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ガセネタだった「Amazonビットコイン決済導入」が本当になる条件は?値動きの荒さが障壁=高梨彰

年率10%台くらいの値動きになって初めて、現実的な受け入れ検討が可能か

言い換えれば、ビットコインの値動きが今の10分の1程度にまで落ち着けば、決済通貨としての実現可能性も高まるとも。

仮に今の状態でビットコインを決済に使おうとすれば、Amazon(販売者側)はビットコインのレートをかなり高くするはずです。

直近、1ビットコインは約400万円ですけど、400万円の宝石をAmazonで売ったとして、1ビットコインでは売らないはず。例えば2ビットコイン(800万円)などの値付けをするはずです。

もし、400万円の宝石を1ビットコインで売ったら、その後ビットコインが「普段の値動き」で瞬間的に10%下落した場合、400万円の宝石を360万円で売ったことと同じになってしまいます。

一瞬で10%損失のリスクを冒してまで、市場レート通りに宝石を売る必要はありません。これはどんな商品・サービスでも一緒です。

ただ、世の中で普及している通貨のほぼすべてが日々変動しています。ざっと年間10%くらいの動きは、ドル円だって受け入れています。1ドル100円だったものが、1年後に1ドル110円になっても「あー、そんくらい動いたねぇ」で終わりです。

相場の材料としてはともかく、現実にビットコインが決済通貨として受け入れられるには、少なくとも値動きが年率10%台程度まで落ち着く必要があります。

加えて、そもそもビットコインを通貨として各国・各中央銀行が受け入れるのかどうかという、根本的な問題もあります。

案外、噂が噂を呼ぶだけという現状の方が、ビットコインにとって幸せなことなのかもしれません。皆が特別な存在として相手にしてくれますし。

今回のまとめ

・Amazonが決済通貨として受け入れるのではとの思惑からビットコイン一時急騰
・程なく否定され値を戻すも、相変わらず様々な材料に派手な値動きを示す
・年率10%台くらいの値動きになって初めて、現実的な受け入れ検討が可能では

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image by:K.unshu / Shutterstock.com
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徒然なる古今東西』(2021年7月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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