先行指標も雇用の堅調さを示す
新規失業保険申請件数の増加は気掛かりですが、ISM(全米供給管理協会)の発表している雇用指数は持ち直しの動きが見られます。最近はハイテク企業を中心に雇用計画の凍結やレイオフ(一時解雇)の動きが見られますが、その一方でサービス業などでは新たな採用が非常に困難との企業コメントも見られ、求人件数は依然として非常に多い状況です。
したがって、バブル状態だったハイテク企業の採用ブームは一巡したものの、トータルで見れば雇用市場は依然として堅調ということが言えると思われます。
新規失業保険申請件数の悪化や、ハイテク企業のレイオフを理由に雇用統計の悪化を懸念する声は根強いですが、そういった意味ではハードルも低く、また、予想並の数字は出やすいのではないかと考えています。
強ければ一段高だがレンジブレイクは難しそう?
よっぽど予想値から乖離した数字が出ない限り、レンジブレイクは難しそうですね。
ハードルはそれほど高くないので、基本的に下がれば押し目・ロングを狙う堅調な値動きは想定したいところです。やはり円の先高感はあまりないですし、ユーロも買えないですからね。
非農業部門雇用者数は+20万人以上(予想+25.0万人)であれば、ほぼ完全にコロナで失った雇用を取り戻せますし、雇用市場としては十分強いですからね。まずはこの数字を超えれば、132円台を割り込まない限りずっと押し目でしょう。
レンジを下抜け、130円台を割り込むためには、やはり雇用者数がマイナス圏に落ち込まない限りなかなか想定しにくいのかなと思います。