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買収前に逆戻り?ツイッターは新CEOヤッカリーノ氏でどう変わるのか。「言論の自由」と「広告ビジネス」の両立がカギ=澤田聖陽

イーロン・マスク氏の後任となるツイッターの新CEOにリンダ・ヤッカリーノ氏が決まった。広告ビジネスで数々の実績を上げてきたヤッカリーノ氏とは何者か?また「言論の自由」と「広告ビジネスの強化」を両立させられるか?ツイッターの今後に注目が集まっている。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

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※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2023年5月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

ツイッター運営から離れるイーロン・マスク氏

ツイッターを運営するX社(X Corp.)は、米メディア大手NBCユニバーサルの広告部門の責任者であるリンダ・ヤッカリーノ氏を新しいCEOに就任することを決めた。

現CEOのイーロン・マスク氏は、昨年10月に総額440億ドル(同時の為替レートで約6兆4,000億円)でツイッターを買収したが、その後、12月に後任のCEOが見つかり次第、X社のCEOを辞任することを表明していた。

ヤッカリーノ氏のCEO就任後、マスク氏は同社の執行会長兼最高技術責任者(CTO)に就任する予定とのこと。

マスク氏は、同社に他にもEV事業のテスラ、ロケット事業のスペースXなど多数の企業の経営に関わっており、X社の経営についてはある程度ヤッカリーノ氏に任せる意向のようである。

広告のプロフェッショナル?後任のヤッカリーノ氏とは何者か

ヤッカリーノ氏は、1985年にペンシルベニア州立大学卒業後、ターナー・エンターテイメント(CNNの創業者であるテッド・ターナー氏が起こしたグループの一社)で広告事業の責任者として実績を残し、その後、2011年にNBCユニバーサル(コムキャスト傘下の大手メディア・エンターテイメントグループ NBCはABC、CBSと並ぶ米国3大地上波テレビネットワークの1つ)に入社して、グローバル広告・パートナーシップ部門の会長に就任、広告販売で1,000億ドル(約13.6兆円)の売上実績を残している。

NBCユニバーサルでは、ビデオ・オン・デマンド・サービスである「Peacock(ピーコック)」の立ち上げでも重要な役割を担った。Peacockは、現在米国でのみサービス展開しており、日本からでは基本的には利用することはできないが、イメージとしてはYouTubeとNetflixの中間のようなサービスである。

基本的にはNetflixのように映画やドラマ、ニュース、スポーツなどを配信するサービスだが(YouTubeのようなクリエイターによる投稿はない)、広告を入れて収益化することによって、有料でサブスク契約をしなくても一部のコンテンツは無料で楽しむことができる。

「フリー」「プレミアム」「プレミアム・プラス」の3つのサービス層があり、プレミアムは月額約5ドル(広告表示あり)、プレミアム・プラスは月額約10ドル(広告表示なし)という価格である。

Peacockのビジネスモデルは、広告収入+有料会員のサブスク利用料であり、特に広告の獲得においてはヤッカリーノ氏が大きな役割を果たしたと言われている。

ヤッカリーノ氏の経歴や実績を見れば、広告関連のプロフェッショナルであることが分かるだろう。

ヤッカリーノ氏がCEOに就任することで、ツイッターでの広告ビジネスの強化を期待されているというわけである。

Next: 「言論の自由」と「広告ビジネスの強化」を両立させられるか?

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