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コロナ禍で急増「貧困ビジネス」にご用心。詐欺を見破るシンプルな考え方=午堂登紀雄

コロナ禍で困窮する人が増えると、生活に困っている人を狙った詐欺ビジネスが続々と登場します。今回は貧困ビジネスの仕組みと、それらを見破る方法を解説します。(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』午堂登紀雄)

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プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお)
米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

貧困ビジネスが続々出てくる

貧困ビジネスとは、貧困層をターゲットにした商売です。

たとえば経済的困窮者をシェアハウスなどに集めて生活保護を受けさせ、生活保護費からちょっとのお小遣いを渡し、ほぼ総取りしているような業者もいます。

引きこもった人の親の依頼を受け、引きこもりを強引に連れ出し数十万円も請求する業者がいます。

地方に強制隔離して最低時給以下で農業をさせるなどかなりグレーなビジネスですが、すがるような気持ちの親の足元を見て高額を取っているようで、それなりに潤っているようです。

最近もコロナの持続化給付金詐欺があり、学生などが被害に遭いましたね。

コロナ関連では、おそらくダミー会社や架空の従業員を装った雇用調整助成金詐欺をしている企業もあるでしょうから、これから明らかになってくると思われます。

宝くじは詐欺に近い「貧困層の娯楽」

宝くじも典型的な貧困ビジネスだというのが私の考えで、「一発逆転」を期待する情報弱者に夢を見させて暴利をむさぼる商材です。

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まともに確率計算できる人ならまず買わないと思いますが、ターゲットはこれを「娯楽」と称して買ってしまうような層ですから、考える力が弱いゆえに貧困であり続けるのでしょう。

この一発逆転の発想は非常に危険で、そもそも大博打を打つ時点で投げやりのやぶれかぶれですから、良い結果になるはずもありません。

考えるのが面倒だから「エイヤ」になるわけです(とはいえ、結婚するときなどでは必要かもしれませんが)。

一発逆転思想は現代の若者にも通じるようで、最近多いアニメやライトノベルは「現世でしょぼかった人が異世界に転生し、魔法を使って大活躍する」というストーリーです。現状に不満を持ち、別世界でやり直し逆転したい願望を持つ人が少なくないということでしょう。

しかし、私も深夜枠のアニメで観ているのですが、作品としては面白く、「こういう展開であってくれたらいいな」という欲求をそのまま叶えてくれるので、安心感があるのです。つまり、自分の代わりに理想を代行してくれる心地よさがあるようです。

話がそれましたが、私には宝くじは詐欺に近い商法に思えます。

なぜなら、「1等前後賞を合わせて10億円!」などと大々的にアピールする一方で、「半分は経費や自治体への分配のため差っ引きますよ」とはきちんと言わないからです(どこかに小さく書いているかもしれませんが)。

当選券が出るのは確かだとしても、その確率は言わない。これで広告審査に引っかからないのが不思議なくらいです。

まあ、娯楽産業はおしなべて顧客のお金と時間を浪費させる商売ではありますが、たとえば映画や観劇、美術鑑賞などのように心が豊かになるものもあります。

私も以前、ニューヨークで「オペラ座の怪人」というミュージカルを観たときは本当に感激しました。観客も正装をしていたり振る舞いも上品で、みな品があるな~という印象でしたし、会場の一体感もすごく、みんなで拍手をしたりどよめいたり、雰囲気も楽しめました。

このとき、「富裕層の娯楽と貧困層の娯楽の違い」を実感したのを覚えています。

こう書くとちょっと傲慢に聞こえるかもしれませんが、同じ暇つぶし、同じ余暇であっても、そこで何に興味を持ち何で時間を消費するかという、いわゆる文化資本の差というのは子に受け継がれることもありますから、親も意識が必要だなと感じます。

なので私も子どもたちには、教養や感動を得られる、あるいは視野を拡大させる経験をさせたいと思っています。とか言いながら、実際に効果があるかどうかはわからず、とりあえず良さそうだからという感じですが。

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