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なぜ「処理水」めぐる中国の嫌がらせに日本政府は黙って耐えるだけなのか?保身第一で動かぬ世襲議員の罪=神樹兵輔

危ないのか、危なくないのか……謎に包まれ、誰にもわからない「処理水」の海洋放出

ところで、中国政府が発表した「日本産水産物の全面輸入禁止」措置に対して、日本政府は「科学的根拠に基づかない主張」としていますが、本当のところどうなのでしょう。

そもそも福島第一原発で、核物質で汚染された水をなぜ、タンクに貯め続けてきたのでしょうか。

ALPSで処理して安全な水なら、さっさと流せばよいのに、今日まで「先延ばし」にしてきたのは、いったいどんな理由で、いったいどこの誰の差し金だったのでしょうか。

これこそからして、ことなかれ主義の世襲ボンボン議員が牛耳る自民党に他ならなかったのです。

「処理水」などと称するものの、危ない液体だったからタンクに貯め続けた――というのが、海洋放出反対派の主張ですが、この汚染水を、さらに再び多核種除去(ALPS)で処理をすれば本当に核物質はほとんどなくなり、安心できるのか、トリチウムも水で薄めて海に流せば、本当に安全なのでしょうか。

安全なら、何で今までやらなかったのか。

本当のところは、謎に包まれ、真実は今のところ、実は誰にもわからない――といったところでしょう。

何しろ、海洋放出はこれから30年も40年も続くといいますが、福島原発の廃炉だって、本当の見通しは立っていないのです。もしかしたら、40年、50年、いや100年経っても解決できるかどうかもわかりません。

安全・安心などと言っている政府や東電の人間も、みんな死んだ後の話なのですから、「絶対、安心!」などと堂々と言えるのだ――という、うがった説も出るゆえんなのです。

その間、ALPSは故障も事故もなく稼働できるのか――福島漁連の人たちが懸念するのも、もっともでしょう。

とりあえず、タンクで敷地がいっぱいになってしまったので、メルトダウンした原発の廃炉作業を行うにあたって、空間的に支障があるから…、タンクの老朽劣化や天変地異による毀損が心配だから――ということで、海洋放出をしぶしぶ決めた――というのが実情なのではないでしょうか。

本当は、まだまだ宙ぶらりんの検討状態で、まだまだ「先送りしたかった」けれど、2年前の菅政権がイタチの最後っ屁のように、「2023年に放出」などと宣言し、あとの内閣に「災い」が及ぶように画策したと見るのは、考えすぎでしょうか。

Next: なぜタンクに貯める必要が?本当に安全かどうかは誰にもわからない…

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