欧州の三重苦
みんなが国際協調介入する可能性ですが、それは何か事件が起きたらということになるのではないかと思います。
その事件となりうる可能性とあるのが、欧州経済の三重苦ではないかと思います。
<通貨安>
イギリスのポンドがすごく安くなりました。今株安です。
欧州経済から、とにかく資金が引き上げる。それはやはり欧州経済がかなり苦しいからです。
その主な要因としては、まず通貨安。
今説明したように通貨が安いことによって、インフレ率が上がって、経済状況は必ずしも芳しくない中で、通貨が安くて物価が上がる。それが経済をさらに苦しめるという状況があります。
<利上げ>
あとやはり利上げです。とはいえ、通貨を安いまま放置したら、ますます自国通貨安が進んでしまいます。
日本がそうなっていないので、ちょっと疑問なところがあるのですが、利上げをしなければならないということになっています。したがって利上げをすると、それ自体が経済を苦しめるということになります。
<ロシア問題>
3つ目はロシア問題です。
原油が入ってこない・ガスが入ってこないというところで経済が回らない。
経済の循環が悪くなって、まさにスタグフレーション。インフレが進行する中で、一方で経済は不況に向かっているというところです。
何が具体的な引き金になるかということはわかりませんが、欧州に大きな爆弾が眠っている可能性があるということは、想像できるんじゃないかなと思います。投資家はそれを懸念して、資金をリスク資産から引き上げてるのではないかとも想像することができます。
そんな中で、例えば今のイギリスみたいなトラス首相の経済政策の話。あるいはイタリアでは極右政党が政権を取ったりして、政情が不安定になりつつもあるのです。
そういった様々なリスク要因が絡んで、今の株安というところも演出されているのではないかと思います。もちろんこのリスクがどこまで実現するかというのは不透明なんですが、当面このような不安定な状況は続くのではないかなと思っています。
つばめ投資顧問の見解
つばめ投資顧問では、長期投資のアドバイスをしています。
長期投資家として言わせてもらうならば、こういう経済不安というのは常につきまとうものです。
一方で、こうやって株価がリスクオフに傾いたときに、素晴らしい良い企業。今は確かに景気が悪くなるかもしれないけれども、5年後10年後を見据えて成長しているような素晴らしい企業を「こういう不安なときに買うこと」で大きなリターンを将来得ることができる。
そのような投資手法を推奨しています。
したがって「こういうときこそ実は買い」ではないかというような見方もしているわけです。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2022年10月11日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。