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日本円の価値は半減する?黒田日銀総裁の「利上げ放棄」任期満了待ち作戦で“トルコリラ”の二の舞も=今市太郎

原材料や運賃の値上がりなど、日本でもインフレが始まっています。それでも黒田日銀総裁にはそうは見えていない様子で、利上げ議論を完全否定しました。日銀はこの状況でも金融緩和を続けるのでしょうか。そうなると日本も現在のトルコのような絶望的な状況に追い込まれる可能性があります。すなわち、円の価値の崩落です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年1月21日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。

「2%物価目標」は達成されない?

先週末、ロイターが日銀の利上げ議論観測記事を出してから、海外の投機筋が驚くほどそれに乗ってドル円を売りあがる状況となりました。

そのため、先日の日銀政策決定会合で黒田総裁は利上げ議論を完全否定。ドル円が上昇し、外国人ショーターはことごとく焼き消されるという、かなり悲惨な相場展開となりました。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

黒田総裁は、現状では例の「2%物価目標」が即達成される見込みはまったくないことを強調していますが、岸田首相は、政府と日本銀行の共同声明について衆院本会議で問われ、「日銀には2%物価目標の実現に向けて努力することを期待している」などと能天気な発言を繰り出しています。

FXでトレードして利益を出す分には、ドル円が上昇しても下落しても、それについていけば応分の利益が出るわけですから、本邦にインフレが来ようがスタグフレーションが来ようが、トレードには支障ありません。

しかし、本来インフレファイターとして機能すべき日銀が、金融抑圧と財政ファイナンスという裏ミッションをコンプリートするためだけにインフレ状況を一切視野に入れないというのも、相当に問題な中央銀行の姿勢に見えてくるところです。

昨年末のトルコ中銀の破滅的政策決定を反面教師とすべきだが…

昨年、我々は為替市場でトルコ中銀の利下げ政策決定から、自国通貨であるトルコリラの価値がいきなり半減するという、前代未聞の事態に直面することとなりました。

これはトルコ中銀というよりは、その背後にいるエルドアン大統領の強い思し召しから起きたもので、年率36%という凄まじい物価上昇の最中に政策金利を逆に下げれば、いったいどういう事態が国を襲うのかということを、はからずも目の当たりにすることとなってしまったわけです。

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トルコリラはものの半日もしないうちに、とうとう対ドル、対円で半減するという猛烈な価値の下落に陥り、株式市場からも債券市場からも、多くの資金が安全資産へ逃避する場面に出くわしました。

Next: 任期満了で黒田さんは逃げ切りか。残された日本はひどい目に…

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