ゲリラ豪雨に、巨大台風に、大地震。多くの日本人はあまり意識していないが、多発する巨大災害は「地方を殺す」可能性がある。財源不足や少子高齢化による人口減が加速している地方で大災害が起きたら、復旧されるよりも見捨てられる地区がどんどん増えていく。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。
豪雨や台風や地震があれば、禿げ山が大きく崩れていく
日本では静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流で凄まじい被害に見舞われている。大量の土砂が家屋を飲み込み、押し流し、行方不明者も数十人がいまだに発見されていない。
この土石流の要因は「盛り土」にあると言われているが、この盛り土のすぐ側にはメガソーラーが設置されている。
今の日本はあちこちの山の木を伐採して禿げ山にして太陽光発電を設置しており、それが壮大な面積を占める「メガソーラー」となっているのだが、日本人なら誰もが知っているように、山の木を伐採したら山に保水能力が喪失して山崩れ、土石流被害が起きやすくなる。
今後、異常気象はますます激甚化していくというのは分かりきっているのに、わざわざ山を切り崩して環境破壊して太陽光発電を設置するのは、「金のことしか考えていない」と言っても過言ではない。
こうした太陽光発電を促進したのが2009年から2012年まで日本を悪夢のどん底に突き落としていた民主党政権なのだが、自民党もこれを放置していたのだから共犯と言っても差し支えない。
政治の無策が日本の国土を脆弱化させている。
いずれにしても、すでに日本のあちこちで木が広範囲に渡って伐採され、山が削られ、メガソーラーが設置されているわけで、今後も豪雨や台風や地震があれば山が大きく崩れて麓にいる人々に被害をもたらすことになる。
自然を破壊すれば、自然に復讐される。目の前で起きているのはそういうことだ。
異常気象が年々ひどくなって、日本の環境を破壊していく
異常気象が年々ひどくなっているというのは、今に始まったことではない。そして災害が巨大化・凶悪化しているのも今に始まったことではない。
今、カナダでは異常熱波が襲いかかっていて、場所によると49.6度を観測している。通常は25度くらいの場所がその2倍の50度近くなのだから、まさに「異常気象」と言っても過言ではない。
しかし、もう世界中であらゆる異常気象、巨大災害が続発しても、もう誰も驚かない情勢である。それもそうだ。異常気象が常態化してしまっているので、珍しくなくなったのである。
たとえば、日本はすでに熱帯化している。
最高気温が35度以上は「猛暑日」と呼ぶのだが、最近は35度どころか、40度を超えるような日がいくらでも観測されるようになった。時には「東南アジアよりも暑い」と言われる日すらもある。
熱帯と言えばスコールだが、猛暑日が続発する今の日本を悩ましているのが「ゲリラ豪雨」だ。ゲリラ豪雨が発生すること自体が、日本が熱帯化していることを意味している。
しかし、日本には季節がある。灼熱の夏が終わると、秋が来て冬が訪れる。では冬は暖かいのかと言えば、それがまるっきり逆で過去に経験したことのないような厳寒になる。今まで想定もしていなかった豪雪で身動きが取れなくなる。
なぜ、こんなことになっているのか。
以前から言われているのが「地球温暖化」なのだが、その理由は人間の自然破壊なのか、それとも自然環境の変化なのかはともかく、「何らかの理由」で海面温度が上がっているのは間違いない。