マイクロソフトが計らずもコロナ感染拡大によって一気に栄光を取り戻した。そのビジネスがコロナショックに耐性があるのは間違いなく、株価も上昇している。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
コロナ時代はマイクロソフトの方が有利
アップルとマイクロソフトは、コロナ時代でどちらが有利なのだろうか。コロナ以前はアップルの方が断然有利だったのだが、コロナ時代はマイクロソフトの方が有利かもしれない。なぜか。
ステイホームが推奨され、人々が出歩かなくなって自宅に長くいるようになると、イスに座って仕事やゲームをする機会が増えるので、スマートフォンよりもノートブックやデスクトップの方が好まれるようになるからだ。
さらに、リモートワーク・テレビ会議・オンライン学習が増えていくと、スマートフォンではどうしようもなくなってノートブックやデスクトップを選択せざるを得ない状況になる。
スマートフォンのOSはアップルの「iOS」やグーグルの「Android」が主流だが、ノートブックやデスクトップのOSはマイクロソフトの「Windows」が今でも圧倒的なシェアを持っている。
その上、オフィス製品であるワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフトもマイクロソフトの「Word」「Excel」「PowerPoint」等が市場のデファクトスタンダードとなっている。
人々がリモートワークに入ると、これらの製品を揃えなければならないということになる。さらにマイクロソフトはリモートワークには欠かせない「テレビ会議」のシステム「Microsoft Teams」も提供しており、爆発的に使われるようになっている。
コロナ時代のマイクロソフトは隙がない
「Microsoft Teams」の利用者は2019年7月までは1,300万人、12月には2,000万人規模だった。それが、コロナによるリモートワークが進むようになってから、3月には利用者が4,400万人、4月には7,500万人となっている。
それだけではなく、マイクロソフトはクラウドサービスの「Azure」でもアマゾンに次ぐ業界2位のシェアを持っている。
クラウドについてはアマゾンの「AWS」のスケールやシェアは圧倒的なのだが、それでもアマゾンを猛追しているのは間違いない。「AWS」の年間成長率は36.0%だったが、「Azure」の方は2019年は63.9%だった。
このクラウド上でもマイクロソフトは「Word」「Excel」「PowerPoint」等を提供しており、これを「Microsoft365」として提供している。
これらのソフトはクラウド上で提供されるソフトウェアサービスであり「SaaS=Software as a Service」と呼ばれているのだが、この「SaaS」の分の売上を含めると、アマゾンの「AWS」を超える売上となっている。
これらを総合して見ると、コロナ時代でマイクロソフトがいかに隙のないビジネス環境にあるのかが分かる。しかも、クラウド市場はコロナがどうなろうとこれからもずっと伸び続ける分野であり、マイクロソフトの成長に大きく寄与することになる。
マイクロソフトのビジネスはコロナショックに耐性があるのは間違いない。それがマイクロソフトの株価の上昇にもつながっている。
ZOOMのような新興企業に市場の目が注がれているのだが、企業体質の盤石さから見るとマイクロソフトの安定度は群を抜いている。