給与は低く、人気もない
その下にいる従業員も同じく大変です。
日本電産、給料低いです。
コスト削減とありましたが、そのコスト削減というのが、従業員の給料に及んでいるのです。
従業員の平均年収が5~600万ということです。
これ転職サイトの評価なんですが、社員の評価スコアがなんと一番下に近いという状況なのです。
ハードワーク
しかもただ給料安いだけじゃありません。
それでのほほんと過ごせたらいいんですが、その逆です。
まさにハードワーク。
身を粉にして働いた上でこの給料ですから、そりゃ評価も低くなります。
実際に社員のコメント見てみますと
「とにかくハードワークである」
「スピードが速いため、ゆっくりしていたらついていけない」
これはかなり前向きな方の意見ではないかと思います。
永守帝国
会長からの指示、承認は絶対で幹部も含めて絶対逆らえない。
目標が設定されて、達成できなかったら降格が待っているのです。
もちろん一方では、会長がいたからこそ、ここまでの大企業になれたという冷静な分析もあるわけです。
資本家が労働者を搾取
さらに言うと、かなりきついところでは、相変わらず会長の言うことは絶対とありますが
「ひたすらハードワークを課す。」
「課すしか能がない。」
言葉はあれなんですけれども、「とにかくハードに働いてコストを削って、他社よりも一歩先んじるというところに執念を燃やしている会社だな」というところがあるわけです。
しかしそれって結局は、何か強い優位性を持って、競争に勝ってるっていうわけではありません。
人の動きとか頑張ることによって勝つという、まさに昭和。
ここでは18世紀から19世紀の資本と労働者の対立というところまで書かれてるのです。
まあ搾取していると言えるかもしれません。
これを見てると、やはり永守さんの経営、そしてハードワークによって成り立った会社であるということがより浮き彫りになってくるわけです。
これらの評価は、オープンワークというサイトにあるものです。
私は企業分析するときはこのオープンワークというサイトを非常に重宝しています。
是非、皆さんの方でも一度ご覧になっていただくと、参考になると思いますのでお勧め致します。
長期投資としての日本電産
<永守氏の手腕一つで成長してきた会社>
これまでのまとめにもなるのですが、とにかく永守氏の手腕一つでここまで成長してきた会社であるということは間違いありません。
何かそれ以外の優位性があったかというと、必ずしもそうではないかなというところです。
<市場に合わせる、コスト削減、M&Aが強み>
市場に合わせて他社に一歩先んじて、成長する市場に乗り出していく。
その中でコストを削減。
コストを削減するということは、他社よりも安い価格で納入できるということですから、その分競争力あると言えるんじゃないかと思います。
またM&Aで進出したい企業の会社をとにかく安く買って、「出来れば買収先の企業が苦しんでいるときに買いたい」ということも永守さんが言っています。
そうやって買って、企業をコスト削減して、利益を出してまた次の会社を買うということを続けてきました。
<技術的な強みはあまり見当たらない>
技術的な強みはあまり見当たらないです。
それがコメントにも結構書かれています。
<従業員・役員への待遇は厳しい、優秀な人材は残るか?>
その(技術的な強みがない)根本的な要因として考えられるのが、やはり従業員への対応が厳しく給料も低いことです。
その中で高い技術を持った優秀なエンジニアが果たして日本電産に入りたいと思うかというところです。
それは現実問題としてかなり難しいということなります。
すなわち、今のような経営を続けている限り、優秀な人材がいないので、技術的な強みを見つけることができない。
だから今のようなハードワークするスタイルから抜け出せないというのが、今の日本電産のある意味泣き所になるんではないかと思います。
<永守氏がいなければ、平凡な会社になる可能性>
しかし日本電産のやり方も、やはり永守さんがいてのことだと思います。
永守さんとしては、自分と同じような「ミニ永守を連れてきたい」と思うのですけれども、もしそれができたとして、ミニ永守は結局ミニ永守ですから、永守さんほどの力はないと思います。
すると従業員がこれまでよりも緩んでしまうという事はやはり否めないのではないかと思います。
結果、永守氏がもしいなくなってしまったら、平凡な会社になってしまうのではないか。
逆に言えば(今回戻ってきましたけども)永守氏がいる限り、成長に対する執念というのは、やはりものすごいものがあります。
そこは評価できるところなのですが、その先わからない。
つまり長期投資をして見たときに、御年永守さんは78歳です。
あと何年見られるかというところがあります。
実は同じような会社に信越化学という会社があります。
金川さんという、素晴らしい経営者がいるのです。
ずっと素晴らしいと言われて、実は今95歳なんですが、なお現役でいらっしゃる。
皆さんで長生きされるようになったんで、永守さんも20年とかあるかもしれません。
ただ、いつかということは間違いないです。
日本電産の可能性としては、例えば今回関さんのように、もうちょっとマイルドな会社にして優秀な人を引っ張って技術的な強みを身に着ける。
そして永守さんみたいな経営者がいなくても、万全な体制を築ける。
というのが、本来の日本電産も会社の成長として次のステップにあるはずです。
しかし永守さんが強権を振るい続ける限り、いつまでも次のステップに行けないという状況にあるのではないかと思います。