レバレッジをかければ「予期せぬ出来事」で破綻する
「株価が均衡価格に収斂する」という仮説が破綻し、市場価格が異常な価格を付けたとする。しかし、本来はそれで破綻することはない。
なぜなら、仮に市場価格が自分の読みと逆に動いて99%も値を吹き飛ばしたとしても、企業や債券に実体が残っているのであれば、いずれは「均衡価格に収斂する」という動きが機能する可能性があるからだ。
見込み違いでパフォーマンスは下がって屈辱にまみれるかもしれないが、売り飛ばさない限りは破綻とならない。
しかし、見込みが外れて破綻することもある。それが「レバレッジ」だ。
LTCMは債券に投資しており、小さな値動きを増幅させるために過度のレバレッジをかけていた。そのため、アジア通貨危機やロシアの債務不履行が起きた時、信用が枯渇してどうにもならなくなった。
想定以上の損失に対しては証拠金の積み増しが必要だが、規模が大きくなればなるほどキャッシュが用意できない。ファンドの損失が拡大すると顧客は我先に資金を引き揚げて逃げ出すので、なおさらだ。
結局、これによってLTCMは資金を吹き飛ばして消えていくことになる。どんなに資金が巨額になっても、過大なレバレッジをかけていればそれが致命傷になるという一例がLTCMの誕生と破綻の中に見ることができる。
ノーベル経済学賞を受賞した頭脳ですらも、あるいは全世界から注目されたヘッジファンドですらも、過大なレバレッジで運用していたら「予期せぬ出来事」によって破綻から逃れられなかった。
キャシー・ウッドの運命はどうなるのか、世界中が見ている
つい2年前までは「天才投資家」と持てはやされていたキャシー・ウッドも苦しいことになっている。いまや正念場に立たされていると言っても過言ではない。
超一流の頭脳と巨額資金でも判断を間違うと、相場の前には無残に散っていくのが投資の世界なのだ。キャシー・ウッドの運命がどうなるのか、いま世界中の投資家の目が注がれている。
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本記事は鈴木傾城氏のブログ「ダークネス」からの提供記事です。
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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