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貧乏な男は淘汰されるのか?動物行動学者・竹内久美子さんに聞く、少子高齢化で絶滅へ向かう日本人の未来=鈴木傾城

国がおかしな方向に走らないためには何が必要なのか?

鈴木:日本が今と違う国になってしまうのであれば、良い方向に変わって欲しいと思います。そう言えば先生の『女はよい匂いのする男を選ぶ!なぜ』では、最終章に国がおかしな方向に走らないためには「長い時を経て熟成された伝統や文化という『集合知』こそ重視すべきだ」というエドマンド・バークの主張を引用されておられるのが印象的でした。

竹内:そういう意味では子ども一人育てるのにいくらお金がかかるかなどと考えずに繁殖する人々というのは、伝統主義とは相性の良い人たちではないかと思います。

下手に〝教養〟がある人というのは伝統や昔ながらのやり方を軽視する傾向があるのではないでしょうか。その場合の教養とは書物やメディアを通して得られるような教養です。しかもそういうものは偏向しているとか意図的であるとか、何か本質からはずれていることも多いと思います。

鈴木:なるほど、最近はマニュアル的な、ノウハウ的な、何となく底の浅い〝教養〟が蔓延していますね。

竹内:それに対し、特に勉強するわけでもなく、自然に存在し、子どものころから自然と身についてくるような教養や伝統や文化こそが本物の集合知だと思います。

集合知というのは無名の大勢の人々が知恵を出し合い、ああでもない、こうでもないと長い年月をかけて検討し、築き上げてきた実用的な知恵や真実のようなことです。

たとえば戦後教育で施された自虐史観に染められ、日本は悪い国、日本人は謝らなければならないなんて本気で思っているのは、学校でお勉強ができて、人格も立派な人に多い気がします。

鈴木:そうですね。戦後の学校教育は日本の伝統・文化・歴史を否定するような思想がことさら散りばめられていて、教科書自体が危険なものになっておりますよね。教科書自体が歪んでおりますから、そんな教科書をしっかり覚えた秀才ほど歪んだ思想に染まってしまいますね。

竹内:その点、学校の勉強などつまらないからしない、実世界でもまれていくというタイプはそのようなまやかしに影響されません。私はいわゆるヤンキーと言われる人たちに期待しているんです。

鈴木:ヤンキーですか!昔の言葉で言うところの不良少年ですよね。

竹内:そうです。不良というけれど実際には優良なのです。本当の意味で頭がいい。しかも女にモテる。男がよく言う「あいつ、すげー不良だぜ」という男は頭もよくて女にもモテるタイプです。嫉妬心からそう言ってしまうのでしょう。

不良は私の周りには少ないので「ええっ」と言われますが、学歴や肩書に頼ることのない彼らこそ人間の原型であるし、日本を救う原動力になりうる人々だと思っています。

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