日本の教育システムから外れる可能性、代替プランは?
次の選択肢はオルタナティブスクールです。たとえばモンテッソーリ校やサドベリー校のような、本人の個性を尊重し探求を重視する学校への転校が考えられます。
ただしこれらのスクールは文部科学省の認可を得られない「各種学校」であることが多いため、卒業単位として認められず、内申書も出ないので高校への進学もできないところが多い。そのため日本の大学に進学するには高卒認定試験(昔でいうところの大検)を受験し認定を受ける必要があります。とはいっても、私は日本の大学はあまり信用していないので、本人が望めばこういうところでもいいかなと思っています。
もし日本の教育システムから外れたら、家族で米国への教育移住を選択肢として持っています。
実は子どもが生まれる前はマレーシアへの教育移住を考えていました。この留学は、英語と中国語の習得のためと、多民族国家・多宗教国家の中で、多様な価値観に触れさせるためです。
マレーシアは旧イギリス領であり、華僑など中華系が人口の約3割を占めることから、学校ではマレー語だけでなく英語と中国語でも授業が行われています(そのため現地ではバイリンガルどころかトリリンガルが一般的)。日本語に加えて英語と中国語もできれば、世界のほぼすべてのビジネスシーンで通用するだろう。
また、マレーシアはイスラム圏ですが、基本的には多民族・多宗教国家なので、キリスト教やヒンズー教、仏教などとも共存している多様性がある。今後はイスラム人口が世界最大になる見込みですし、そんな社会でコミュニケーションしていくのは、貴重な経験になるだろう、と考えてのことです。
そのために現地に不動産まで買ったのですが、長男が自閉症とわかってからは、アメリカの方がよいのではないかと考えています。
発達障害児の個性を認め、その才能を引き出す教育環境の整備・充実度は、いろいろ調べるとやはりアメリカが世界最先端だと感じているからです。
海外移住にもリスクはある。失敗したらどう対処?
ただし幼少期に渡米することにもリスクはあり、それは日本語も英語もどちらも中途半端になりやすい点です。
高校や大学からなど日本語力がしっかり身についたタイミングでの留学あれば、日本語が「母語」「思考言語」として定着し、ブレることはあまりありません。
しかし、長男はただでさえ日本語の獲得が遅れているのに、さらに遅れてしまえば、細かなニュアンスの説明やら悩みごとの相談やらが日本語でしっかりできなくなる恐れがあります。
実際、アメリカ在住の私の知人の娘さんで、日本語ではうまく親に相談できず、一方で親はそこまで複雑な英語表現を理解できないので困っているという話を聞いたことがあります。また、英語と日本語が混じった会話になることもよくあるそうです。
小さな子どもはすぐに現地の言語を習得しますが、家庭の中では日本語を貫いていても、友達が英語を話せば英語の方がラクになり、どうしても英語に流れてしまうようです。
長男の場合も日本語より英語の発音の方がスムーズで、たとえば「りんご」よりも「アポー(アップル)」を先に発語したくらいなので、おそらくその懸念は現実になりそうです。
もし日本語ができなければ(言語面では)単なる英米人ですが、英語圏に行けば幼児も老人もホームレスでさえ英語を話すので、英語だけでは何の差別化にもならない。
日本語ができてこそ第二言語が生きるわけで、バイリンガルであることに意味がある……とかつてはそう考えていたのですが、最近はそれも少し変わりました。
人生は想定外が当たり前。代替プランが身を助ける
それらは結局私のエゴに過ぎないと。言語に関係なく、本人の自己肯定感を高めることや、何かに没頭できる環境のほうが最優先であると。
なので仮に日本語が不自由だったとしても、英語など他の言語で補うことができ、それで好きなことを見つけて成果を出せるのであれば、本人にとってはそのほうがいいかなと思っています。
という感じで、つねに複数のコンティンジェンシープラン(代替プラン)を持ち、その選択肢すらアップデートを続け、とりあえずやってみて子どもに合っていないと思えば変える。
こういう柔軟さを持って、子どもの教育プランを考えていきたいと思っています。
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『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』(2021年4月12日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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