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日本の首相「7割が世襲」の異常。政治を“家業”にして特権を独占する世襲議員の闇=神樹兵輔

国会議員の報酬は異常にオイシイ

では、国会議員の報酬のほうはどうなっているのでしょうか。

まとめてドカンと渡すと、あまりにも高額で目立つため、名目だけ複雑にして、分別して支給しています。

給与に相当する「歳費」が月額129万4千円で、年額で1552万8千円。

ゆえにマスコミ報道などでは、これだけを切り取って国会議員としての給与は年間たったの1,500万円程度などと、ヌケヌケと少なめに告げる人が多いゆえんです。

そしてボーナスに相当する「期末手当」が年間635万円。

ここまでの合計報酬だけでも2,187万円ですが、報酬はまだまだ別名目で支給されます。

「調査研究広報滞在費(旧名称は文書通信交通滞在費)」が月額100万円で年間1,200万円ですが、これは無税で使途の明細報告も不要です。

昨年10月31日の衆議院議員選挙では、1日だけ議員在籍でも月額分の100万円が支給されたので物議を醸しました。

手取りで年間1,200万円が受給できるというのは、サラリーマンの場合なら、年収2,200万円での税率40%が課されての手取り額と同等なのです。

日本の所得税は累進課税ゆえに、高額報酬であるほど税率が高くなります。無税で月額100万円とは、ものすごくオイシイ報酬なのです。

そして、法律など作らなくても、会派経由で入る「立法事務費」が年間780万円あります。

さらに国民一人あたり250円の税金徴収から年間320億円弱の「政党交付金」が、議員一人当たり年間4,400万円分も政党に配られるため、議員個人に対しても最低でも1,000万円ぐらいの「分け前」がもらえます。最低でもです。

ちなみに日本共産党は、支援していない政党にまで、税金を配るのは憲法19条の「思想・良心の自由」を踏みにじり、憲法21条の「結社の自由」を侵害しているとして、一貫して受け取りを拒否し、政党交付金の廃止を求めています。

この点についてはなかなか筋の通った、もっともな主張といえるのですが、共産党に配分される分の交付金が他の政党に分配されているという「矛盾」は残念なのです。

さて、ここまでの国会議員の報酬額を合計すると、年間で約5,000万円超に及びます。

2021年時点での東証一、二部上場企業の社内取締役の平均報酬額3,630万円を軽く凌駕しています。

参議院議員なら解散もなく、6年間の任期ですから、1期務めるだけで3億円が転がり込みます。みんな国民の税金です。

政治資金という名の「合法ワイロ」

この他にも口利きや利権にまつわる合法ワイロと呼ばれる「政治献金」が団体や個人から、議員が管理する政治資金管理団体に入ってきます。

ちなみに2019年の自民党の本部収入は約245億円で、うち政党交付金が72%、企業・団体からの政治献金が10%を占めています。

政党交付金の導入時(1994年)に企業・団体献金を廃止するはずだったにも関わらず、いまだに大企業などからの政治献金‘(団体献金)は廃止されておらず、団体献金枠を超えた金額を個人献金に偽装するなど、政治家が表向きの公約とは裏腹の歪んだ大企業優遇政策が行われるゆえんともなっているのです。

また、ホテルの大宴会場で開く「政治資金パーティ」でもシコタマ稼げます。

議員になるとこんなにオイシイのですから、自分が勝ち取った議席は、能力や適性があろうがなかろうが、是が非でも自分の子息に世襲させたくなるわけです。

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