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将来はもっと円安になる。「円資産だけ」は自殺行為、日本の国力衰退を反映して円の価値は損なわれていく=鈴木傾城

10年や20年先に、どちらの国が経済成長しているのか?

しかし、私は超長期では間違いなく円安ドル高に向かうだろうと10年以上も前から一貫して思っており、この意見は今も変わっていない。民主党政権時代にはどんどん円高になった時でも、私は「長期的には円安ドル高」という立場を崩さなかった。

だから、この時期に私はほとんどの資産をドル資産に転換したのだ。

なぜ私は「長期的には円安ドル高」という立場だったのか?それは通貨の価値は最終的には「国力」によって定められるという現実があるからだ。日本とアメリカという二ヵ国を比較してみる。

10年や20年先に、どちらの国が経済成長しているのか?

日本の政治の不甲斐なさを見ていると、1ドルも円に戻したくない

私は10年20年先を考えると、「どう考えてもアメリカの方が経済成長しており、国力もアメリカの方が上であり続けるだろう」と考えた。実際、そのように推移した。

1980年代は多くの日本企業が時価総額ランキング上位に日本企業が山ほど食い込んでいたのだが、今では上位30位を見ても日本企業はどこにもない。2022年の世界時価総額ランキングを見ると、上位30位のうち20社はアメリカ企業である。

日本企業はゼロだ。かろうじてトヨタ自動車が31位なのだが、上位50位を見てもトヨタ自動車「しか」入っていないのである。かつてに比べて日本企業の存在感は完全に喪失している。

日本は少子高齢化で苦しんでいる国で、すでに人口減も起きている。企業は活力を喪失してイノベーションも生み出せなくなってきている。その上に、政府は税金を取りまくり、社会保障費の増大も深刻化している。国民は疲弊している。

今のまま、まったく手が打ていないのであれば、日本の国際的影響力は喪失していく一方である。つまり、国力は衰えていく一方である。そうであれば、円はいずれは国力を反映して安くなっていくのは避けられない。

Next: さらなる円安へ。日本の経済力が戻らなければ衰退していく一方

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