求め、トランプ陣営での影響力を持つようになったとの説もあります。

Next: 高まるゴールドマン・サックスの存在感。ロスチャイルド系企業が優勢に

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