<日野自動車の売上高/営業利益>

日野自動車<7205> 業績(SBI証券提供)
例えばこちら日野の業績なんですが、最近では営業利益が2014年3月期をピークに右肩下がりとなっています。
<いすゞ自動車の売上高/営業利益>

いすゞ自動車<7202> 業績(SBI証券提供)
いすゞは一方で、同じ時期に合わせたときに、2014年の利益を上回って、今期最高益を見込む状況になっています。
なぜ、これほど差が開いてしまったのでしょうか?
直接的な原因は、正直まだ探り切れていません。というのも、元々国内のトップ2の会社であって、作っている商品に関しても、そこまで差はないと思うのです。実際にユーザーの評判とか見ても、それほど差があるという話はありませんでした。
しいて言うなら大きな違いと言えば「日野はトヨタの子会社である」というところにあるのではないかと思います。
今回の動きと非常に関連してくるのですが、実は日野はトヨタグループにある意味守られているというところがあります。トヨタとしても、商用車が欲しい(トヨタにはおそらく作れません)、両者の思惑が一致して、あまり強く言うことができなかったんではないかと思います。
一方いすゞとしては、トヨタに実はランドクルーザーなど大型車を受注生産を行っていたりしていました。そういった関係がある中で、もしかしたら、ぬるま湯に浸かっていた部分があるのではないかと考えられるわけです。
すなわち「トヨタがいるから大丈夫」ということです。
いすゞと日野、広がる利益率
<日野自動車の利益率>

日野自動車<7205> 利益率(SBI証券提供)
その結果何が起きたのかというと、利益率の差が広がってしまいました。日野の(直近の)利益率を見ますと、高いところで6%。直近では3%前後で、かなり低迷しています。
<いすゞ自動車の利益率>

いすゞ自動車<7202> 利益率(SBI証券提供)
一方でいすゞに関してこの利益率を見ますと、7%~8%という高水準維持しているのです。これだけ利益率が高いということは、財務に余力がある、その分野の研究開発とか、製造に力を向けることができるということです。
利益率の違いというのが、やがて両者の力の差ということになって表れてきます。そういった背景が見てとれるわけです。