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安倍首相「株価に一喜一憂しない」アベノミクス失敗でも封印された秘策=三橋貴明

10-12月期マイナス成長の原因は国内消費低迷

何なのでしょうか、ファンダメンタルズとは……。

そもそも、10-12月期の経済成長率がマイナスになってしまったのは、民間最終消費支出の落ち込みが原因です。別に、外国のせいではありません。

最大の原因は消費税――安倍政権の失政

先日も触れましたが、2015年の民間最終消費支出は実質GDPベースで306.5兆円と、安倍晋三内閣が発足した12年の308.0兆円から1.5兆円縮小してしまいました。

13年は313.2兆円と増えていた(消費増税前の駆け込み消費の影響もあったのでしょうが)のが、14年は310.4兆円に落ち込み、15年は306.5兆円と、野田政権期を下回ってしまったわけですが、改めてパーセンテージを計算すると、日本国民は13年から15年にかけ、6.7兆円、消費を減らしたわけです。

日本国民の実質賃金の落ち込みや、実質消費の激減の「最大の原因」は、もちろん消費税の増税です。つまりは、安倍政権の失政なのです。

アベノミクスの失敗を認められない安倍政権

日経の記事の後略部に、非常に気になる一文がありました。

財政出動をすれば『アベノミクスの失敗』と受け取られかねない(経済官庁幹部)

いやいや……。アベノミクスは「失敗」したのです。失敗を素直に認め、金融政策に「加えて」財政政策を講じるというならばともかく、失敗とみられることを恐れ、正しい政策に踏み出せないとは……。

怖いのは、日経の記事の最後に、

18日の経済財政諮問会議では民間議員が「必要と判断される場合は機動的に対応すべきだ」との提言を示す予定。内閣府幹部は「財政出動を連想させる、と批判はあったが『緊急時にはあらゆる対策をとる』というメッセージも必要だ」と語る。

とあった点です。

あれですかね。いつの間にか「財政出動」はタブー化してしまっているのでしょうか。何となく、そんな気がしていましたが、本当にそうとは……。異様です。

(ほとんど)唯一の正しい政策を「封印」「タブー化」してしまっては、日本経済がデフレから脱却し、堅調な経済成長路線を歩み始める日はやってきません。

【関連】ジョージ・ソロス「仕掛けの手口」日本株売り決断の理由とは?=藤ノ井俊樹

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