fbpx

なぜ「処理水」めぐる中国の嫌がらせに日本政府は黙って耐えるだけなのか?保身第一で動かぬ世襲議員の罪=神樹兵輔

中身は、他国原発の「処理水」と同じと言えるのか?

しかし、日本国民として知っておくべきは、海洋放出する「処理水」の本当の中身です。

日本政府は、中国をはじめ、どこの国の原発も、技術的に取り除けないトリチウムを含んだ原発冷却用に使ったあとの「処理水」は海洋放出している――と主張しています。

海洋放出以外の方法としてはコンクリート固化、地中注入、水蒸気放出などがあるものの、いずれもコストや環境、モニタリングの困難さなどで現実的ではないとされています。

これも本当でしょうか。そういう他の方法について、日本国民はほとんど聞かされていません。

ゆえに、一番安直な海洋放出だけが最初にありきで、コトをすすめた――と言われるゆえんなのです。

福島原発も、事故を起こす前までは、他国同様に冷却に使ったトリチウムを含む水を、ふつうに海洋放出していました。

中国が「核物質(炉心が解け落ちたデブリ)に直接触れた『核汚染水』と通常の『処理水』はまったく違う」と主張するのは、確かにその通りなのです。

各国の原発が海洋放出する「処理水」は、発電用タービンを回すために循環している高熱かつ汚染しまくりの水とは、明らかに違うからです。

このタービンを回すのに循環する水は、密閉された格納容器の中で循環しているだけです。決して外に出てくることはないからです。

各国の原発が「処理水」として海洋に流す、トリチウムを含んだ水は、この循環水を冷やすために、密閉された循環水に対して容器を隔てて「間接的に接触させたもの」にすぎないからです。その際に中性子などが容器を超えて飛んでくるため、この「処理水」には結果的にトリチウムなどが含まれることになるわけです。

しかし、現在の除去技術をもってしても、このトリチウムは取り除けません。

ところが、福島原発のタンクに貯められた水は、直接、解け落ちた炉心などを冷やすのに使われたもので、多くの核物質を含むものになっています。ゆえに、中国は執拗に「核汚染水」と呼ぶのです。

中国の原発処理水は、日本が海洋放出する「処理水」の最大6.5倍ものトリチウムを含んでいる――と日本政府は主張します。

しかし、単純に福島原発のタンクの水と同じものと主張できるのか――ということなのです。「同じ性質の水」と言ってもよいのか――という大問題があるのです。

何といっても、福島原発の「処理水と称する汚染水」は、直接溶解した炉心(デブリ)に触れた水なので、ものすごくたくさんの放射性物質を含んでしまっています。福島の漁業に従事する人々が、風評被害を懸念するのも、当然なのです。

政府は風評被害対策におよそ800億円の補償を準備しているようですが、これから先、こんな金額では追いつかないほどのトンデモない金額に膨らんでいきそうな予感も否めないのです。

政府は、「処理水」の中身をもっともっと詳しく精査して、日本国民はもとより、世界に向けて発信し、「安全」と言い切れるような根拠をさらに積み上げていくことが望まれるでしょう。

とにかく説明不足――という今の状況は、不都合なことを隠している――という疑念を掻き立てるからです。

本当にタンク内の水を再処理すれば、海に放出できる水準にまでキレイになっているのか。他国の原発処理水と「同じ」と言えるのか。これをもっともっと詳細に明らかにしていかないと安心はできないでしょう。

でないと、世界中を敵に回す事態にすら発展するやもわかりません。そんな危惧すら抱かせるからです。

福島原発事故の際には、一時期54ヵ国もの「日本産食品輸入禁止措置」があったことを忘れてはならないのです。「処理水」と本当にいえるようにする日本政府の不断の努力が欠かせないのです。

<初月無料購読ですぐ読める! 9月配信済みバックナンバー>

※2023年9月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2023年9月配信分
  • 日本の原発処理水の海洋放出に反対を叫ぶ中国に、なぜ日本政府は毅然として有効に切り返せないのか?だから世襲政治家は国益を守れない!(9/4)

いますぐ初月無料購読!


