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東南アジアにも爆買いされる“安い日本”不動産。国家の地盤沈下に国民が取るべき資産防衛法=田中徹郎

中国人に日本の土地が買い占められているという報道はこれまでもありましたが、今や日本の凋落はさらに顕著となり、東南アジアの人々からも不動産を爆買いされてしまう始末です。地盤沈下する国家に付き合っていたら国民も困窮化するだけです。自分の資産は自分で守りましょう。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

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プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

欧、豪、東南アジアからも爆買いされる日本の不動産

先日、NHKで放送された「クローズアップ現代/バーゲン・ジャパン 世界に買われる“安い日本”(1)不動産」を見て、僕は暗い気持ちになりました。

以前は中国人が中心だった外国人による日本の不動産投資が、フィリピンやマレーシア、スリランカなど、東南アジア全体に広まりつつあるというのです。

何でも日本は安全、便利で食べ物もおいしいだけでなく、すでに香港やシンガポールなどに比べても不動産の価格は随分と安く、最近ではそれに円安が加わり、賃貸を目的に買うにせよ、転売を目的に買うにせよ、どう考えても損をする可能性はほとんどない。こんな考えで彼らは日本の不動産を買っているのだそうです。

そういえばユダヤ系イギリス人の友達が、コロナ前に白馬の不動産を買っていました。

その人は相場を読むのに敏感で、勝ち目のない投資をしない人です。

番組の中でもスイミングスクールを経営しているイギリス人女性が登場し、すでに北海道に持っている2件の不動産に加え、東京で1.7~2.5億円ほどのマンションを買いたいと、不動産屋さんを訪ねていました、そしてその不動産屋さんは香港人の経営です。

外国人による日本不動産の爆買いは今に始まったことではありませんが、一時の中国人独占という状況から、最近は東南アジア、ヨーロッパからオーストラリアまで広がっているようです。

外国人に買い占められる前に国の規制が必要

思い出すのはバブルのころで、当時アメリカの魂といわれたロックフェラーセンターを日本の会社が買って大騒ぎになりました。

ちょうどあのあたりからアメリカの反撃が始まって、今では日米の立ち位置はすっかりと入れ替わってしまいました。

では今後どうなるのでしょうか。

日本経済が再点火し、アメリカやアジアと並んで拡大してゆくのでしょうか。どう考えてもそう思えません。

東南アジアがさらに経済的に成長しながらも、格差拡大がますます進み、この地域に多くの富裕層が生まれるのは間違いないと思います。

そして、日本とアジアの経済力の差はますます縮まり、日本人が大切に育んできた不動産や都市の景観、温泉旅館、スキー場、ビーチリゾートなど、営利目的で外国人に買われてゆくのは避けられないと思います。

僕は決して外国人排斥者ではありません、かつて日本人もずいぶんと海外の不動産を買ってきましたし、そのようにして吸収した文化が、いまの私たちに良い影響を与えている面もあるはずです。

それでも正直な心情を申し上げると決して愉快ではありません。

政府もそこはよく考えて、外国人による安易な不動産購入に、法的な規制をかけてもらいたいものです。

すでに多くの外国が規制を導入しているように。

Next: アジアの人が好む資産の先回り買いで、国の地盤沈下に対抗を

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