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9.22相場介入は円安時代の幕開けを告げる歴史的記念日となるか?円高時代の起点となったプラザ合意と同月同日という出来すぎたシナリオ=山崎和邦

37年前の同月同日とは逆方向への相場操縦した意味

アメリカが1980年後半に日本を追尾国と見なして、追い越される恐怖を感じたので、日本叩きを画策した。その中で最も効いたものは、1985年9月22日のプラザホテルでの「円高誘導への悪巧み」である。人の良かった日本はみすみすそれに乗っかって、日本経済喪失時代を自ら作った。

その1985年のプラザ合意と呼ばれた会議が開催されたのは9月22日だった。その37年後の9月22日、財務省が猛烈な相場操縦に入った日である。偶然の一致であろうが、365分の1の確率の一致は、運命の暗示のような気がする。

37年前の9月22日と今年の9月22日のこの出来事は、日本国そのものの大きな転換を象徴した日となるような気がする。37年前の9月22日は日本を衰弱させるための企みの第一歩だった。これがプラザ合意だ。アメリカの計画通りに日本は衰弱した。そしてそれから10年後には、250円の円が79円台になってしまった。日本はたまらずにアメリカの合意を得て、相場操縦に入った。その時の相場操縦は円高の是正であるから「円売りドル買い」であった。今回9月22日の相場操縦は、前の相場操縦とは逆で、急激に安くなった円の下落を抑止しようという「円カイ・ドル売り」になった。

逆方向の相場操縦が作動した。これは37年前の日本の趨勢と現在が逆方向に向かっているということの端的な表れである。37年前は興隆期の日本であり、世界覇権国のアメリカが日本を追尾国として恐れていた。半導体のシェアは世界の50%を占め、対外資産は日本が一番多く、国土の地価はアメリカ全土の4倍もあって、東京の時価総額はNYとロンドンを合わせたよりも大きかった。そういう時代だった。今は見る影もない。

今回の相場操縦は日本の再興期への第1歩となるか

今、37年前の9月22日と同月同日に反対の相場操縦に入ったのは、日本はこれから衰退期を脱して、再興期に入ろうとする第一歩の記念すべき日であったと後日、語り合いたいものだ。

相場操縦の方向が全く逆だから、半導体の世界シェアが当時の10分の1になり、GDPの世界シェアが当時の4分の1となり、博士号が先進国の中で最も少なく、教育レベルは「ゆとり教育」という悪巧みに易々と乗って「手抜き教育」を始めた。手抜き教育と言っても、上位1割ぐらいは何の変化もない。下位1割も変化はないだろう。真ん中の8割の国民がバカになったことになる。その被害を受けた者が現在教師になっている。日本はそれに対しては割合に早く気が付いて是正したが、元通りになるわけではなく、国際競争力は当時の世界で2位だったが、今は22位になってしまった。

今年の9月22日は37年前の相場操縦とは逆の方向に相場操縦した日、全く同じ日付けであるが、これを一つの記念日として、日本も再興に向かう日と考えたい。

Next: 中国、ロシア、北朝鮮への防御壁として強い日本望む米国の思惑

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