※本記事は、神樹兵輔氏のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』2023年9月4日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読を

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。

2023年7月配信分
  • 年収の壁を取っ払え! 人手不足社会到来なのに矛盾した制度を温存する政府へはNOを突き付けよう!(7/31)
  • 世界一ベッド数が多い日本の精神病棟で何が起きているのか? 病床スタッフによる患者への暴行・虐待・窃盗・殺人までもがやりたい放題――という人権侵害の深い闇!(7/24)
  • 黒田日銀総裁の大規模異次元緩和で日本は泥沼に嵌った! いま現役バリバリの30代・40代が30年後に迎える老年の日本社会は地獄! 米国ゼロクーポン債で円安地獄対策を!(7/17)
  • LGBTQへの差別禁止にも後ろ向きの自民党! 悪法乱発のうえに、旧統一教会の延命にどこまでも手を貸す、反日・売国の自民党を退場させるべし!(7/10)
  • 不動産投資初心者を安心させて騙す『 満室保障サブリース契約 』と『 生活保護アパートの満室トリック 』という地獄のトラップ(罠)」(7/3)

2023年7月のバックナンバーを購入する

2023年6月配信分
  • 入管法改悪で、日本は「人でなし」の国になった! ツケは日本国民の弱者切り捨てへ!(6/26)
  • 海外渡航による生体臓器移植(=臓器売買)の野放し行政! 人の命を高額かつ危険な海外移植手術の斡旋で弄び、莫大なカネを儲けている闇の団体! 国内移植を増やし命を救え!(6/19)
  • マイナンバーカードの事故や不祥事は起こるべくして起こっている! 日本のマイナンバー国民総背番号制にストップをかけないと国民の財産までがすべて奪われる近未来の恐るべき事態を招く!(6/12)
  • 成年後見人制度の利用は絶対NG!(6/5)

2023年6月のバックナンバーを購入する

2023年5月配信分
  • 日本の首相は巨額の血税を外遊してバラ撒くだけ!納得できる『まともな外交』はナシ! バラ撒き原資は特別会計という闇の資金!(5/29)
  • 赤字自治体続出の「ふるさと納税」制度! 金持ち優遇で自治体寄生企業を肥やすだけ! 税金の無駄遣いを推進する制度はただちに廃止すべし!(5/22)
  • 日本で貧困老後になる早道は『マイカー』 『マイホーム』 『生命保険』 『教育費』の4つ!(5/15)
  • アメリカの属国化で日本をボロボロにしてきた自民・公明連立政権! 毎年米国から突きつけられる「年次改革要望書」に隷従する自民・公明の売国奴政権を退場させるべし!(5/8)
  • 【再送】「高額=高級化粧品」の思い込みに騙されるな! 本当は原価激安の化粧品業界の闇を暴く!(5/1)
  • 「高額=高級化粧品」の思い込みに騙されるな! 本当は原価激安の化粧品業界の闇を暴く!(5/1)

2023年5月のバックナンバーを購入する

2023年4月配信分
  • 悪質ネット通販が増殖中! 電話が不通で解約できない! 特定商取引法改正でも追いつかぬ高額定期商品の請求トラブル激増!(4/24)
  • 食の安心安全が崩壊! 遺伝子組み換え表示は理解不能! ゲノム編集食品は表示制度ナシ! アメリカの圧力に屈した日本政府の闇!(4/17)
  • 生活保護受給世帯の半分が高齢者世帯という厳しい現実! 増え続ける生活保護費で日本がパンクする!(4/10)
  • 公立学校がボロボロに! 少子化でもブラックな職場ゆえに教員のなり手不足が深刻化! 日本は教育予算がOECDで最低!(4/3)

2023年4月のバックナンバーを購入する

2023年3月配信分
  • 手抜き・ボッタクリの「名ばかり管理」が横行する「不動産管理業務」という業態の闇! 不動産所有者は騙されっぱなし!(3/27)
  • 後任が見つからない中、名誉欲に駆られて就任した植田・日銀新総裁に待ち受けるハイパーインフレという地獄の洗礼!(3/20)
  • 地方議員は不要! 議員のなり手不足解消策での報酬アップは無意味! 地方議会の定数大幅削減こそが大正解!(3/13)
  • 平和国家・日本でなくなる! 専守防衛を捨てた国家のイメージが固まる日! 自民党政権のアメリカ隷従の成れの果て!(3/6)

2023年3月のバックナンバーを購入する

2023年2月配信分
  • ボッタクリ美容整形外科を駆逐すべし!(2/27)
  • 日本の少子化は止められない! 国家消滅へ向かう地獄の未来図!(2/20)
  • 少額投資でスタートする「サラリーマン大家さん」たちの死屍累々! サラリーマン大家を騙す不動産業界の魑魅魍魎!(2/13)
  • 人々の心をあやつるマインドコントロールの闇(2/6)

2023年2月のバックナンバーを購入する

2023年1月配信分
  • 怠け者の楽園と化した『高額報酬の大都市の地方議員』と『なり手のいない過疎地の地方議員』の闇をえぐる!(1/30)
  • 自民党の世襲バカボン政治によって日本はボロボロに! 自民党への支持を続けて政権をとらせてきた日本国民の哀しい自業自得!(1/23)
  • マイホーム購入の罠! 人生のリスクを最大化し、貧困老後を招く危険な道筋!(1/16)
  • 無税サラリーマンになるメソッド! 税金を払わずに再投資で儲ける! 悪徳でも合法の蓄財術!(1/9)
  • 学歴と資産形成の不思議な関係! 高学歴パラドクスに陥ると老後の貧困地獄が待っている!(1/9)

