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「日本電産」円安で好決算、長期投資家は“買い”か?株価はピーク時の半値、相次ぐ悪材料を払拭する最善手とは=栫井駿介

市場にあわせ事業ポートフォリオを移す

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どうやって成長を遂げてきたのかというと、まず「市場に合わせて事業ポートフォリオを移す」ということが非常に大きかったと思います。

企業が一つのところにとどまっていると、その市場も成長力に影響される。
それが限界となっていますから、様々なところに進出することで、自社が製品を供給できる範囲を増やしてきたということです。

2003年には小型精密モーターが多かったのが、これが割合として減ってきて、逆に増えてきたのが車載、そして家電、商業です。
この2013から18年のところでは、家電・商業と車載のところが分かれて、これが今や最大分野になっているわけです。

ただ普通にやっていて、いきなりあちこち手を出すというのも、なかなか一社だけはできないことです。
そこで日本電産が使ったのがM&A。つまり企業買収です。

M&Aを活用して急成長

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2012年からだけでもかなり多くの企業を買収し続けてます。
スライドは2012年からになってますが、その前もずっとM&Aをしてきたわけです。

日本電産のM&Aの特徴というのは、凄く規模の大きな会社を買って、ボリュームが多くなるというよりは、そこまで大きくないけれど、まあまあ市場で力を発揮している企業をとにかく安く買うのです。

安く買って、さらにその会社の経営改善を行うことで(売り上げが既にある会社ですから)そこからコストを削ることで利益を創出していく。
そしてその利益をまた次のM&Aに振り向けるというような形で成長を続けてきた会社なのです。

これができたのも、永守会長の執念です。
企業を成長させる、あるいは自社の株価を上げるという執念があってこそです。

日本電産 経営の特徴

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その執念というところでいうと、日本電産、経営の特徴を大きく三つ挙げることができます。

<①すぐやる・必ずやる・できるまでやる>

一つは、「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」をスローガンに掲げています。

とにかくやるんだということです。
もう執念を持って出来るまでやる。

利益が何%だと目標設定したら、その利益率を達成する為、とにかく徹底的にコストを削る。

従業員は夜中も働けるときは働く。
そして目標達成に全てを注ぐ。

これが経営。
永守さん自身も365日、1年のうち元旦の午前中以外は364日全て働くことを実践している人だというぐらい、ハードワーカー・ワーカーホリックなのです。

<②徹底したコスト削減>

そして徹底したコスト削減があります。

  • とにかくお金をかけない。
  • 何にもお金をかけない。

何か物を買うときは、1円単位から会長が稟議をしなければならない。
これは途轍もないことなのですが、それ程徹底してコストを削った結果、利益率が出てくる。

同じ事業をやっていても、コストが少ない分利益が出る。
そこを優位性としてやってきた会社なのです。

<③M&Aと経営改善>

そしてM&Aと経営改善です。

  • とにかく執念を持ってやる。
  • コストを徹底的に削る。
  • 新しい市場に出る。

ということをM&Aした会社にもやっています。

そして利益を生み出して、売上を増やして成長を遂げ、新たな分野へ進出してきたという、特徴があるわけです。

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