ロジャーズ氏「日本の不動産もバブルになりかけている」
80年後半~90年代初頭の日本のバブル景気を経験したことがある人にとっては完全なバブルは分かりやすいのかもしれません。ロジャーズ氏は日本の不動産もバブルになりかけているように見えると言います。
「ウクライナ以降は少し値を下げているが、テンセントやアマゾンなど連日上昇を続ける銘柄もバブル末期の典型だ。しかし、これはまだ完璧なバブルではない。なぜなら、すべての株が急騰しているわけではないからだ。バブルの最後にはすべての株が上がる。
そして、歯医者に行けば受付担当が株について話をしてくるし、タクシーに乗れば運転手が得意げに株で儲けた話をしてくる。もし、あなたの周りでそれが起きたら私に教えてほしい。これが、バブルの終わりを告げるサインだ。」
しかし、最近は女性誌でも投資や仮想通貨を取り上げたりするので、もうバブルの末期の状況まで進んでいるのかもしれません。
「また、ウクライナの状況が、予想を超えた新たなステージへ移行したり、次のパンデミックが始まれば、市場は再びパニックになる。さらには、誰もが知っているような世界的企業が倒産すれば、やはりパニックが引き起こされるだろう。
個人的には中国企業の倒産に注目しているが、こういったニュースが投資家を怖がらせ、怯えた投資家は「売り」にまわることになる。」
現在は非常に危うい綱渡りの状況で低格付けの企業や新興国の企業が震源地となって世界的な連鎖になる可能性もあります。
スリランカが破産宣言をしましたが、インフレは新興国・途上国、貧困層の経済を直撃します。
しかし、リーマン・ショックと違って、先進国の金融機関と家計が健全なためにすぐに大きなショックにはならずに小幅なリセッションに陥るリスクのほうが高いのかもしれません。
ウクライナ情勢が安定すれば「Blowoff Rally(急上昇相場)」が起こる
しかし、投資をしている人にとって、極端に怯え過ぎるのではなく、チャンスを伺うことも重要です。
「ただ、相場はそう単純なものではなく、不安の中にあっても再度、上昇する機会をうかがっている。たとえば、ウクライナ情勢が早期に安定化するなどのサプライズが起これば、相場は上昇に向かうだろう。
その際の上昇相場は「Blowoff Rally(ブロウオフ・ラリー)」と言われる急激な上昇になるかもしれない。Blowoff Rallyとは、まさに突風に吹き上げられるように株価が急上昇することで、ここをラストチャンスと見た投資家はいっせいに買いに走る可能性がある。」
現在、米連邦準備制度理事会(FRB)が段階的な利上げを行っており、株式市場が不安定に推移しています。
しかし、その中でもこの急上昇相場を狙っている投資家も多く、大きく下げた後に大きく上げるのを繰り返しになっています。
この大きな下げに耐えられなくなって、ポジションを売ってしまう投資家もいます。
リーマン・ショックの際にも日経平均株価が7000円の時に売ってしまう人もいました。後から振り返ると、本当はその時に買うべきだったのです。
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