2023年1月のバックナンバーを購入する

2022年12月配信分
  • 歯科医師業界の闇(12/26)
  • 認知症の高齢者を食い物にする法律専門職たちの犯罪行為(12/19)
  • 宝くじにまつわる闇(12/12)
  • 不動産業界の騙しの手口の数々! 悪徳業者だらけの業界の闇をえぐる!(12/5)

2022年12月のバックナンバーを購入する

2022年11月配信分
  • 製薬メーカーの闇!(11/28)
  • 介護が必要になっても介護施設に入れない日本人老後の危機的状況!(11/21)
  • 諸悪の根源である政治献金はただちに禁止!(11/14)
  • 現役サラリーマンの9割が貧困老後に陥る――という近未来の地獄!(11/7)

2022年11月のバックナンバーを購入する

2022年10月配信分
  • 毒まみれ外食・中食・加工食業界の食品素材! トレーサビリティを徹底しない農水省と厚労省の深い闇!(10/31)
  • マイナンバーカード普及を急ぐ政府の本当の狙いは国民への資産課税!(10/24)
  • 「怠け者の楽園」といわれる地方議会の議員は不要!(10/17)
  • 儲けすぎで肥大化したNHK! スクランブル放送化での解体が急務! そのエグすぎる闇の本質とは!(10/10)
  • 弱いものイジメの消費税!インボイス制度導入は、さらなる消費税率アップへの布石!今こそ消費税反対!(10/3)

2022年10月のバックナンバーを購入する

2022年9月配信分
  • 不動産投資で失敗する人続出! イールドギャップの罠に嵌り、メガ大家を目指すサラリーマン不動産投資家の危険な構図!(9/26)
  • アパート入居者は大損させられている! 都市ガスよりも料金が2〜3倍も高いプロパンガス業界の闇!(9/19)
  • なぜ「個人情報保護法」があるのに、他人の秘密を暴く「探偵調査業や興信所」という商売がはびこっているのか?(9/12)
  • 無資格で誰でも始められて事故続出!リラクゼーション業界の闇(9/5)

2022年9月のバックナンバーを購入する

2022年8月配信分
  • 宗教とカネ! 所詮は金集めが中心の宗教団体! 宗教法人のオイシイ税制優遇制度!(8/29)
  • なぜ金持ちはますます肥え太り、庶民はますます貧乏になるのか――金持ちほど税金を払わないですむカラクリ!(8/22)
  • 大企業は中小・企業よりも法人税を払っていない!(8/15)
  • 日本人の賃金低下を促す「労働者派遣事業」は禁止すべし! 「中間搾取」「間接雇用」「有期雇用」が格差社会の元凶!(8/8)
  • 兄弟姉妹間での「争族」を増やす! 「亡親の遺産」独り占めを狙う親族に加担する悪徳公証人が横行!(8/1)

2022年8月のバックナンバーを購入する

2022年7月配信分
  • 日本の生命保険は加入者とは「利益相反」の矛盾だらけの高額で無駄な欺瞞商品!(7/25)
  • 「ふるさと納税」は金持ち優遇で税金の無駄遣い! ただちに廃止すべき、その理由!(7/18)
  • 悪名高き奴隷労働の「外国人技能実習制度」はただちに廃止すべき!(7/11)
  • 世襲議員が日本を滅ぼす!(7/4)

2022年7月のバックナンバーを購入する

【関連】サラリーマンは二度死ぬ。役職定年と定年の収入激減を乗り越える3つの方法とは?=俣野成敏

【関連】30年ぶり賃上げがもたらす最悪の格差社会。恩恵のない弱者と年金生活者は物価上昇で火の車=斎藤満

【関連】なぜ65歳以上の肉体労働者が急増?一億総活躍社会は「死ぬまで働け」という政府の高齢者虐待だ=鈴木傾城

image by:Santiherllor / Shutterstock.com
1 2 3 4 5

神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる! 神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる! 』(2023年9月4日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図――政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!

[月額660円(税込) 毎週月曜日(年末年始を除く)]
1990年のバブル崩壊から続く「失われた30年」を経て、ニッポン国の衰退ぶりは鮮明です。デフレ下でGDPは伸びず、賃金は上がらず、少子高齢化で人口は減り、貧富の格差も広がりました。いったいどうしてこんなことになったのでしょう。政治、経済、社会、マネーや投資に瑕疵があったのは否めません。本メルマガは、そうした諸分野に潜む「闇」を炙り出しグイグイえぐっていこうとするものです。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー