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無策の菅政権、GWにコロナ第4波直撃か。ワクチン接種率は最貧国並み、国民任せの対応に限界=斎藤満

日本は例外的な無策

主要国の中では日本の感染状況、死者の数ともに良好な結果を残していますが、政策的には例外的ともいえる無策を露呈しています。

まず、集団抗体の獲得を目指したワクチン接種状況を見てみましょう。

<ワクチン接種率は最貧国並み>

日本経済新聞社、FT紙のデータによると、3月29日現在の世界のワクチン接種回数は約5億4,000万回に達しました。このうち、最大の回数を誇るのが米国の1億4,000万回、ついで中国の1億200万回、インドの6,000万回、英国の3,300万回と続き、日本は89万回にとどまっています。

100人当たりの接種回数でみると、トップのイスラエルは109.7回、ついでセーシェルの98.9回、UAEの81.5回、チリの50.9回、英国の49.5回、米国の42.2回となりますが、日本は0.7回にとどまっています。これより低い国は、イラン、タイ、ケニア、ウガンダの0.1回など、アフリカの最貧国が多くなっています。

ニューヨーク州のクオモ知事は、これまで50歳以上の人を接種の対象にしていましたが、29日から30歳以上に引き下げ、4月6日以降は16歳以上のすべての成人が接種可能となります。

バイデン大統領は4月19日までに成人の90%に接種を行うと言います。日本では今のペースだと、成人が2回の接種を終えるのに7年くらいかかります。

ワクチンが予防に万能というわけではありませんが、接種比率の高い地域では、少なくとも死亡者数が減少しているか、そもそもゼロとなっています。重症化、死亡リスクの低下には有効との結果を示唆しています。

イスラエルのようにワクチン接種の証明書がないと仕事や社会生活に支障をきたす国もあります。

<強制封じ込めもせず>

ワクチン接種で集団抗体を獲得するか、それができないところでは感染防止をする上で、ロックダウン(都市封鎖)など、政府が強制力を持って人の動きを止め、感染防止に努めることになります。

欧州大陸ではワクチン接種率が10%から20%のところが多く、接種の遅れが感染再拡大につながっているとの認識があります。

このため、フランスやポーランドでは再びロックダウンを実施、ドイツではロックダウンの延長をしようとして国民の強い反発を受けました。

オーストラリアのブリスベーンでは英国型変異ウイルスの感染者が7人出たということで、クラスターの発生と認識し、29日から3日間の外出禁止令を発しました。医療、必須の仕事、食品の買い出しによる外出以外は許容されません。

これに対して日本では感染の第4波が懸念される中でも、外国人の入国を部分的に容認し、飲食店への時短要請、協力金支給を行うだけで、入国者の水際での封じ込めも、ロックダウンもせず、検査数も少なく、感染者の隔離、追及も徹底されていません。飲食店にはパーティションの設置や席の間隔をとるルールも指導もなく、店任せ、客任せになっています。

感染者数が少ない時期に検査の徹底、追跡を行うチャンスだったのですが、今でも行われていません。広島市のように、薬局で唾液によるPCR検査キットを置いておき、自宅で検査を行い、薬局に持ち込むだけで済む体制をとっているところもあります。やればできる手段がありながら、実際民間検査機関が低コストで検査を行えるのに、国も東京都もこれらを活用しようとしません。

ワクチン接種が進まないなら感染防止策を徹底するしかないのですが、これも国民任せ、店任せという「無策」ぶりを露呈しています。それでも国民が感染を恐れて自粛している間は良かったのですが、感染を恐れない若い人が出歩くようになり、職場や家庭で感染を広げる事態を放置しました。

その結果、ゴールデンウィーク期間にまた第4波が襲うと、国民が感染を恐れてまた経済が止まってしまう悪循環となります。すでに国民が政府の協力要請に反乱を起こすようになってしまい、統制が効かなくなっています。

Next: 政府がまじめに感染防止策を取れば効果が上がる余地がある

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