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9.22相場介入は円安時代の幕開けを告げる歴史的記念日となるか?円高時代の起点となったプラザ合意と同月同日という出来すぎたシナリオ=山崎和邦

今の円安はアメリカの思う壺

9月に発表された米消費者物価指数(CPI)は一段高となり、NYダウは前日比3.9%安となって、今年最大の下落を示して、9月14日には日経平均は796円安の大幅下落となって、世界の株価に波乱を巻き起こした。

インフレ指標に一喜一憂する月であった。日銀以外の先進国の主要銀行はインフレを抑えるための大幅利上げを継続すると言っている。日銀だけが超低金利であるから、当然に円安はファンダメンタルな面で持続する。ファンダメンタルな面をそのままにして(日銀の超金融緩和政策は維持して)相場操縦だけで(為替市場への円買い介入だけで)円安を防いだとしても、その効果は小さいであろう。

1998年の時は米国の了解を得ての協調介入だった。今回は了解を得ているが、協調介入ではなく単独介入である。

しかし、円安が我が国にとってプラス効果になることは間違いない。インフレ圧力がやわらぐ兆しが見えれば、株は次第に下げ止まる気配を醸し出すであろう。先進国に比べて下げ方が少ない日本株は注目の的である。円安はもちろん、日本がエネルギー源のほぼ全てと食糧の7割が輸入に依存しているために、輸入物価を上昇させるというデメリットがある。だが、その一方で輸出や海外投資などの国際展開によって、日本企業の収益を押し上げる効果などのメリットがより大きい。

究極には、円安が日本経済に利することは計量経済学的に立証できるはずである。6月中に実施した日銀短観によると、日本企業の想定為替レートは1ドル119円に対して、6月以降の実際は1ドル130円を超えるレベルが続き、取り分け9月に入ってからは140円台で推移しているから、日本の対外純資産は過去最高となった。日本の対外資産のみならず、そこから派生する利子や配当などが円換算で大きく増えた。

円安のメリットは日本企業に及びつつあるし、日本にとって有利であることは間違いない。悪い円安論が一時流行ったし、今後も流行るだろうが、究極のところ円安は日本にとっては有利なのだ。

アメリカは中国・ロシア・北朝鮮に対して、日本を最大の盾として、共同戦線の同盟国として頼りになるために日本を強くしたい。円安を維持させたいであろう。一方、強いドルは覇権国家の通貨として親和的である。1980年代後半、日本の爛熟期に野村をはじめとして、市場では「強い国に強い円」論を盛んにぶち上げて、通貨・円と株と債券のトリプル高に有頂天になっていたことが短期間ながらあった。

したがって、今の円安はアメリカの思う壺であろう。

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<山崎和邦の投機の流儀vol.540 10/9号>

第1部:当面の市況
(1)市況コメント
(2)「二日新甫(ふつかしんぽ)は荒れる」か?
(3)先週までは、国内市場は大型株が敬遠されて、中小型株が物色された。
(4)上値は重い
(5)中間反騰と見ていた方が、本筋であろう。
(9)「5月には売って市場から去れ。9月中旬まで戻るな」Sell in May and go away, don’t come back until St Leger day.」
(10)岸田政権にとって深刻なことは、政権党と自民党の支持率が同時に低下したことだ。
(11)岸田内閣短命説─最大の過ちは7月にあった。
(12)正義は手続きと共にある。
(13)市場は、日銀の金融政策を織り込んで動いている。

■ 第2部:中長期の見方
(1)景気後退リスクについて─景気後退確率
(2)過剰引締めに対する恐怖
(3)中国経済の衰退の始まり
(4)「恋愛・贅沢。資本主義」
(5)台湾有事について─軍事介入はバイデン一人で決められる。
(6)FRBのスタンスと、来春以降に来るかもしれない「日銀の態度急変」の恐れ
(7)世界の株式・債権の急落、半期ベースで過去最大の6300兆円消失、世界GDPの半分が消えた。
(8)日米の金利政策
(9)「英国売り」という形で市場が発した警告が、英政府やイングランド銀行に届くのか?
(10)主要国の株式指標を大雑把に言うと、こうなる。
(11)エネルギー中期計画の議論が起きよう。
(13)トルコリラ、過去最安値を更新     
(14)国際ジャーナリスト・嶌信彦氏ニュース

■ 来週号に回す項目
〇景気循環消滅論が登場することがあるから、幻惑されないようにしよう。
〇1990年の三重野康元日銀総裁のオーバーキルは「失われた13年」を作り出し、日本衰退の淵源を作り出した。

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山崎和邦 週報『投機の流儀』』(2022年10月9日号)より一部抜粋
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大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

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