テスラとの関係が肝になる
しかし2023年現在は、2018年当時とは状況が異なっています。
テスラは中国CATLや韓国LGとも取引を開始、さらに自社生産の電池開発も始めました。
昔のような絶対的な優位性があるわけではないのです。
ではなぜテスラがパナソニックを選ぶのでしょうか?理由は2つあると考えます。
<理由その1. 取引が早かった>
パナソニックがテスラと提携したのは2007年です。パナソニックは、テスラの販売台数が年間1,000台前後であるベンチャー時代からEV用電池を供給しています。また、先ほど触れた巨大EV電池工場の総投資額は6,000億円と言われています。このうちパナソニックの投資額は1,900億円と、約30%を投資しています。
つまり、パナソニックはベンチャー期からテスラを支え、投資を行ってきた背景があるからこそ、関係が続いているのです。
<その2. 品質が良い>
パナソニックが開発する車載電池は2021年時点で世界最高レベルのエネルギー密度を誇ります。EV電池生産を担当するパナソニックエナジーの只信一生CEOは「技術、材料、ものづくりで差別化をして貢献していく」と品質の高さをアピールする方針です。
良い電池を作っていることが、テスラとの関係が続いている要因だと考えます。
パナソニックにとってはテスラはEV関連事業の最大の顧客です。一方で依存していると捉えることも可能であり、リスクも存在しています。
テスラの言いなりになってしまった?
テスラが急成長したことで、立場が逆転するようになりました。特に、アメリカの巨大工場においてはパナソニックはテスラの言いなりだったようです。
この状況で中国CATLや韓国LGが車載用電池のシェアを追い抜いていきました。 テスラはより安い電池が手に入るようになり、必ずパナソニック製を使わないといけないわけではありません。
テスラが「これからは中国、韓国の安い電池を多く使おうかな」と意思決定した場合、パナソニックにマイナスの影響を与える可能性があります。
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