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トヨタにとって日野自動車は用済み?除名処分は「いすゞ・日野」経営統合への布石か=栫井駿介

いすゞと日野が経営統合!?

そこで、いすゞと日野を経営統合。合併させてしまうのが得策なんではないかということが考えられます。

これは経営戦略的に見ても非常に重要で、例えば日本国内だけを見ていても、もはや両者の成長はないわけです。

一方で、国内で盤石の基盤を築いて、いすゞと日野が一緒になれば、トヨタグループとして一緒になって、研究開発とか海外戦略を練って、成長著しい東南アジアなどの海外でも力を発揮することができるのではないかと、経営戦略的には考えられるわけです。

今、海外の商用車シェアというのは(例えば東風とか、中国系など)かなり分散しています。やはりその国の中で競争している人口の多いところがシェアをとっているという状況で、実際にはそれ以外の部分に関しては、相当分散していると考えてよいと思います。

この競争の中を勝ち抜いていくため、これから東南アジア等をゼロベースのところで戦っていくには、やはり、日野といすゞで争っている場合ではないということが言えるわけです。

ということから、トヨタがこの両者をくっつけて、「世界へ出ていきましょう」「なんなら日本連合として世界に出ていきましょう」というのが、これからのトラック業界・商用車業界の動きとして想定されるんではないか。

そういうことをいま私は考えています。もしこれがうまくいくなら、いすゞは結構有望じゃないかと思います。

現時点においても結構高い利益率をとっていますし、国内で少なくとも日野との競争がなくなるということであれば、競争を優位に進めることができるでしょう。

今目先、漁夫の利を得ているっていうところもあるんですが、長期的に見ても、そういった状況が考えられますし、もちろん日野を統合するということであれば、日野の今の膿を出し切らないといけないという問題はあります。

けれども、共同環境上は優位になるだろうと。

日本より広い世界のマーケットに出て、力を発揮することができれば、伸びる可能性を十分に有しているんではないかと考えます。

海外もいろいろ考えてやっているわけですから、その確実性は高いとは言えないんですが、見る観点としては面白いんじゃないかと思います。

これからこれらの会社が着実に成長していくということを期待したいというところであります。

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image by:Walter Eric Sy / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2022年09月01日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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