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東証がテコ入れ「PBR1倍割れ」銘柄で伸びる企業は?長期投資家が見るべき指標を解説=栫井駿介

本題:見るべき指標

それでは、PBR1倍割れの中から伸びそうな企業を選定する際に見るべき指標をお示しします。

<ROE>

ROEが8%以上であればPBRが上昇してくる可能性が高いです。

PBR1倍割れの企業に中ではROEが8%を下回っていることが非常に多いです。資本を減らしたり還元したり、あるいは利益を増やすことによってROE8%以上が見えてきたら少なくもPBR1倍に向けて上昇してくると思われます。外国人投資家にとっても数字で見るのが分かりやすいので、ここを見て判断することも多いでしょう。

<株主還元>

配当や自己株式取得に積極的かどうかということです。

配当なら、平均的な配当性向が30%くらいなので、50~60%の企業は配当に積極的であると見られます。もちろん、その裏付けとなる利益やキャッシュフローがしっかりしている企業が配当性向を上げられるので、受け入れやすい指標となります。自己株式取得で言うと、現在発行済株式数の5%以上となるとかなり大きい印象です。

<株主構成>

いくら「改善します」と言っても経営陣が本気にならなければ意味がありません。例えば“株式持ち合い”で、あまり成長しなくても潰れることはないと、危機感の無い経営陣だとなかなか実行できません。一方で既に株主に外国人投資家が多く入っていたり、経営陣にプレッシャーを与えるような株主がいるのなら伸びる期待が持てます。

<インセンティブ>

経営者に意欲があるかどうかということです。日本企業ではあまり見られませんが、役員クラスにストックオプションを設定しているような企業はそれだけで資本効率に対して意識が高いということは読み取れます。

<経営計画>

ビジネスとして本当にうまくやっていけるかということです。中期経営計画は多くの企業が出していますが、単なる前例踏襲や各部署から寄せ集めになっている企業も少なくありません。この見極めには経験も必要になりますが、過去に伸びた企業がある時点ではどのような計画を描いていたかというところを見ると参考になるかと思います。(レーザーテックなど)

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image by:Keisuke_N / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年4月8日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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