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コロナ拡大は株高要因。バブルの入口で投資初心者が勝てる唯一の道は?=栫井駿介

「バブルに乗れ!」が危険な理由

これから本格的なバブルが起こるとして、私たちはどう対処したら良いのでしょうか。

私は「バブルが起きるから、今は投資するな」と言っているわけではありません。むしろ、バブルで株価が上がるならそれにこしたことはありませんから、少なくとも何らかに投資しておくべきだと考えます。

問題はそこで何に投資するかということです。バブルを想定するなら、株価が短期間で上がる銘柄に投資したくなるでしょう。それこそ、ビットコインやテスラに投資しようということになります。

しかし、その発想は非常に危険です。

確かに、バブルで最も大きく上がるのは、すでに大きく上がっている銘柄であることは間違いありません。私の中でも、この1年がバブルになるとすれば、ランキング上位を占めるのはテスラやビットコインだと思います。

ところが、これはバブルが続くまでの話です。バブルはいつか弾けますから、やがてその逆回転が起こります。今回もその例外ではないでしょう。

例えば、テスラの時価総額はすでにトヨタの3倍あります。しかし、売上高は約10分の1にすぎません。製造業であり利益率が極端に高いということは考えにくいですから、これから売上高を10倍に伸ばしてやっと現在の3分の1が適正価格ということになります。まして自動車の世界市場が、スマートフォンのように爆発的に伸びるような事態は考えにくいでしょう。

すなわち、今の株価はこの現実から完全に目を背けた数値になっているのです。まさにマネーゲーム、金融緩和の下で踊っているということになるわけです。

世界のファンドマネージャーは「いつテスラを売るべきか?」ということを必死に思案しています。彼らはそのタイミングと常ににらめっこしていますから、売り始めると今度は雪崩を打ったように下落するでしょう。これはもはや想像の話ではなく、ほぼ確実に起こる未来の話です。

そうなった時に、あなたは適切に対処できるでしょうか。体よく売り抜けられれば良いと考えるかもしれませんが、そこで同じゲームを戦っているのは熟練のトレーダーたちです。彼らはあなたに株を売りつけると、一瞬でいなくなります。そうなると、株価はあっという間に信じられないほど値下がりするでしょう(米株にストップ安はありません)。

自分が熟練のトレーダーと自認していたり、そうなりたいと覚悟を決めた人でなければ、このゲームに参加するのはウサギがライオンの檻に放たれるようなものだと考えるべきです。株式市場とはそれほど恐ろしいところだと考えてください。

素人が投資で勝つ道

しかし、株式投資とは不思議なもので、そんな私たち素人にも勝てる道を用意してくれています。それは、「時間をかける」ということです。

多くの機関投資家は、1年や四半期での結果が求められますから、目の前の利益を優先します。だからこそ、すぐには儲からないところにはうまみが生まれるのです。

長い期間で見れば、株価は企業の価値に比例します。しかし、企業の価値は株価のように急に2倍になったり、半分になったりするものではありません。長い年月をかけて計画をして準備をし、いざ始めてから結果が出るまでにも何年もかかります。

機関投資家はそれにしぶとく付き合っていられません。しかし、私たちにはそれができます。なぜなら、私たちは四半期や1年での運用成績で判断される必要はないからです。むしろ、多くの人にとって投資は将来への備えですから、何年も先に最終的に増えていればそれで良いものです。

したがって、長期投資として私たちがやるべきことは、しっかりと価値=業績を伸ばし続けられる企業を見つけ、それをしたたかに買い、結果が出るまで持ち続けるということになります。ここには強力なライバルもいないので、多くの可能性が残っているのです。

Next: 価値のある企業を見つけ、株価が下がったときに買うこと

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