いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続ける
ここまでテスラを悪者のように扱ってきましたが、決してテスラという会社が悪いわけではありません。むしろ、世の中で他に誰もできない理想を実現しようとしているとてつもない企業だと思っていますし、実績も残してきています。会社としての将来は明るいでしょう。
しかし、それと株価は別物です。株価はすでに実態から大きく乖離して、バブルになってしまいました。ここからどこまで上がるかはわかりませんが、もはやただのマネーゲームになってしまっています。
私たちが本当にやるべきことは、テスラの株価はこれほど上がる前に、その実力や理念に可能性を見出し、しぶとく調べてそこを買っておくことなのです。良い企業ほど、勢いがつけばどこまででも上がるので、そこでバブルの恩恵を大きく受けることができます。安く買っているので、当面の株価下落も恐れる必要はありません。
もっとも、誰よりも早く成長株を見つけ出すというのも容易ではありません。しかし、そんなあなたにも必ずチャンスがやってきます。それが、相場変動で株価が大きく下がったときです。この時に買えれば、最初に買った人たちからは出遅れたとしても、ボーナスステージの如く素晴らしい銘柄を安く買うことができるのです。この時には、ある程度材料の出揃った状態から銘柄を選ぶことができます。
普段は素晴らしい銘柄探しに勤しみ、株価が下がった時にしたたかに買い、あとは成長を見守る。株式投資はこれだけで良いのです。バフェットも以下のように言っています。
株式投資の極意とは、いい銘柄を見つけて、いいタイミングで買い、いい会社である限りそれを持ち続けること。これに尽きます
テスラはさすがに難しかったかもしれませんが、私の責務も「将来大きく成長する成長株を探す」ということだと確信しています。2021年はこれまで以上に企業の成長性に着目し、相場が多少動いたくらいではびくともしない銘柄を見つけていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。
『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年1月10日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。