金利の上昇が株価に与える影響
現在の市場でもポイントとなるのは金利であり、アメリカの国債利回りは2023年に入ってから上昇を続け、直近では5%を一時超えるほどとなりました。
10月に入ってから株価が下落しているのもこの金利の上昇が背景にあるものと思われます。
金利の上昇が株価に与える影響としては以下のようなものがあります。
<債券への資金流出>
債券の方が株式に比べて魅力的になってしまい、株式を売って債券を買う動きとなり、株価が下落してしまいます。
<レバレッジ投資の巻き戻し>
レバレッジ投資、つまり借金をして投資を行っていた人たちにとって、金利が上がると借金の金利が膨れ上がってしまうので、そうなる前に取引を解消(=株式を売る)しようとし、株価の下げ圧力となります。
<割引率の上昇>
金利が上がることによって、資金調達コストが上がり、「あるべきPER」が引き下がります。それに合わせて株価引き下がることになります。
<事業・不動産投資の縮小>
借入に対する利息が上がってしまうので、投資が縮小し、経済の循環が鈍ってしまいます。
<景況感の悪化>
借金の利息が増えることによって利益が減り、景気の悪化につながります。
ハワード・マークス氏の警鐘
オークツリー・キャピタルというファンドの創設者であり、「投資で一番大切な20の教え」の著者であるハワード・マークス氏が、大きな変化についてのさらなる考察の中で、今の株価や金利に対して警鐘を鳴らしています。
1980年頃から金利は下がり続けていて、多くの人にとって経験したことのない金利の上昇局面が訪れ、投資環境が大きく変わる可能性があることが指摘されています。
ハワード氏は金利上昇に伴い、債券への投資を勧めていますが、オークツリー・キャピタルは債券のファンドなので、これは営業トークであるとも考えられます。
しかし、金利が株価に与える影響は大きいということは確かです。
今後、何らかの要因で金利が急上昇するようなことになれば、市場にパニックが起こる可能性もあります。
Next: 暴落は怖くない?個人投資家はどう対処すべきか

