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買収前に逆戻り?ツイッターは新CEOヤッカリーノ氏でどう変わるのか。「言論の自由」と「広告ビジネス」の両立がカギ=澤田聖陽

言論の自由という信念と広告ビジネスの強化を両立させられるか?

マスク氏は言論の自由の信奉者であり、ツイッター買収についても言論の自由を守るという旗印を掲げて買収を行った。

しかしながら言論の自由と、広告ビジネスとして広告主から信頼してもらい広告出稿をしてもらい広告収入を伸ばすこととは、どうしても相反する部分が生じる。

大きな広告主の意向はある程度、尊重しなければいけなくなってしまうからだ。

マスク氏がツイッター買収後に行ってきたのは、買収前にツイッターが行っていたような投稿の検閲をできる限り行わないというような施策であったが、これは諸刃の剣であり、偽アカウントによるデマ情報の拡散などの問題が発生した。

またマスク氏の過激な発言を行うというパーソナリティも相まって、マスク氏による買収後に一部の広告主が離れたことは事実であり、広告収益はマスク氏が買収する前から30%程度下がっているというような報道がされている。

ツイッターが目指すべき短期・中長期のビジネスモデルは?

このような収益悪化によって、ツイッターの企業価値はマスク氏が買収した価格から半減したと、今年の1月にマスク氏自身が発言している。

マスク氏は買収後に、今まで膨れ上がり過ぎていた人員をリストラしてきたが、赤字体質は現状では変わっていない。

マスク氏はもともと広告ビジネスが嫌いだと公言しており、広告収益に依存するようなプラットフォーマーのビジネスモデルは将来性が乏しいと考えているようであり、買収後にツイッターブルー(認証マーク)の有料化など広告収益以外の収益を模索してきた。

しかしながら、短期的には広告ビジネスによって収益を稼ぎながら赤字を止め、広告ビジネス以外の収益について将来への布石を打つということでないと、このままだと企業自体が存続できなくなってしまう。

おそらくマスク氏は自身が広告ビジネスは得意でないと理解しており、その部分を補うために広告のプロであるヤッカリーノ氏をCEOとして招聘したということだと思う。

ツイッターの収益モデルとしては、短期的には広告収益を回復させながら、広告収益以外の収益の柱を作り、中長期的には広告収益の比率を総売上の半分以下にしていくというような計画が必要だろうと思う。

フェイスブックなどの他のプラットフォーマーを見ても、広告収益に依存したモデルは明らかにピークアウトしているように見られ、中長期的に広告収益に比率が高すぎると成長モデルの限界が来ることは明白だからだ。

Next: 元のツイッターに逆戻り?保守層・言論の自由信奉者の不安

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