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日本の首相「7割が世襲」の異常。政治を“家業”にして特権を独占する世襲議員の闇=神樹兵輔

国会議員は高額報酬以外にも高待遇がてんこ盛り

国会議員になると、オイシイ特典がまだまだあります。

国会議事堂傍の議員会館の家賃、電話代、水道光熱費はタダですし、地方選出国会議員なら赤坂にある議員宿舎(82平方メートル・3LDK)などは、相場の2割程度の家賃(12万6,000円)で住めます。

海外視察旅行代もタダ、JR全線のグリーン車乗り放題パスや、私鉄の無料乗車パスも支給され、地元選挙区との航空券の往復チケットも月に4回分タダで支給されます。旧名称の「文書通信交通滞在費」との重複もよいところでした。

さらに、公設秘書も3名雇え(第1秘書、第2秘書、政策秘書)、その給与の年間合計2,400万円から、強制的に議員の政治資金管理団体への寄付までさせている議員もいるので、国会議員はまさしく銭ゲバ状態なのです。身内や親戚を秘書にするケースも少なくありません。

人口が日本の2.6倍の米国の上下両院議員の総数は535議席ですが、議員個人に入る年間報酬額は、17万4千ドルだけです(1ドル110円換算だと1,914万円、1ドル136円換算だと2,366万円)。

ただし、立法経費を上院議員で約2億円分、下院議員で約1億円分まで計上してスタッフを雇ったりできますが、透明性は日本の比でなく高いため、議員個人のポケットに入れられる性格の金銭ではありません。

米国と比べ、日本の国会議員が、いかに曖昧で莫大な報酬をフトコロに入れているかがわかります。

それにしても、米国と比べて710名もいる日本の国会議員は多すぎでしょう。せめて半分の350名ぐらいにすべきです。

そうでないために、世襲やタレントでの「政党の員数合わせ」が幅を利かすのです。

こうした日本の国会議員の報酬額や数々の特権は、多数派の政権与党がお手盛りで法案を通過させ、成立させてきたからこそのオイシイお宝だったのです。

一族の特権を守るのが世襲政治家の第一義

選挙の時だけ、実現できない空疎な公約や耳触りのよいスローガンを並べるだけです。

ましてや、世襲議員は「家業」として国会議員を代々続けてきたのですから、一族で蓄積してきた資金力も盤石です。

「一族の特権」を守ることが第一義となるわけですから、シモジモの国民の声に対しても、聞く耳をもたないのは当然なのです。

エビで鯛を釣りたい大企業は、与党に政治献金を流し込み、大企業優先の規制緩和や、税金減額、補助金などを付与してもらう構図です。与党は、大企業対象に優先的に税金を大量にばら撒いてやるだけでよいわけです。

「GOTOキャンペーン」もそうでした。

自民党の幹部は、全国旅行業協会会長として、年間数百万円の政治献金を貰っただけで、たちまち1兆7千億円分の「GOTO予算」を組みました。

合法ワイロの政治献金の制度が許されているために、庶民の声は届かずに、大企業優遇政策が続けられ、肝心の国政は、米国の言いなりに従っていればよい、といったことにもなるわけです。

ちなみに米国で銃規制がすすまないのも、全米ライフル協会が政治献金を上下両院議員にバラ撒いているからです(銃の所持自体は米国憲法が保証)。

日本国民もシラケるいっぽうでなく、みんなが投票に行き、束になってガツーンと政治に風穴を開けてやる必要があるでしょう。

投票率が高くなるほど、政治の緊張度も高まります。

前回の参院選の投票率48.8%のような低投票率では、自公政権が喜ぶだけで、格差は広がり、消費税率も上がるいっぽうの未来となるでしょう。投票率が9割程度になれば、政治も変わるはずです。

いずれにしろ、世襲議員がこれほど跋扈できるのも、蓄積した資金力が潤沢だからですが、こんな代々の利権を継承することを目的化した議員を輩出していると、真に能力のある人が立候補しなくなります。世襲候補でないと、当選しにくいからです。

優秀な人材が政治を担わないと、日本の衰退と混迷は一層深まるばかりでしょう。

ますます国民の声を政治に反映できなくなるからです。

特権に胡坐(あぐら)をかき、利権口利きに走るばかりの世襲議員は国会から追放するのが、国民主権の回復につながるはずなのです。

選挙の時には、真剣に考えてから、貴重な一票を必ず投じたいと思います。

それでは、長くなりましたので今回はこのへんで。

次回は「悪名高き外国人技能実習制度は直ちに廃止すべき!」というテーマについて、鋭くえぐっていきたいと思います。

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  • 世襲議員が日本を滅ぼす!(7/4)

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※本記事は、神樹兵輔氏のルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2022年7月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読

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image by:maruco / Shutterstock.com
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神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』(2022年7月4日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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1990年のバブル崩壊から続く「失われた30年」を経て、ニッポン国の衰退ぶりは鮮明です。デフレ下でGDPは伸びず、賃金は上がらず、少子高齢化で人口は減り、貧富の格差も広がりました。いったいどうしてこんなことになったのでしょう。政治、経済、社会、マネーや投資に瑕疵があったのは否めません。本メルマガは、そうした諸分野に潜む「闇」を炙り出しグイグイえぐっていこうとするものです。

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