好調理由の多くは外部要因
業績推移を見てみましょう。
出典:各年度有価証券報告書より作成
売上はやや伸び悩んでいるものの、純利益は堅調です。
再度、24年3月期の最高益達成見込みの要因を振り返ります。
- 欧州家電の好調
- EV関連部品の好調
- 補助金の影響
(2)と(3)が生まれた背景には、テスラが生産台数を伸ばしたことがあります。立場が逆転しているとはいえ、パナソニックの工場はテスラ『モデル3』の60万台分の生産能力を保有しています(22年の同モデルは124万台の販売です)。
一方でテスラに依存している現在の状況ではテスラと共倒れになるリスクがあります。仮にテスラの業績が悪化した場合、好調要因の(2)と(3)が無くなってしまう可能性があります。しかも、(3)に関してはあくまで補助金であるため、一時的な要因です。
そんな中、株価は22年10月から上昇しています。
あなたは最高益を達成する見込みのパナソニックに投資したいと思いますか?
投資する際は、テスラの動向に注意しながら売買を考える必要があるでしょう。
私個人の意見では好調の要因は自助努力というよりも外部要因によるものが多い印象です。この好調がいつまで続くのか、慎重に判断していきたいものです。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年5月16日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。