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FIREを夢見るレバナス民が虫の息。最低限の資産「6250万円」に届かぬ若者たちがレバレッジをかけて人生滑落=鈴木傾城

「さっさと資金を作って、この資本主義から悠々とリタイアしたい」

FX(外国為替証拠金取引)はエキサイトな市場だったが、相場を当てるのは非常に難しく、億を稼げる人よりもロスカットされて退場する人間が続出した。

こうしたことから、次第に「これはただのギャンブルではないのか?」と警戒されるようになってアーリーリタイアを目指す若者たちは二の足を踏むようになった。手っ取り早いかもしれないが、資金が吹き飛んだらFIREどころか無一文だ。

次にアーリーリタイアを目指す若者たちが飛びついたのは、ビットコインを始めとした仮想通貨である。仮想通貨は「新しい通貨だ」と喧伝され、新しいものに敏感に反応する若者たちのシンボルと化した。

そして、仮想通貨熱がパンデミックのように広がるにつれてそれぞれの仮想通貨の価格も暴騰するようになり、若者たちが「アーリーリタイアを実現するためのステージ」として仮想通貨に願いを託すようになった。

しかし、2017年12月に仮想通貨バブルは崩壊した。そして、アーリーリタイアを目指していた多くの若者が夢破れて去っていった。

現実は甘くなかったのだ。FX(外国為替証拠金取引)も仮想通貨も手っ取り早くFIREを実現させてくれるどころか、逆にすっからかんにされる世界だったのだ。仮想通貨市場は今も乱高下を繰り返しているのだが、もう2017年頃の熱気はない。

断っておくが、FXで億を作った人もいれば仮想通貨で億を作った人もいる。

だからこそ、「次に続け」と多くの若者たちがなだれ込んだのだ。しかし、投機の世界ではごく一部の勝者が目立っても、その裏には死屍累々の光景が広がっている。

しかし、アーリーリタイアは「FIRE」という言葉に置き換えられて、さらにブームになった。この現象を見ても分かる通り、人々の「さっさと資金を作って、この狂った資本主義から悠々とリタイアしたい」という思いは消えなかったのだ。

むしろ、彼らの渇望になっているようにも見える。

Next: レバナス民の誕生。一刻も早く資産を作ってリタイアしたいという焦り

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