永守氏の人物像
じゃあ永守さんってどんな人なのか。
知的ハードワーク、トイレ掃除、株価至上主義
この3点があるわけです。
永守さん、執念深い。
利益を上げて、そして企業を大きく株価を上げるために、とにかく執念深い人です。
<知的ハードワーキング>
知的ハードワーキングというのがまさにそうで「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」
とにかく考えて考えて、どうやったら目標を達成できるかということをやり尽くす。
そのことによって、目標を達成して会社が大きくなれる、というそんな考え方なのです。
<トイレ掃除>
これもハードワークの一環なんですが、とにかく従業員にも毎朝、自分たちでトイレを掃除するんだと。
それもハードワークとコスト削減につながる部分も、少しあるのではないかと思います。
- 清掃員を雇ってる場合じゃない。
- 自分でやったら安くなるだろう。
これは自社でもそうですし、買収した会社でもこれを徹底することになるのです。
<株価至上主義>
そして、株価至上主義があります。
永守さんの経歴を見ますと、会社を立ち上げる前に、実は株で成功して、元手を作ったというぐらい株のことも大好きなのです。
そしてそれが自分の会社の株ということになると、それが本当に気になります。
実際に1日10回、自分の会社の株価をチェックしてるというぐらい、株価に対する執念は深いです。
今回関さんを社長から解任したのも、それまでピークで時価総額が高くなって、日本の時価総額ランキングで6位までいきました。
しかしこれが25位まで下がった事に対して、ものすごい憤慨しているという話もあるのです。
ただ私が見るところ、日本電産は直近で最高益を達成してるわけです。
だから関さんが絶対悪いというわけではないかもしれないと思うのです。
株価は投資家の気分で動くところもありますから、それだけで関さんを責めるというのは違うんじゃないかなと思うところもあるわけです。
永守さんの人物像については、わかっていただけたのではないかと思います。
永守さんはこういう厳しい人だということがおわかりいただけたと思います。
難しいのは、それを役員そして従業員にも徹底してしまうというところがあるのです。
後継者と目された人を結局解任
今回社長の関さんが解任されましたが、実は初めてではないのです。
これまでも様々な後継者と目された人が、登用されてはクビになるということを繰り返しています。
呉さんは、カルソニックカンセイからやってきた人です。
片山さんはシャープから来た人です。
吉本さんは日産から来た人です。
そして今回の関さんも日産から来た人ですが、特に日産にかなり力を入れているのは、やはり「電気自動車化に伴って日本電産はこれから車載モーターに特化していくんだ」という意志が読み取れるわけです。
ただ吉本さん、関さんいずれも途中で解任したのです。
関さんとの確執は先ほどお話したところですが、吉本さんが解任される、辞めるときもひどいことを言っています。
「吉本さんを社長に据えたことは、経営人生で最大の失敗だった」と永守さん、とんでもないことを言っているのです。
やはり彼らには、これまでの経験もあって、彼らなりのやり方、経営スタイルがあります。
それをやろうとするんでしょうけど、結局は永守さんのやり方と違うということです。
「気に食わん」ということで辞めさせているのではないかと見えるわけです。
しかも彼らの多くは、どちらかというと「ハードに締め付けられる従業員を何とかしてあげたい」という気持ちが強かったのではないかと思います。
しかし結果的には、それが永守さんの逆鱗に触れてしまうというところがあるわけです。