ESG投資が本流へ
私は2021年に、日経平均が4万円を超える確率は低くないと見ている。とはいえ、市場全体と言うより、日本株の個別銘柄に興味のある方々には、2020年12月14日付けで、米のメディアに非常に興味深い記事が出たので、翻訳してその要点をご紹介しておく。
・ブラックロックとフィデリティは130兆ドルのメガトレンドに大投資
我々は現在、歴史的に最大の金融上の変革の時期に生きている。大きな資金が持続可能でないすべてのものから逃げ出しているのだ。
PwC(コンサルティング会社)によれば、2022年までに機関投資家の77%は、ESGではない製品を買うことを完全に止めると言っている。ESGファンドは、2025年までにすべての欧州ファンド資産の50%以上を占めることになる。それはほぼ8兆ドルとなる。そして、それは始まったばかりなのだ。
欧州は現時点ではESG資産をこきおろしているかもしれない。しかし、北米では120兆ドルに迫る資金が容易に手に入る。110兆ドルを超える資産を運用する3,000を超える投資家たちが、ESG投資を支持している。加えて、9兆ドルの資産を運用している70の業界団体もまたESG投資を支持している。
出典:Blackrock and Fidelity Are Betting Big On This $130 Trillion Mega-Trend(2020年12月14日配信)
それに先立つ10月12日付けでは、ウォールストリート・ジャーナルが最も持続可能な経営企業のリストを公表した。それは、持続可能性について広範な視点を用いたもので、企業のリーダーシップや企業統治の実態を査定し、長期的に株主への価値を創造する能力があるかを見ているものだ。ランキングはウォールストリート・ジャーナルの環境、社会、企業統治(ESG)研究のアナリストたちが作成、世界の上場企業の5,500社以上を、持続可能な測定基準の範囲をもとに査定したとされる。
※参照:Explore the Full WSJ Sustainable Management Ranking
ESG投資は世界の大手機関投資家がシフトを進めている。ウォールストリート・ジャーナルは、株式投資における有力な情報源だ。そこが5,500社以上を精査した結果、日本のソニーが1位になったのだ。
以下にベスト100に選ばれた日本企業16社と、そのチャートをご紹介してこのコラムを締めくくる。チャートに入れたオレンジ色の縦線は、ウォールストリート・ジャーナル掲載時の株価だ。ここは個別銘柄を推奨する場ではないので、投資判断については投資家の方々各自にお任せしたい。
1位:ソニー
10位:積水化学
13位:AGC
36位:キャノン
38位:ブラザー工業
44位:オムロン
46位:京セラ
56位:ウシオ電機
57位:JFE
59位:コニカミノルタ
66位:荏原製作所
77位:TOTO
79位:日立
82位:大林組
87位:東芝
97位:フジクラ
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2021年1月3日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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