株価上昇に必要なのは説明力
創薬ベンチャーの経営者(森田CEO)は、本来はこうした事態に巻き込まれることなく、もくもくと新薬開発・技術開発に邁進して、投資家の期待に応える必要がある。
しかし、ロックアップ期間が明けた現在では、VCなど期間限定で保有する大株主に代わる投資家集めに奔走する必要が出てきたようだ。
新たなパイプラインターゲットを見つけないとならないし、大手製薬企業とのライセンス契約も締結しないとならない。
多忙なCEOにさらなる悩みが出てきたとすれば、それはこのビジネスや技術開発、治験状況を、株を手放したカリスマ投資家以外の多くの長期投資家に説明することだ。
オンライン説明会では多くの質問が飛び交い、丁寧な回答を行う森田CEOだが、一般個人にはなかなか理解しにくいし、分野が希少薬に限られているので、なかなか投資家には関心が向かない。
今後も時価総額600億円を正当化するだけのビジネスの方向性を示していく必要があるが、手っ取り早いのは、ライセンス先を決めることとなる。
ただ前期のようなこともあり、今期もまた年後半に…という曖昧な目標では、理解が得られそうもない。
とてもクレバーで社会的意義のある創薬ベンチャー企業の経営者の悩みは尽きない。むなしく株価2,000円前後で推移する同社株の行方を、ただクールに見守るしかないのだろうか。
『億の近道』(2021年4月6日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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